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鈴木誠のハイブリッド展望

【ワンダーランドカップ予想】500バンクの申し子は地元の眞杉と金子だけじゃない! バンクレコードホルダーの中川が波乱を巻き起こす!/鈴木誠の展望

2022/05/22 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は宇都宮競輪場で開催されているワンダーランドカップの決勝レース展望です。

ゴール前の混戦となった時に浮上してくるのが、立ち回りの上手い松浦!

【ワンダーランドカップ】が開催されている宇都宮競輪場は、国内では大宮、高知と3カ所としかない500バンクです。

 その意味では練習でも走り慣れた地元選手が有利であり、決勝にも宇都宮競輪場をホームバンクとする、眞杉選手と金子選手が勝ち進んできました。

 そしてもう一人、決勝進出者の中に500バンクを得意としているのが中川選手です。準決勝の11レースでも1周以上の距離を踏みながら、古性選手や坂井選手の捲りを持ち前のスピードで封じ込んでいます。

 中川選手は宇都宮競輪場のバンクレコード(13秒1)も持っていますが、これは地元の熊本競輪場が500バンクだったことも大きいのでしょう。

 中川選手は揉まれると力を発揮できなくなりますが、そもそもナショナルチームにいたように実力がある選手。今回のように500バンクでかかってしまった時には、持ち前のスピードが遺憾なく発揮されます。この決勝でも、最も注目すべき選手となったのは間違いありません。

 もう一つ注目したいのが、決勝における関東ラインの並びです。宇都宮競輪場をホームバンクとしている眞杉選手-金子選手が並び、吉田選手は3番手となりました。

 ここは得点上位の吉田選手が地元の2人に遠慮したとも言えますが、このラインは3人共に自力型であり、番手となった金子選手が早めに動き出すことも考えられます。この展開となった場合、3番手の吉田選手にも優勝のチャンスが出てきます。

 準決勝で上位独占を果たした九州ラインは、その時と同じ並びで中川選手-中本選手-坂本選手。2車となったのが松浦選手-小倉選手の中四国ライン。大槻選手は単騎となりました

 2車となった松浦選手の先行は考えにくいだけに、眞杉選手と中川選手の先行争いとなりそうですが、その鍵を握るのはスタートの位置取りとなりそうです。

 1番車が吉田選手だけに、眞杉選手は前受けだけでなく、中団からのレースも選択できます。ただ、もう一人前受けをしてきそうなのが、準決勝では前を任せた取鳥選手がレースをしやすいようにと、自ら動いていった松浦選手です。

 車番通りに眞杉選手が前受けした場合、その後ろは、2番車が中本選手なので九州ラインとなります。後方となった松浦選手が眞杉選手を抑えに行きますが、中川選手は自分のタイミングで一気に踏み出していくはずです。

 ただ、松浦選手が前受けをした場合、眞杉選手は中団からのレースとなります。この展開になると、後方となった中川選手が松浦選手を抑えに行って、眞杉選手が後ろの2人を引きつれての先行となるわけです。

 眞杉選手は調子の良さに加えて、地元開催だけに思い切った先行も考えているはずです。もしくは中川選手に先行されたとしても、早めに捲っていくはずであり、その後ろにいる金子選手-吉田選手で決まる公算は高いと見ています。

 ただ、先行した中川選手が準決勝のように頑張った場合には、関東ラインの追撃も振り切れるかもしれません。直線まで九州ラインを引っ張っていったのならば、その後ろにいる中本選手だけでなく、位置取りの上手い松浦選手の上位進出、もしくは優勝の可能性も出てきます。予想もこの両軸で考えてみたいところです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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