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前田睦生の感情移入

【和歌山グランプリ】“令和の救世主”吉田有希「ストロングゼロよりプロテイン」

2022/01/08 (土) 12:00 13

吉田有希の物語が進行する

記念初参戦のニュースター

 1月7日、立川記念(鳳凰賞典レース)が吉田拓矢(26歳・茨城=107期)の優勝という壮絶な戦いの結末で幕を下ろすと、すぐに和歌山競輪の「開設72周年記念和歌山グランプリ(GIII)」が1月9日、開幕する。

 同記念でスキンヘッドハードランチャー・吉田哲也さん(引退=51期)の四男坊の吉田有希(20歳・茨城=119期)がついに記念に参加する。次男坊がS班の吉田拓矢、三男坊が吉田昌司(24歳・茨城=111期)。なんだか、「坊」と付けたくなるな…。

 2022年最初のGIIIを制した拓矢はキリっとしていながら、実はちょっと次男坊っぽいところがある。昌司は“国民の弟”という感じで、有希は“世界の末っ子”という雰囲気だ。下に妹さんもいるが…。

 当方も年を取り、親父さんを取材していた後に子どもたちがデビューとなると、また思い入れが違ってくる。彼らの取材から帰ると、酒の味も違う。2021年、ストロングゼロという飲み物と出合い、親しみ、9%の力でツイートをしていたら…。

「親があのツイート好きなんですよ」と私のストロングゼロツイートを見てくれていると、有希が教えてくれた。

こんな言葉を与えてくれる

ピョコンとはねた髪が次男坊っぽいタクヤ

 有希も20歳になり、ストロングゼロを楽しめる年齢になった。が、この酒は刺激が強い。スポーツ選手には害にもなりかねない…。アドバイスも受け、「ストロングゼロを封印して、プロテインを飲みます」と静岡でのKEIRINグランプリシリーズの時に話していた。笑いながら去っていくので「私がその分、代わりに飲むよ」と声をかけた。

「じゅ、寿命が縮まないように! 」

 こんな言葉で心配してくれて、心に突き刺さった。ひょんなことで健康を害し、“有希の活躍を見れなかったらどうしよう”と動揺した。言葉には力がある。

 競輪選手の言葉を伝えるのが、私たちの仕事だ。いろんな選手がいて、いろんな言葉がある。競輪は、1番、5番、6番、といった番号が走っているわけではない。それぞれが人格を個性を、人生を抱え、親が付けてくれた美しい名前を看板にして戦っている。選手の走り方や成績だけでなく、どんな性格なのか、どんな話し方なのか表情なのか、を感じながらレースを見てほしい。

 『吉田有希』という20歳の若者が戦う姿を、上位に挑む姿を見てほしい。

グランプリ王者・古性優作はどう戦う

古性優作の2022年が始まる

 古性優作(30歳・大阪=100期)が静岡のKEIRINグランプリ2021を制して、初戦となる。古性はこれからどんな戦いをしていくのか。どうやったら強くなれるのか、を求め続けて自転車、セッティング、乗り方、走り方、試せることは何でも試してきた。時々、別人のように動きが悪いこともあるくらいだった。

 これからも変わらないと思う。今の自分が先に進むための模索をやめることはないだろう。荒くれる古性の走り、2022年の戦いはさらにファンの心を鷲づかみにしていく。いつもの笑顔とは裏腹の、スレ違いたくもない激しい走りを見られることに感謝しよう。


Twitterでも競輪のこぼれ話をツイート中
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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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