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恋して競輪ハンター

2022/01/20 (木) 16:15

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター 101 Hunting

遅くなりましたが、2022年あけましておめでとうございます。
本年も木三原さくら『恋して競輪ハンター』をどうぞよろしくお願いいたします。
2021年最後の更新で、何と連載100回を迎えました。いつも読んでくださるみなさん、本当にありがとうございます。更新するたびに、SNSなど直接感想をいただけることが本当に嬉しいです。つらつらと金網の外から愛を叫び続けて100回。これからも気楽にお付き合いいただければ幸いです。
さて新しい年を迎えて、みなさんは目標などを立てましたでしょうか? この時期は選手取材でも「今年の目標は?」と尋ねることが多くあります。1年の始まり、というより競輪界では『期はじめ』であることが大きいでしょうか。新しい期、また半年の戦いを生き抜くために良いスタートを切りたいと思う選手も多くいるように感じます。

松山競輪で1月12日から行われたF1ナイター『玉野市営netkeirin杯㏌松山』。S級優勝は、徳島の原田研太朗選手でした。年明けから2場所連続の完全優勝。さらに昨年末の防府F1からは、3連続優勝です。
今回の松山では、その勝ち方にも驚きました。決勝戦はG1級の好メンバー。初日特選で先行も見せた大阪の稲川翔選手が、先行選手の藤井栄二選手に前を任せての競走。また何でもできる山田英明選手もいます。原田選手は1番車だったので、私は原田選手が前を取って、別線に切られて6番手まで引き、近畿の先行を捲れるかどうかのレースかと考えていました。原田選手の魅力と言えば、やはり強烈な捲り。近況の調子なら、捲り切るまであるだろうとも思いましたが、その時は中団が山田選手のはず。そう考えると、山田選手の上を越えるのは厳しいのでは?と私は思いました。
オッズを見てみると、人気が集まっていたのは原田選手。
『捲りの本命は疑え』
これは私の中で鉄則。高配当を取るために、忘れてはいけない格言だと思っています。ならば!と、山田選手の先捲りを本命にして、厚め勝負。原田選手の方は、抑えという形でちょっとだけ購入。初日に先捲りを打たれて負けている山田選手が、必ず修正してくるはずだし、これまでの原田選手なら飛ぶ展開まであるかもしれません。それなのに、こんなにオッズがついていいのですか? とニヤニヤしながら投票していました。
そう、これまでの原田選手なら__。

レースは、私の想像と全く違っていました。原田選手が前を取ったところまでは予想通りでしたが、抑えにきた山田選手を残り2周から突っ張ります。そして、踏みながら近畿勢の先行を待ち、中団を確保。もう一度追い上げてきた山田選手をいなしての位置取り。実にスマートでした。
その後の結果は、みなさんご存じの通り。中団を確保した原田選手が2コーナー過ぎから捲りを打って、優勝ゴール。人気に応える完全優勝でした。車券は当たったものの、盛大にトリガミ。痛めた懐をさすりながら、2022年のハラケンは、私の知っているハラケンではない。そう心に刻みました。3日間を通して、長い距離を踏むレース、位置取り、今までとは違う自力でもバリエーションのある走りを見せてくれていました。
しかし、一方でこうも思うのです。甘くないのが超一流たちのレース。これまでと違った戦法は、あっという間に知れ渡り、対戦相手は必ず対応してくることでしょう。その時に、それを超えて勝つことができるのか!? G1戦線での原田選手の走りに、注目が集まりそうです!
日々研究と進化を続ける競輪選手たち。私も競輪ファンとして『展開予想2022ver.』で、今年も的中を目指して頑張りたいと思います!

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【「恋して競輪ハンター」過去コラムはこちら】
100Hunting「グランプリを振り返って」
99Hunting「残そうと 思う気持ちが 交わされる」
98Hunting「心を射抜かれた諦めない競走」
97Hunting「阿部様の引退」
96Hunting「関東ラインの強さについて」
95Hunting「番手捲りに思うこと」
94Hunting「山口拳矢選手は競輪界の原始星」
93Hunting「車券購入は自己責任」
92Hunting「東口高配当流星群」
91Hunting「オールスターのワンツー決着」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

恋して競輪ハンター

木三原さくら

2013年夏に松戸競輪場で ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。 以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。 番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。 好きな選手のタイプは徹底先行! 好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。 “おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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