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『森泉宏一の実況天国』Vol.78

2022/05/26 (木) 12:35

『森泉宏一の実況天国』Vol.78

まず、私事ではありますが、5月8日に38歳の誕生日を迎えました。
たくさんのお祝いメッセージをいただきまして、この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

「チャリロト劇場 燃えろ!!オートレース」放送中にも、出演者の皆さんに祝ってもらいました。
誕生日の当日は、競馬のNHKマイルカップ。さらには、競輪の日本選手権決勝が開催されました。
生を受けた日に、ビッグレースが2つも開催されることもそうそうありません。ここはひとつ、誕生日にちなんだ馬券や車券を購入することにしました。

1984時5月8日生まれということで、「1.4.5.8.9」の馬単・2車単の5点BOXをそれぞれ購入。
結果は__競輪が的中でした(2,520円)

ちなみに、当日のオートレースは昼と夜の2開催。
全24レースで「5-8」の2連単を買い続けようと企てていましたが、この日の8車立ては1レースのみ。しかも、5も8も絡まない大波乱決着でした(苦笑)。

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さて先日、元サッカー日本代表監督のイビチャ・オシムさんが亡くなられました。
このコラムを執筆している時点で、オシムさんが亡くなられたという報道からかなりの日数が経過していますが、未だに多くの追悼記事が掲載されており、改めてその偉大さを感じております。
オシムさんがジェフ市原を率いておられた時の印象として、ひとつに若手選手の抜てきがありました。
具体的な話は端折りますが、若手選手だけを使うわけではありません。中堅・ベテランとの融合でチームを強化し、魅力あるチームを作っていきました。

そして、それはオートレース界でも同じこと。
チーム競技ではありませんが、若い力の台頭があって、中堅・ベテラン勢と同じ土俵で戦い、それぞれが力を出し切り、その力が融合してレースを盛り上げていく。
若手選手がどれだけ伸びていくのか__。
これは、どの競技でも大事なことです。
そして、見ている我々も、若手選手の「ブレイクの予感」を味わうことは、競技の楽しみのひとつでしょう。
前置きが長くなりましたが、今回はオートレースのヤングレーサーに注目! 34期にスポットを当てます。

まず、2019年にデビューした34期の中で、最も優勝回数が多いのが長田稚也選手(飯塚34期)


長田稚也選手(写真提供:公益財団法人JKA)

昨年は、3月の川口開催で初優出(2着)。続く4月に地元・飯塚のミッドナイトレースで、嬉しいデビュー初優勝(完全優勝)。さらに、11月にも同じく地元のミッドナイトで2回目の優勝を飾ります。
迎えた2022年。1月にミッドナイトで3度目の優勝と、若きミッドナイト巧者ぶりを発揮。
そして、さらなるインパクトを残したのが、次の飯塚開催。
この開催でも優出すると、逃げ粘る同期・山本翔選手(山陽34期)を残り2周でとらえ、人気に応えて2節連続の優勝。しかも前節に続いて完全優勝で決める活躍を披露。そして、この優勝がミッドナイト以外で初めての優勝でした。すなわち通常開催であり、スタンドでファンが見つめる中で、表彰式を行うことができました。
先日のSGオールスターでは6日間で3度の車券絡みと一定の結果を残した長田選手は、オートレース界でも数組存在する兄弟レーサー。兄・恭徳選手(山陽32期)は、すでにG1タイトルホルダーの仲間入り(2020年に地元・山陽でG1令和グランドチャンピオンカップを優勝)。オールスターでは最重ハンデながら奮闘しただけに、この位置で揉まれて、ゆくゆくは兄弟での記念タイトルホルダー誕生の期待が高まります。

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次に優勝回数が多いのが、上和田拓海選手(川口34期)横田翔紀選手(伊勢崎34期)川口裕司選手(飯塚34期)で3回。
ロードレース出身の上和田選手は、養成所時代に最優秀賞を受賞するなどデビュー前から注目を集める存在に。

横田選手は、あの「絶対王者」高橋貢選手(伊勢崎22期)の弟子として。さらには2000年生まれレーサーとしても注目を集めました。


横田翔紀選手(写真提供:公益財団法人JKA)

デビュー後はしばらくして、地元のアフター5レースで、デビュー初優勝を含む2度の優勝を飾り、さらに昨年11月の地元開催では、あの鈴木圭一郎選手(浜松32期)を振り切り、有観客開催での初優勝。
師匠同様、雨での連対率は高いものがあり、スタートも悪くない。現在は負傷による欠場が続いていますが、復帰した際は、反撃の狼煙(のろし)に期待したいところです。
ちなみに、以前ロッカーで師弟2人がタイヤウォーマーを巻いている姿を見て、親子のように微笑ましく見えてしまい、しばらくその様子を見入ってしまったのは、ここだけの話。

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川口裕司選手(写真提供:公益財団法人JKA)

飯塚所属の川口裕司選手は2020年にデビュー初優勝を含め、この年に2度の優勝。
インパクトを残したのは、翌年春に行われた地元・飯塚のミッドナイトレース。この開催が川口選手にとって、ミッドナイト初体験となりましたが、並居る先輩レーサーを振り切り、初めてのミッドナイトレースを完全優勝で飾る離れ業を演じてみせました。
現在は最重ハンデを背負っての戦い。SGオールスターでは苦戦を強いられましたが、先日の浜松G1では厳しい勝ち上がりを突破して、準決勝戦進出に成功。センスある走りは今後のブレイクを予感させてくれるものがあります。

優勝回数2回は、佐藤大地選手(浜松34期)古城龍之介選手(山陽34期)野本佳章選手(伊勢崎34期)の3名です。


佐藤大地選手(写真提供:公益財団法人JKA)

佐藤選手のデビュー節は、不成立となったレースを除いた全てのレースで車券絡みの活躍と、上々のスタート。(この開催では師匠である浅野浩幸(浜松25期)選手が自身8年ぶりの優勝を飾る)。
その後も同期の中では安定した成績を残し、試走タイム自己ベストを出したデビュー10走目で初勝利をマーク。
そして昨年6月の地元・浜松で行われたアーリーレース。同じく初優勝を狙う交川陽子選手(浜松33期)選手を残り2周でとらえ、2度目の優出でデビュー初優勝を達成しました。そして、10月末の山陽開催で2度目の優勝。
ここまで2度の優勝は、いずれも7車立て。8車立ての優勝も達成して、さらに自信を深めてほしいところ。
同じ福島県出身である早川清太郎選手(伊勢崎29期)に続く「みちのくレーサー」としての活躍も期待したいです。
個人的に、最近の大地選手とは車券相性が良くなっている“仲”ということもあり(笑)、今後もより注目したい存在であります。(私の今年度初万車券は大地選手から。しかも大地選手の出身地である福島県滞在中に的中という偶然も!)

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古城龍之介選手(写真提供:公益財団法人JKA)

今年初優勝を飾ったのは古城選手。
古城選手はデビュー2走目で初勝利。その後、2019年12月の飯塚開催の前検日に負傷し、約1年間の欠場と苦しい時期を過ごします。翌2021年1月から復帰し、ジワジワと実力をつけて迎えた2022年、ナイター開催となった地元山陽。
丹村飛竜選手(山陽29期)や鈴木宏和選手(浜松32期)など好メンバーが揃う一戦でした。道中は地元の先輩・西村龍太郎選手(山陽25期)がピッタリとマークする展開も、見事に逃げ切り、デビュー初優勝!
そして翌月にはミッドナイト開催でも優勝を飾るなど昇り調子。2月から3月にかけては白星量産中です。
4月の地元G1では記念初勝利を飾るなど、アピールを続けています。

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野本佳章選手(写真提供:公益財団法人JKA)

野本選手はバイクやスポーツなどの全国優勝経験者、海外での成績優秀者らが対象となる入試特例選手の1人。
2016年にはバイク・トライアル世界選手権出場の経歴を持ちます。
昨年3月の地元開催では、師匠である塚越浩之選手(伊勢崎23期)と共に優出。師弟対決を制し、ホーム走路でデビュー初優勝を決めました。スタート力に目を見張るものがあり、レース序盤から沸かせてくれる選手の1人です。

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石川哲也選手(写真提供:公益財団法人JKA)

石川哲也選手(伊勢崎34期)は石川岳彦(伊勢崎19期)選手との父子鷹。
高校は野球の名門・栃木県の文星芸大附属高校出身。自身も投手として栃木県大会ベスト4進出を経験。
2020年8月の川口開催では師匠の新井淳選手(伊勢崎23期)選手と共に優出。これが石川選手自身初の優出に。
さらに翌年10月の川口開催でデビュー初優勝!
初優出も初優勝も川口と縁起のいい走路となっているだけに、川口あっせん時は特に注視したいところ。

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石本圭耶選手(写真提供:公益財団法人JKA)

そしてまだ優勝未経験ではあるものの、オートレースファンの皆さんとしては石本圭耶選手(飯塚34期)の活躍を期待されてる方も多いでしょう。昨年は一級車に乗り替わった途端に、2節連続優出と大きなインパクトを与えました。
その後はケガによる長期欠場もありましたが、近況は優勝戦進出だけでなく、展開次第では優勝もあるのでは? と予感させてくれるところまできています。近いうちに初優勝も期待できそうです。

また、先日(5月20日)は道智亮介選手(飯塚34期)が地元ミッドナイトで初優出・初優勝を達成!
そして、34期女子レーサーで最初の優勝者となるのは、どの選手なのか。ここにも注目したいところですね。

【チャリロト劇場「燃えろ!!オートレース」】

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※今後の放送予定(朝10時から生放送!)
6月13日~15日(川口オート/一般開催)
6月22日~24日(川口オート/一般開催)

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【オートレース/今後の記念レース日程】
5月25日~5月29日 G2川口記念(川口・ナイター)
5月30日~6月3日 G2ミッドナイトチャンピオンカップ「チャリロト杯」(飯塚・ミッドナイト)
6月8日~6月12日 G2稲妻賞(伊勢崎・ナイター)
6月29日~7月3日 G1キューポラ杯(川口・ナイター)
7月14日~7月18日 G2小林啓二杯(山陽・デイ)
7月27日~7月31日 G2ウィナーズカップ(浜松・デイ)

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【過去のコラムはこちら】
Vol.77「注目の女子レーサー特集」
Vol.76「1日2回乗りを考える」
Vol.75「2021年度のオートレース売上」
Vol.74「ある少年との出会い」
Vol.73「新人の活躍とリプレイ映像」
Vol.72「ギャンブル飯とスタグル」
Vol.71「2021年の車券成績」
Vol.70「スター誕生の予感」
Vol.69「オートレースがある街」
Vol.68「出でよ、新星!」

【略歴】


森泉宏一(もりいずみ・こういち)
1984年5月8日生まれ
東京都出身 広島県・富山県育ち

父親の影響もあり、学生時代は野球に打ち込む。
25歳の時、ボートレースで公営競技実況デビュー。
2017年4月から伊勢崎オートでオートレース実況を始める。
公営競技実況の他、プロアマの野球実況。さらにはイベントや展示会の司会、広告モデルや話し方教室講師などでも活動。
野球好きの選手からの誘いもあり、伊勢崎オートの野球チーム「キラッツ」に入部。
しかし、デビュー戦において投手で二桁失点を喫する。その為に最近、オートレース界隈でその実力が疑われている。
某選手からの「投げるスタミナがあるだけで助かっている」という慰めの言葉が唯一の救い

実況天国

森泉宏一

生まれは東京、育ちは広島、富山。学生時代に喋りの仕事を志し、2009年にボートレース実況でアナウンサーデビュー。2017年からはオートレース実況も始める。現在はYouTube配信番組などの出演も多く、「チャリロト劇場 燃えろ!!オートレース」出演時はMCも務める。パーフェクタナビでは「森泉宏一の実況天国」コラム連載中。プライベートでは2022年に年間100本の万車券的中を達成。試走タイムが出ない選手や逃げが得意の選手を好む傾向にある。公営競技を含めた日々の仕事の様子などを投稿している「森泉宏一のモーリーチャンネル」も絶賛更新中。

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