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スタートした2024年の戦い

2024/01/18 (木) 09:31

スタートした2024年の戦い

松浦悠士がKEIRINグランプリ初優勝を飾り、初の賞金王に輝いた2023年。
グランプリの余韻に浸る間もなく、2024年の戦いは始まった。1月5日からは、大宮記念(G3)が初日を迎えた。決勝は地元の埼玉から5人が勝ち上がるという組み合わせ。平原康多に展開と地の利があったのだが、勝ったのはS級S班の清水裕友。埼玉勢の二段、三段ロケット策をものともせず、捲りで蹴散らした。

続いては、11日からの和歌山記念(G3)。こちらも近畿勢4人が決勝に勝ち上がり、寺崎浩平を目標にした古性優作が、優勝をモノにした。2着は東口善朋、3着に寺崎が残り、4着は藤田和也で、近畿勢が上位を独占する結果となった。

今年ここまで、2つのG3は、ともにS級S班が制した格好になった。以前、知人の記者から「グランプリが終わって、ホッとする人間と、終わっても興奮状態が続く人間がいる」と聞いたことがある。競輪選手にオフはないのだが、1年の集大成であるグランプリが終われば、少しばかり気が抜けてしまうのも分かる。しかし、清水と古性は、後者の方だったのだろう。ともにグランプリでは悔しい思いをしただけに、今年にかける意気込みが伝わってきたと感じた。もし、S班ではなく、他の選手が優勝してくれたら、それはそれで盛り上がったのではなかろうかとも思うが。

さて先日、2023年の売り上げが発表された。1兆1446億1095万2600円。前年の1兆785億8116万4900円を上回った。ボートレースが微減だったことを考えれば、競輪界は大健闘だった。2年続けての1兆円超えは、関係者も大喜びだっただろう。筆者は、昨年のこの時期に、1兆円超えに浮かれることなかれ的な記事を書いたと記憶している。辛辣なことを書いたが、今となっては、筆者の見方が違っていたのだ。だが、まだ大船に乗ったとは言えない、これだけは言い切れる。上昇一途だったボートレース業界にとって、マイナスは相当ショックな出来事であり、2024年は反省を踏まえて、どのような手を打ってくるのかだ。

競輪の売り上げについては、ミッドナイトに頼る部分が大きい。仮に、ボートレース業界が本腰を入れて、深夜のレースを増やしてきたら、どうなるのであろうか。また、競輪は売り上げこそ上がったが、ファン自体は、それほど増えていないように思えてならない。結局のところ、ミッドナイトは固いレースが多く、当たりやすさが受けて購買しているのだろう。今後も売り上げアップを目指すなら、いっそうの努力をしないとならない。

最後に、残念なのが眞杉匠の離脱だ。練習中の事故で左鎖骨を骨折し、復帰は2月の全日本選抜競輪(G1)になるらしい。昨年は大ブレイクして、G1タイトル2個を獲っただけに、その雄姿を早く見てみたいものだ。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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