レースの鍵を握るのは強い気持ち！ 新山と太田の先行争いにも注目！

【全プロ記念競輪】が開催されている佐世保競輪場は佐世保港とほど近い場所にあります。

　すぐ近くには海上自衛隊の佐世保基地もあり、宿舎からは艦艇が行きかう姿も目にしていました。長崎らしく宿舎の食事では皿チャンポンも出ていましたし、大会の帰りには佐世保バーガーを食べて帰ったのもいい思い出です。

【全プロ記念競輪】はFII開催ながら賞金が高く(スーパープロピストレーサー賞の1着は250万円)、優秀競走の後半3レースにもS級S班の選手が9名出走しているように、レベルの高い大会となりました。

　その優秀競走では、人気のS級S班の選手が勝ち上がれなかったのに対して、見なし直線の短いバンク(40.2メートル)もあってか、新山選手、太田選手と先行した自力型の選手が決勝に残りました。12レースの守澤選手が優勝したのも、渡邉選手の先行があったからだと思います。

　スーパープロピストレーサー賞も先行したラインが有利となりそうです。優秀競走でも先行を見せた新山選手の後ろを、守澤選手-成田選手で並ぶ北日本ライン。同じく先行した太田選手-松浦選手の中四国ラインのどちらかが、先行してくるのではないのでしょうか。

　関東ライン(吉田選手-諸橋選手)は一度、新山選手を叩くのは考えているかと思いますが、そこからの先行はないでしょう。荒井選手が付けてくれたことでラインができた古性選手もまた、早めに仕掛けていくことはしないと思います。

　新山選手と太田選手の先行争いですが、唯一の3車とラインが厚くなった北日本ラインが、レースの主導権を握ると見ています。

　新山選手の後ろを回る守澤選手も、【日本選手権競輪】辺りから、かなり状態が戻ってきました。また、3番手を回る成田選手も、前走のFIを優勝と調子の良さが目立っているように、ラインの厚みもあります。

　前受けをしたい選手が多いだけに並びは難解ですが、新山選手は後方7番手に置かれたとしても、そこから一気に踏んでいくはずです。その時に他の自力選手がどのように動き出すかで、レースの流れが変わってきます。

　新山選手の先行に太田選手がかましていった場合ですが、今日の掛かりの良さからしても、新山選手はそのかましに併せていくはずです。こうなると、早めに番手から抜け出せる脚を持った、守澤選手が勝利に近づきます。

　もし、太田選手が新山選手を叩けた場合には、スーパープロピストレーサー賞3連覇を狙う松浦選手にとっては、願っても無い展開となります。優秀競走でもインコース、アウトコースの双方に注意を払いながら、太田選手を2着に残しての優勝は見事でした。

　新山選手と太田選手がやり合った場合には、古性選手の一発の可能性が出てくるだけでなく、その後ろを回る荒井選手とのワンツーフィニッシュも考えられます。吉田選手もゴール前ではしっかりと伸びてくるだけに怖い存在です。

　その一方で新山選手がすんなりと先行した場合、今日のレース内容や佐世保の短い見なし直線からしても、ゴールまで残してしまう可能性も無いとは言えません。

　佐世保のようなスピードバンクは、ナショナルチームで練習を重ねている新山選手には、持ってこいの条件とも言えます。優勝に最も近いのは守澤選手かと思いますが、新山選手がどれだけ強い気持ちを持って先行していくかが、レースの鍵となりそうです。

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