アプリ限定 2022/04/05 (火) 12:00 8
平塚競輪場で7日から開催される『湘南ダービー(GIII)』。その最終日10日に行われるのが『ガールズフレッシュクイーン』。同レース出場選手の近況やレースの展望をデイリースポーツの松本直記者がお届けします!
今回で4回目の開催となる「ガールズフレッシュクイーン」が4月10日に平塚で開催される。デビュー2年未満の118期、120期の中から2021年7月から12月の競走得点上位者によって争われる。第1回は梅川風子、第2回は久米詩、第3回は増田夕華が優勝。今年のフレッシュクイーンの栄光はどの選手に輝くのか注目の一戦だ。
選考順位1位で出場するのは尾方真生。中学、高校時代は陸上競技の短距離走で活躍した尾方真生は、小林優香、児玉碧衣とガールズケイリンのスター選手が数多く存在する福岡久留米の藤田剣次に師事した。日本競輪選手養成所118期として入所すると、在所成績2位、卒業記念レース優勝と好結果を残し、2020年5月の小倉ルーキーシリーズでプロデビューを果たした。同期相手に3連勝の完全優勝達成すると、同年7月に青森で本デビュー。先輩相手にも臆することなく、自慢の機動力を発揮して青森、函館と2場所連続優勝をなしとげ、11月には、118期唯一のグランプリトライアル出場者となり、さらには決勝進出まで果たした。
2021年は充実の1年になった。89走して1着が66回。優勝14回。獲得賞金額5位でグランプリ出場も果たした。今年はここまで優勝2回と少し物足りない印象を受けるが、3月の宇都宮で自身初となるコレクション参戦も果たした。結果は5着も、前受けから突っ張り先行を敢行して、最後の直線まで先頭と、粘りのあるレースをみせてくれた。
ここまで着実に力をつけてきているだけに、尾方真生はフレッシュクイーンのタイトルへ一番近い位置にいる。昨年4月のフレッシュクイーン(西武園)はカマシ先行。番手でうまく追走した同期の増田夕華に差されて2着と悔しい結果に終わっていただけに“今年こそ”の思いは誰よりも強いはずだ。2年連続2回目のグランプリ出場へ向けて負けられない一戦となる。平塚は2021年1月、7月に走っていて、バンク特性も頭に入っているはずだ。
吉川美穂はナショナルチームの中距離種目で活躍し、120期の在所成績は1位。2021年5月にルーキーシリーズでデビューし、5月大宮で初優勝。7月の本デビュー後も安定感ある走りを続けて決勝進出を積み重ねた。10月の大宮で落車し、背骨の骨折と肺挫傷と大ケガを負ったが、12月佐世保で復帰すると復帰2場所目の2022年1月伊東で本デビュー後初めての優勝達成。2月名古屋でも優勝と、いよいよ勢いに乗ってきた。自在に動ける強みを生かして上位進出を目指す。
杉浦菜留は昨年大きく成長を遂げた1人だ。デビュー年の2020年は予選での苦しい戦いが続き、1着は最終日の一般戦という時期が続いたが、レースの流れに慣れてきた昨年は一気にブレーク。ガールズケイリンフェスティバル参加組のいない開催とはいえ、7月松阪で初優勝、続く武雄、岐阜も立て続けに優勝。3連続Vと一気に結果を出した。11月広島でも優勝し、年間4回の優勝を達成し、フレッシュクイーンへの出場権を手にした。得意パターンは脚をためてのまくり一撃。先行選手がそろっただけに展開が向いたら侮れない1車となりそうだ。平塚は昨年4月に決勝2着もありバンク相性も悪くない。
山口真未は120期の年長組。陸上競技で活躍したが、ケガが原因で自転車競技に転向。天性のダッシュ力を武器に、ナショナルチームの強化指定選手に選ばれた実績も持っている。2021年5月にデビュー。6月和歌山のルーキーシリーズで優勝。本デビュー後はなかなか優勝することができなかったが、今年2月大宮で優勝。その後も安定したレースを続けている。今年は積極さをアピールしていくつもりなので、尾方に先行争いを挑むのは山口かもしれない。
永禮美瑠は2年連続のフレッシュクイーン参戦。昨年は前受けからカマした尾方-増田にスイッチする俊敏さを発揮して3着。BMX出身者らしく、軽快な動きが持ち味。昨年はグランプリトライアルにも初出場。決勝進出も果たした伸び盛りの1人。“流れ見る”立ち回りのうまさを発揮して波乱を巻き起こしてくれそうだ。
120期の太田瑛美は姉・太田美穂(112期)とはタイプが違う。姉が地脚タイプで妹はダッシュタイプだ。安定感もセールスポイント。優勝は昨年11月の松山1回だけだが、コンスタントに決勝進出は続けている。決勝を外したのは、6月和歌山のルーキーシリーズ、7月富山、10月前橋4日制だけ。得意のダッシュ力を生かした攻めで波乱を呼びたい。
岡本二菜の欠場で繰り上がり出場を決めたのは西脇美唯奈。自転車競技の経験が少ない中でも技能試験で120期に合格。在所成績は7位だったが、抜群の勝負強さを発揮して卒業記念レースで優勝。デビュー後は落車が続いたが、12月岐阜で初優勝達成。3月久留米では山原さくらを差し切って2回目の優勝をつかみとった。先行まくりに追い込みと何でもできる強みを生かし、繰り上がりのツキも味方にして優勝を目指す。
松本直
千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。