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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】ちぎり賞争奪戦に出場する原田研太朗選手を解説!

2022/01/20 (木) 12:00 7

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は豊橋競輪「ちぎり賞争奪戦(GIII)」に出場する原田研太朗選手を解説する。

⚫︎原田研太朗

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 公式プロフィールは身長165cm、体重は77kg。データだけ見るとかなりのポッチャリ型だが、現在は確実に絞れている。

 お腹がポコンと出ているのがチャームポイントとも言われていた原田選手だが、レースで見せる捲くりのキレは破壊的かつ圧倒的だ。見た目とのレースでの持ち味は、ギャップNo.1と言っても良いだろう。

 とはいえ原田選手は、小柄な体型なため身長に比例する関節が短く、そのぶん筋肉が付随出来る面積は小さい。体重的なパワー負けはしないものの、なぜ原田選手は捲くりのキレが鋭く、レーサー(自転車)が爆発的に進むのか。

 それは力の伝達効率が異常に高く、ペダルの高い回転域を維持する力が優れているからだ。原田選手は関節の切り返しと伸張反射が優秀だ。そのうえ最近では、モガキきれる距離も伸びた。意識的に仕掛けが早くなり、戦法の幅も広がっている。

 以前よりちょっと引っ込んだお腹が、今年に懸ける原田選手の気持ちを表しているのは言うまでもない。なにより直近競走での114点は、F1グレードが主戦場の原田選手にとって、言うなれば「MAX得点」だ。全てのレースで1着(1.1.1)を取らなければ到達出来ない領域なのだ。

 原田選手は、同学年の古性優作選手・松浦悠士選手・郡司浩平選手に、引けを取らないポテンシャルを持っていると個人的に思う。

 余談だが、原田選手の髪の毛根の強さは、筆者の周りでしばし話題になる。汗だくになっているはずのレース後でも、ヘルメットを脱いだら頭髪が『ビシッ』と上向いており力強い。軟毛の筆者にとっては非常に羨ましい限りである。

 金髪時は、ストリートファイターのガイルにしか見えなかった。今年こGI決勝戦でソニックブームを決め、同世代のタイトルホルダー達に、サマーソルトキックをお見舞して欲しい限りだ。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 SS級の自力選手は、郡司浩平選手、清水裕友選手の2名と、非常に楽しみな戦いだ。競輪力が高い2人だけに、テクニカルな戦略、脚力をファンに見せつけてくれるだろう。特に、年始の記念で圧巻の4連勝を決めた郡司選手が、このシリーズを引っ張っていく事は間違いない。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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