2022/07/28 (木) 12:00 6
加藤慎平の「筋肉診断」。今回は弥彦競輪「ふるさとカップ(GIII)」に出場する諸橋愛選手を解説する。
⚫︎諸橋愛
身長172cm、体重は75kg。年齢は45歳と大ベテランの域に達している。それでもなおトップ戦線で戦い続けており、連対率も非常に高い。佐藤慎太郎選手、小倉竜二選手もそうだが、筆者よりも年上の選手には尊敬しかない。
諸橋選手は新潟県在住。夏期は雨が多く、冬は雪が継続的に降り続けるため、屋外練習が中心の競輪選手にとっては不利だ。ライバル選手がバンクで好きなだけ練習出来る時、室内で練習するしかない状態が20年以上も続いているのだ。 当然プロの世界では、生まれた地域や環境を言い訳にできない。しかし、練習したい時に天候に左右されて調整できないもどかしさは、選手なら痛いほどよく分かる。「室内練習で補えば良い」と思う競輪ファンもいるだろうが、屋外と屋内では環境が全然違う。屋内の方が圧倒的に調整が難しいのは間違いない。
そんな環境の不利もあるなか、諸橋選手は今でも結果を出し続けている。加齢に伴う体力や筋力の低下、神経系の劣化、関節の消耗のハンデがありながらも、第一線で活躍しているのは超人と言える。
筆者はスポーツジムも経営し、フィットネスの勉強をちょっとはしているのだが、諸橋選手や佐藤選手に代表する数人の競輪選手だけは理解不能の能力を兼ね備えていると感じる。
⚫︎本レースで注目すべき選手は…?
SS級は平原康多選手と吉田拓矢選手の2人のみ。斡旋組と関東組が圧倒的有利と思いきや、それ以外の自力有力選手が菊池岳仁選手のみと、そこまで磐石とは言えないだろう。他地区にもチャンスはある。
個人的には、松本秀之介選手や上田尭弥選手に乗る、荒井崇博選手に期待したい。
加藤慎平
Kato Shimpei
岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。