2023/07/23 (日) 11:11
真夏の祭典、第19回サマーナイトフェスティバル(G2)が、17日に終わった。優勝したのは広島の松浦悠士。何とサマーナイトフェスティバル3連覇というから驚いた。今年前半は正直なところ、成績は不本意だったに違いないが、これをきっかけに後半戦への弾みがついたことだろう。
2着は脇本雄太。脇本と松浦は対極と言われる。脇本はご存知の通り日本代表としてリオ、東京五輪に出場。一方の松浦は、競技ではなく、競輪一直線。ナショナルチームのメンバーに対し、強烈な対抗意識があったと聞いたことがある。その2人が、決勝でタッグを組むとは思っていなかった。脇本は後ろが誰でも自らのスタイルを貫き通して先行したことは、さすがだろう。
売り上げは目標52億円を上回る54億8629万6900円。今年のG1・G2で目標額を上回ったのは、初めてではないだろうか? 梅雨でジメジメした本州とは違い、この時期の北海道はベストシーズンだ。コロナもあまり気にすることなく、旅行がてら出向いた人達も多くいたのではないだろうか。残念ながら、筆者は涼しい函館には行けなかったが、知人によれば「日中は暑いけどそれでも26、27度。湿気があまりないから、過ごしやすい。夕方からは、上に羽織る物があった方が良かった」との報告があった。何とも羨ましい限りである。心配された雨も、開催中だけはそれほど降らず、選手にとっては最高のコンディションだっただろう。
もう一つ、知人が感心していたのは、イベントと食だ。最近、目にするのは、名前だけは有名だが、現在は人気が下降線を辿っている芸人が競輪場にゲストとして呼ばれているイベントだが、今回の函館は旬な芸人、または長く人気を保っている芸人が何組も登場した。筆者的には、選んだ関係者を絶賛したいほどだ。有名人だけでなく、マジックやフラダンスのショーもあり、次から次へとステージに立つから、飽きがこなかったという。もちろん、車券を買う時間は確保したらしいが、家族連れも相当多かったらしい。
食は北海道名物のジンギスカンが1000円で食べられたと喜んでいた。本州の人間にとって、北海道は海鮮とジンギスカン。朝は函館朝市で海鮮を堪能、夜は競輪場でジンギスカンとは、いやはや羨ましすぎる。2年前のサマーナイトフェスティバルでも函館競輪場は、函館山から見えるようにとイルミネーションでバンクを飾るなど、ファンサービスやイベントには定評があった。今回はさらにバージョンアップしたのだろう。
このような要素が入り交じっての売り上げは、今後のビッグレースを開く競輪場にとって、いい刺激となったはずだ。入場人員も連日、4000人を超えるなど、場内は映像で見ていても混雑ぶりがわかった。個人的には、サマーナイトフェスティバルは函館に固定してもいいと思う。これほど盛況だったビッグレースは、久しぶりに見た。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta navi編集部
***************
【岩井範一の過去コラムはこちら】
函館のサマーナイトフェスティバル
ルーキーシリーズは続けるべきか
オールスターファン投票
高松宮記念杯を振り返る
神山雄一郎の900勝
全プロ記念と競技大会
新ダービー王・山口拳矢
激しさを増すガールズ戦線
平塚ダービーの勢力図
地元開催
岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター