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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】玉藻杯争覇戦に出場する宿口陽一選手を解説!

2022/01/27 (木) 12:00 7

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は高松競輪「玉藻杯争覇戦(GIII)」に出場する宿口陽一選手を解説する。

⚫︎宿口陽一

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 公式プロフィール上では身長168cm、体重は72kgとなっているが、現在はもう少し増えているだろう。

 昨年は初GIタイトルとなる高松宮記念杯を制覇し、競輪界のサクセスストーリーを地で演出した男である。当時の事を鮮明に覚えているが、初めてのGI決勝戦でそのままタイトルを獲ってしまうとは…。相当なスター性を持っている。ここだけの話、少し地味めのルックスとは正反対だ。(宿口ゴメン笑)

 その宿口選手だが、特質した遺伝的能力、恵まれた体型を持ち合わせているわけではない。身長もトップアスリートとしては低めな上、ダッシュ力、トップスピード、スピード持久力など、どれかが特に優れている訳でも無い。特に目立って発達した筋肉部位も見られず、168cmの身長なりに平均的な骨格をしている。

 しかし目に見える長所もある。それは身体的な事ではなく、レースのテクニカルな技術だ。捲りも打てるし、横の捌きも出来る。つまり目標がいれば番手戦もこなせるし、ラインの先頭でも走れる。宿口選手には郡司浩平のような捲りや、松浦悠士のような競輪力がある訳でもない。しかし、たゆまぬ努力と恵まれた環境を武器に、自身の長所を磨いてきた。

「練習は嘘をつかない」という言葉がある。競輪選手はこの言葉を信じ、この言葉にすがりながら高みを目指すが実は違う。

「間違った努力は平気で嘘をつく」これが真理だ。宿口陽一は恵まれた環境の中で正しい努力をし、GIレーサーになったのであろう。

 重要なのは赤パンツ(SS級)になってからの立ち振る舞いだ。周りの見方も厳しいものになる。競輪ファン達の期待に応え続けるのは大変だが、宿口選手なら乗り越えていけるだろう。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 SS級の自力選手は古性優作選手、松浦悠士選手、宿口陽一選手と、競輪界を代表する自在派レーサーが揃った。その中でもやはり古性選手vs松浦選手の構図になるのか。

 ダークホースは九州勢と読む。北津留翼選手と中川誠一郎選手の強力ベテラン自力勢の破壊力は、SS勢にとっても脅威になりうるだろう。眞杉匠選手を使える宿口選手も充分にチャンスはある。玉藻杯争覇戦は4日間混戦になりそうだ。

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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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