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『森泉宏一の実況天国』Vol.77

2022/05/04 (水) 09:27

『森泉宏一の実況天国』Vol.77

4月末に開幕した、第41回SGオールスター・オートレース。
ファン投票で選ばれる「夢の祭典」。
今年は8人の女子選手が選出され、大きな賑わいを見せていました。


開催初日に川口で現地観戦した筆者

このコラムを執筆しているのは開催5日目。例年であれば5日目=最終日なのですが、今年のオールスターは6日間開催のロングランシリーズ。初出場の選手もいる中、SGという大舞台で足跡を残すチャンスが1日多いわけですが、苦戦する選手が多く見られました。
この記事を書き出す直前のレースでは、私の個人的推しである本田仁恵(川口34期)選手が無念のフライング。
最終日にもう1日挽回のチャンスが残されていますが、地元の意地、奮起は果たせたでしょうか。

さて今回は、そんなオールスター出場選手を中心に、私が注目しておりますガールズレーサーの今年の活躍を振り返りたいと思います!

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まずは、今も女子選手のトップをいく佐藤摩弥選手(川口31期)から。

44年ぶりの女性レーサーとして常に注目を集め、今年でデビュー11年に。2019年にはSGスーパースター王座決定戦に名を連ね、通算で優勝回数は8回と女子選手最多。昨年のオールスターでは優勝戦でトップスタートを切り、記念レースでも存在感を増す場面が増えてきました。
ただ、今年はここまで優出1回、1着3本。さらには7期ぶりにA級陥落。オースルター直前の地元開催で、ようやく今年初優出(4月30日現在)。その節の準決勝戦での1着が、約2カ月ぶりの白星と、ここまで不振が続いています。
そんな中で行われたオールスターは、初日土砂降りの中で行われた「スターセレクション」で3着と健闘。そこから準決勝戦まで進出と、人気投票上位の責任を果たした佐藤選手。しかし、オールスター3年連続の優勝戦進出の期待も高かった準決勝戦では、無念の落車となってしまいました。
先日、ボートレース界では、遠藤エミ選手(滋賀102期)が「SGボートレースクラシック」を制し、女性レーサーとして史上初のSG優勝を飾りました。しかも、予選トップ通過でSG優勝戦1号艇の座を獲得(女子選手のSG予選トップ通過は史上初)。
女子選手のSG優勝戦進出は横西奏恵(徳島76期)さん以来となる11年ぶり、SG優勝戦1号艇は寺田千恵選手(岡山65期)以来21年ぶりでした。この大偉業を目撃したオートレースファンは、「こっちはサトマヤだ!」という想いを抱いた方も多かったことでしょう。
オールスターでは不振脱却からの兆しが若干見えつつあっただけに、巻き返しに期待したいところです。

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続いては「リサマックス」こと片野利沙選手(川口32期)

2019年に新設されたスーパースターガールズ王座決定戦の初代女王。さらに昨年末に行われた第3回大会で再び女王の座に返り咲きました。大舞台で力を発揮している片野選手ですが、今年の初勝利は新年度に入った4月10日の地元開催と時間を要しました。その翌々節の地元開催の準決勝戦を制し、今年2勝目。前述した佐藤摩弥選手と共に、今年初優出を果たしています。
今年は序盤からエンジン出しに苦労されている印象ですが、新年度に入り、少しずつ上向き加減。もうすぐデビューから10年。ファンの想いはただひとつ。リサマックスの初優勝でしょう!

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片野選手と同期、そして同じ「チャリレンジャー」である藤本梨恵選手(伊勢崎32期)

藤本選手は前述の2人とは逆に、今年序盤から結果を出していましたが、新年度に入るあたりからトーンダウン。しかし新年度から地元伊勢崎では、藤本選手自身が好相性であるナイターレースが始まっています。過去には地元ナイターでの優勝実績もあり、2度目の優勝も飯塚ミッドナイトと相性抜群(飯塚の優勝は、女子選手史上初のミッドナイト優勝者)。夜レースをきっかけに、再度浮上したいところ。
我々も車券的中チャンスを逃すことなく動向を見ていきたいところですね。

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そして、32期が続きますが、岡谷美由紀選手(浜松32期)

昨年のオールスターでは佐藤摩弥選手と共に優勝戦進出。これが自身初のSG優勝戦と大きな驚きを与えました。
その後、昨年11月のSG日本選手権オートレースの初日に落車し、長期離脱。1月末に復帰後も結果が出ていませんでしたが、2月に地元浜松でのG1戦最終日に3着。これが復帰後初の上位着でしたが、この3着が波乱を巻き起こし、3連単は10万円超えの高配当。(個人的に、この節は岡谷選手の3着を連日狙っていましたが、この日に限り時間がなく、購入できず悔しい思いをしました(苦笑))。
その後、4月のガールズ王座浜松予選を制し、ここでも3連単は高配当。そして、近況は試走タイムから出ていない状態が続いていますが、それも影響してか、上位に絡んだ時に配当がグッと上がる存在に。試走タイムが出なくても狙いたい選手の1人です。

松尾彩選手(山陽34期)は、今回のオールスターで奮闘した数少ない女子選手。

SG初出場でしたが、連日1枠からの逃げ粘りを披露。初日こそ8着と敗れたものの、2日目にSG初の上位着をゲット。そしてハンデが重化した3日目は2着と躍動(この日は永井大介選手の動きが素晴らしすぎました)。今年は地元山陽のミッドナイトを中心に上位着は多いものの、勝ち切るまでには至らなかった松尾選手ですが、気温が上がるにつれて1着が増えてきました。
近況は3月末のG2ミッドナイトチャンピオンカップで連勝。4月の山陽G1で白星。そして、先日のオールスターと記念レースでの活躍も目立ってきています。
養成所時代は女子選手として初めて優秀賞を受賞した逸材が、いよいよ本領発揮の2022年となるのか。今後の松尾選手から目が離せません。

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次は、冒頭で記した本田仁恵選手(川口34期)

電子機器の製造業から転身し、2019年にデビューもしばらくは大敗続きで心配されていましたが、湿走路を中心に、逃げで結果が出るようになりました。その後は、良走路でもしっかり戦えるようになり、「逃げならお任せ!」というくらいまでに成長。昨年11月のG2若獅子杯では、5日間オール3連対! そして力を蓄えた2022年、遂に初のSGの大舞台に駆け上がりました。
オールスターは「地元走路で1枠の逃げなら、何とかなるのでは…!?」と、連日見守っていましたが、前述のフライングも含めて悪戦苦闘。しかしSGで揉まれた経験、そして一流選手と連日仕事を共にした空気は、大きな糧になっているはず。近況は逃げに加え、6車立てレースであれば30~40mハンデからでも上位に絡む動きを披露。今後の躍進を期待しています。

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こちらもSG初出場だった高橋絵莉子選手(伊勢崎33期)

2017年デビューの33期生。ケガのため同期とはデビューが遅れてしまい、デビュー後は大敗続き。同期に置かれている存在で苦労しましたが、じわじわと力を付けてきている印象です。
今年に入り地元あっせんが続き、そこで安定した成績を残し、その後の他場でも動きの良さが目立っていました。ただ、気温が上がるにつれて、3月頃の勢いに陰りが見えています。それでも、元々はスタートが速い方で、湿走路も安定感ある乗りっぷりがあるだけに、その武器をフルに発揮して浮上してもらいたいですね。
個人的には、2017年にオートレース実況を始めたので、2017年デビューの33期。特に伊勢崎の3人(高橋選手、田崎萌選手、伊藤正真選手)の3人が一緒にSGに出場している姿を見ると、感慨深いものがありました。

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最後は、35期からは新井日和選手(伊勢崎35期)を取り上げます。
あの人気番組「秘密のケンミンショー」において、選手になる前にファンとして伊勢崎オートに来場してい頃から、番組に取り上げられている選手。


(かつてインタビューを行った際の新井選手と筆者)

地元ファンも待ち望んだ伊勢崎市出身初の女性レーサーとなった新井選手は、昨年6月にデビューし、その節の最終日に早くもデビュー初勝利を挙げました。2021年は半年で6勝をマークし、年が明けた2022年は2月の川口開催でデビュー初の優勝戦進出。優勝戦は同期の佐藤励選手(川口35期)より先行し、序盤はレースをリード。その後、佐藤選手に捕らえられ、終盤まで上位着の可能性もあった4着でフィニッシュ。
その約2カ月後には地元・伊勢崎での初優出。オールスター直前のためS級不在の中、初優勝しかも完全優勝の期待が集まり、優勝戦は圧倒的1番人気で迎えました。レースでは単独0mからの逃げでレースを引っ張りましたが、残り2周半でインから攻めてきた大月渉選手(伊勢崎31期)に捕まり、そのあとは着外に。しかし、2カ月間で2度の優出。いずれも悔しい結果とはなりましたが、得たものも大きいはず。特に断然の1番人気の責任を背負った重圧は、予選のそれとは比べものにならないものがあるはず(ご本人がレース本番時にそれを知っていたのかは不明ではありますが…)。
デビュー時から「No.1」青山周平選手(伊勢崎31期)から積極的にアドバイスを貰っているそうで、その英才教育にも注目が集まっています。

今回は以上の8選手を取り上げましたが、いかがでしたでしょうか。

今年も年末のスーパースターガールズ王座決定戦のトライアル戦が各地で行われ、第2戦は5月5日の川口オートで開催されます。トライアル戦はもちろん、通常のレースでも動きを注視して、車券チャンスを逃さないようにしたいですね!

【浜松オート/遠鉄グリーンカップG1開場66周年記念ゴールデンレース】

浜松オートで5月11日から始まる伝統のG1ゴールデンレース。4日目と最終日に現地から配信されるYouTubeライブに出演させて頂きます。

アイドルグループ「アイオケ」の皆さん、グラビアアイドルの倉持由香さんも出演!
そして飯塚オートMC、我らがAKIさんもいらっしゃいます!
毎回CS放送とは違う雰囲気でお送りする楽しい放送となっており、今回も盛り上がること間違いなし!

是非ともご覧下さい。

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【チャリロト劇場「燃えろ!!オートレース」】

2月よりYouTubeでの配信が始まりました!(ニコニコ生放送での配信は終了)
「燃えろ!!オートレース」(チャンネル登録をお願い致します)

この番組は、出演陣と視聴者による対決形式のオートレース予想番組!
オートレースの認知度向上、そして出演陣と視聴者がオートレースに関する情報交換し、毎レース車券対決していく番組です。
出演陣に見事勝利された方は、キャッシュバックプレゼントを獲得することができます(※チャリロトユーザーが対象)

初めてご覧になる方は、こちらからエントリーをお願い致します!

ルールはこちら

※今後の放送予定(朝10時から生放送!)
5月11日~5月13日(浜松オート/G1開場記念ゴールデンレース)
5月22日~5月24日(山陽オート/一般開催)

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【車券職人のオートnight2本 supported by チャリロト】

YouTube配信といえばこちらも!
「燃えろ!!オートレース」にも出演の車券職人さんがミッドナイトレースを中心に予想する番組。
私も出演させて、いただいております。
真夜中のオートレース、共に盛り上がっていきましょう!

※今後の放送予定(19時30分から生放送!)
5月12日(山陽オート/ミッドナイトレース)

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【オートレース/今後の記念レース日程】
5月11日~5月15日 G1開場記念ゴールデンレース(浜松・デイレース)
5月25日~5月29日 G2川口記念(川口・ナイター)
6月8日~6月12日 G2稲妻賞(伊勢崎・ナイター)

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【過去のコラムはこちら】
Vol.76「1日2回乗りを考える」
Vol.75「2021年度のオートレース売上」
Vol.74「ある少年との出会い」
Vol.73「新人の活躍とリプレイ映像」
Vol.72「ギャンブル飯とスタグル」
Vol.71「2021年の車券成績」
Vol.70「スター誕生の予感」
Vol.69「オートレースがある街」
Vol.68「出でよ、新星!」
Vol.67「公営競技用語の言葉遊び」

【略歴】


森泉宏一(もりいずみ・こういち)
1984年5月8日生まれ
東京都出身 広島県・富山県育ち

父親の影響もあり、学生時代は野球に打ち込む
25歳の時、ボートレースで公営競技実況デビュー
2017年4月から伊勢崎オートでオートレース実況を始める
公営競技実況の他、プロアマの野球実況
さらにはイベントや展示会の司会
広告モデルや話し方教室講師などでも活動
野球好きの選手からの誘いもあり、
伊勢崎オートの野球チーム「キラッツ」に入部
しかし、デビュー戦において投手で二桁失点を喫する
その為に最近、オートレース界隈でその実力が疑われている
某選手からの「投げるスタミナがあるだけで助かっている」という慰めの言葉が唯一の救い

実況天国

森泉宏一

生まれは東京、育ちは広島、富山。学生時代に喋りの仕事を志し、2009年にボートレース実況でアナウンサーデビュー。2017年からはオートレース実況も始める。現在はYouTube配信番組などの出演も多く、「チャリロト劇場 燃えろ!!オートレース」出演時はMCも務める。パーフェクタナビでは「森泉宏一の実況天国」コラム連載中。プライベートでは2022年に年間100本の万車券的中を達成。試走タイムが出ない選手や逃げが得意の選手を好む傾向にある。公営競技を含めた日々の仕事の様子などを投稿している「森泉宏一のモーリーチャンネル」も絶賛更新中。

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