2025/05/27 (火) 12:15
先日、浜松オートレース場で開催された「G1開場69周年記念ゴールデンレース」は鈴木圭一郎選手(浜松32期)の優勝で幕を閉じました。
例年に比べると優勝回数のペースが心配される圭一郎選手ではありますが、この優勝をキッカケに心配無用とばかりの量産体制を期待したいところです。
さて、そのG1ゴールデンレース。優勝戦メンバーの顔ぶれを見ると、実に面白いメンバー構成に。
まず、G1初優出がなんと3選手誕生!
高塚義明選手(川口29期)。2004年のデビューから、約21年目にしての大舞台!節間3勝と晴れも雨も乗りこなしての優勝戦進出となりました(優勝戦7着)。
そして、花田一輝選手(浜松33期)と佐藤大地選手(浜松34期)という、地元の若手選手たちも大一番に臨むことになり、これは地元・浜松のファンの喜びもひとしおだったかと推察。
2017年デビューの花田選手は約8年。20年デビューの佐藤選手は約6年で初めて経験したG1優勝戦(優勝戦は佐藤選手が5着、花田選手が6着)。
準決勝戦の花田選手は、最重ハンデの最内から好スタートを決め、そして雨の中、逃げ切りに成功と価値ある1勝でした。花田選手は3月の特別G1プレミアムカップあたりから、記念の時、最内に置かれた時はいいスタートを連発している印象があり、今回も大事な場面でそれが発揮されました。
佐藤選手も優勝戦で鋭発スタートと見せ場を作っただけに、
「2選手とも大舞台でも臆することなくスタートが切れる!」
ということを印象付けました。
予想をする上でも、これは今後も覚えておいた方がいいかもしれませんね!
さらに、これまた地元から齋藤正悟選手(浜松24期)がファイナリスト入り。
齋藤選手は、なんと自身約25年ぶりのG1優勝戦進出という快挙! しかも最重ハンデで優出を決めるという、観る者に大きなインパクトを与えました(優勝戦8着)。
このような「初もの」や「久々」というフレーズに弱い筆者。
ボートレースやオートレースの実況を務めていた頃も、初勝利や初優勝など、とにかく「初」がつくものには、つい力(りき)が入った実況をしていたものです。
今もそうですが、自分のことではないものの、やはり「嬉しい」という気持ち。そして、その記念すべき瞬間を目の当たりにしている喜びが出てくるのです。
さて、昨今のオートレース界は、「初」優勝に沸いております。
3月上旬に開催された、浜松オートのアーリーレースでは、地元浜松の野田光宏選手(浜松24期)が、デビュー30年目にして初優勝を飾りました!
得意の湿走路を激走し、栄光を掴み取った野田選手。表彰式で見せた笑顔も印象的でした。
3月下旬に開催された、川口オートのナイトレースでは、地元の伊東玲衣選手(川口35期)がデビュー初優勝! スタート先行から逃げ展開に持ち込むと、猛追する北市唯選手(浜松37期)を振り切っての優勝となりました。
筆者が友人と共にデビュー当初から推している、本田仁恵選手(川口34期)は山陽ミッドナイトレースにおいて初優勝を達成! この優勝戦は、本田選手が一度「マグナム」西村義正選手(山陽17期)に捌かれるも、捌き返すというインパクトある一戦。応援していた身からしても、忘れられない優勝戦となりました。この優勝を弾みに、さらにステップアップしてほしいところですね。
さらに、浜野翼選手(飯塚36期)は、先月山陽オートで開催された、オーバーミッドナイト優勝戦。6周回ペースよく引っ張り、逃げ切りに成功し、見事初優勝! 父はご存知!SG4冠の浜野淳選手(山陽24期)。ケガを乗り越えて初優勝を掴み取った翼選手。サラブレッドとしても、今後の走りが注目されます。
そして極め付けは、先月開催された、SGオールスターオートレース。
6日間のロングランシリーズを制したのは、佐藤励選手(川口35期)。オートレース界史上初となる、SG初優出&6連勝完全優勝を達成!
「SG初優出・6連勝・完全優勝」と記しながら、改めて今とんでもないフレーズをパソコン画面に打ち込んでいることを実感。
「史上初」ということは、当たり前のことですが、あの青山周平選手や鈴木圭一郎選手、遡れば高橋貢選手や池田政和選手、島田信廣さんや飯塚将光さんも成し遂げられなかった瞬間を、リアルタイムで目の当たりにできた我々は、幸せ者なのかもしれません(6日間開催となったのが最近というのもありますが)。
この25歳の新鋭が、果たしてどこまで突き進んでいくのか。楽しみはつきません。
そして、これから夏にかけて続いていく記念戦線。
「初優勝」で連想されるのは、毎年お盆シーズンに開催される「SGオートレースグランプリ」でしょう。
このグランプリは、つとに「SG初優勝レーサーが誕生するタイトル」として知られている大会です。
4年前にも、篠原睦選手(飯塚26期)が、選手生活22年目にして、初のSGタイトルホルダーに。2007年には、武藤博臣選手(川口28期=当時船橋)がSG初優勝。しかも「完全優勝」でのSG初タイトルという離れ業を演じました。
初優勝ラッシュに沸く今年のオートレース界。この流れに加え、前述のSG初ウィナーが出やすいと言われるグランプリとなれば、今年の大会あたりで久々に「SG初タイトル」というワードがオートレース界を賑わすかもしれませんね。
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【オートレース/今後の記念レース日程】
5月29日(木)〜6月2日(月)
G2ミッドナイトチャンピオンカップ(山陽ミッド)
6月11日(水)〜15日(日)
G2稲妻賞(伊勢崎ナイター)
6月25日(水)〜29日(日)
チャリロト杯G2浜松記念 曳馬野賞(浜松)
(P-NAVI編集部)
森泉宏一
生まれは東京、育ちは広島、富山。学生時代に喋りの仕事を志し、2009年にボートレース実況でアナウンサーデビュー。2017年からはオートレース実況も始める。現在はYouTube配信番組などにも多く出演。パーフェクタナビでは「森泉宏一の実況天国」コラム連載中。プライベートでは2022年に年間100本の万車券的中を達成。試走タイムが出ない選手や逃げが得意の選手を好む傾向にある。公営競技を含めた日々の仕事の様子などを投稿している「森泉宏一のモーリーチャンネル」も更新中。