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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【椿賞争奪戦予想】非常に難解なレース!有力選手のラインから読み解く/ヤマコウ展望

2021/12/19 (日) 12:00 8

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 伊東温泉競輪開設71周年記念椿賞争奪戦決勝を迎えました。

 今節、準決勝11Rで小川丈太(111期・徳島)の後ろを、久米良(96期・徳島)と木村隆弘(91期・徳島)が競り合いました。並びに関して、外野の私がとやかく言う立場ではありません。彼らなりの大義があると思います。ただ、点数を持っていても相手を認めていないという理由で競るならば、普段から認められるようなレースをしているかどうかが大切です。

 今回の件で言うなら、木村が久米を認めていないと言う事であり、木村が取る道は北津留翼か深谷知広の番手で競ることで、小川の後ろで競ることではないと思います。マーク選手として認められることが1番大切で点数ではありません。点数至上主義は「着を拾えば前を回れる」と言う発想になり、ダイナミックで面白いレースは期待できません。

 さて、ここからが本題。決勝のメンバーとライン構成は以下の通り。

①深谷知広(96期・静岡)ー⑥松坂洋平(89期・神奈川)
②北津留翼(90期・福岡)ー⑦坂口晃輔(95期・三重)
④寺崎浩平(117期・福井)ー③村田雅一(90期・兵庫)ー⑧椎木尾拓哉(93期・和歌山)
⑤長島大介(96期・栃木)

⑨新田祐大(90期・福島)

 連日メインを任されているのは新田祐大ですが、ここまで1着がありません。トップスピードよりも末が甘い印象です。

 ラインができる3人はどう考えているのか? ここがまず、難解戦を紐解く知恵になりそうです。

 まず①深谷。
 彼は地元で、優勝もしたい立場ですが位置取りをしてでも優勝を狙いに行くタイプではありません。むしろ、「力を出し切った上で優勝がついて来たらいい」と考えていると思います。

 そして②北津留。
 今節の彼は積極的に位置取りをしています。準決勝、深谷の番手に入りながらも3角で仕掛けたところに自力選手の矜持も感じます。決勝も展開次第では先行も考えているでしょう。

 ④寺崎は、番手が追い込み型の③村田なので、先行ありきではなく、4角まで保つ仕掛けをすると思います。

 以上のことを総合すると前受けは①深谷、中団に②北津留、後方から④寺崎の初手で考えます。単騎選手は切れ目で様子を見るでしょう。

S.⑨ ①⑥ ②⑦ ④③⑧ ⑤

 まず④寺崎がレースを動かします。そこで②北津留は、先ほどの理由から、④寺崎の動きに併せて一旦前に出るより、④寺崎が動いた上を叩くと考えます。④寺崎も、②北津留を突っ張って先行するとなると少し距離が長いので、一旦②北津留を出させて態勢を整えます。

      ←①⑥
打鐘.②⑦ ⑤ ④③⑧ ⑨

H.←① ⑥ ←⑨
    ②⑦ ⑤ ④③⑧

      ←⑨
   ←②⑦ ⑤
B.①⑥ ④③⑧

 ここから導き出される狙い目は
2ー7=9165

 誰からも愛される②北津留が優勝に一番近いと考えました。

 競輪祭の時もそうですが、彼の走りに共感を覚えるファンが増えてきたことを声援の多さから感じます。優勝を飾ることができるでしょうか。

 穴目は、①深谷と②北津留の主導権争いが長引いた時の単騎勢の絡み。
9=5ー738

 このレースは非常に難解なので、色々な展開を考えた方がいいと思います。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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