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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【九十九島賞争奪戦予想】快進撃を見せる新山響平!深谷、竹内との先行争いの行方は/ヤマコウ展望

2021/12/26 (日) 12:00 8

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 佐世保競輪開設71周年記念九十九島賞争奪戦、決勝メンバーが出揃いました。

 今節の目玉は、深谷知広が11年ぶりに佐世保競輪場に登場したことです。佐世保のファンに、久しぶりの深谷はどう映ったでしょうか。

 愛知県から静岡に移籍して、師匠の金子貴志と対戦するまで様変わりし、11年前には考えられないことが起こっています。深谷は、戦法を含めどんなことがあっても自分が思ったことに突き進む強い意志があります。周りの目を気にして、自分の思ったことができない息苦しさのある現代。そこまで強い人はどれだけいるでしょう。彼を見ると「人生は1回きり。好きなことをしなければ」といつも思わされます。

 今節の深谷もあまり調子がいいようには見えません。初日は新山響平の先行をカマシに行きましたが、自転車が全く進んでいませんでした。準決勝も、2角捲りを4分の1輪まで迫られました。決勝戦は新山や竹内翼相手にどう戦うでしょう。

⑤深谷知広(96期・静岡)ー⑨鈴木裕(92期・千葉)ー①和田健太郎(87期・千葉)
⑥竹内翼(109期・広島)ー②井上昌己(86期・長崎)ー⑦小川勇介(90期・福岡)

③新山響平(107期・青森)ー⑧金子幸央(101期・栃木)
④松岡健介(87期・兵庫)

 初日特選、新山と深谷の戦いは、深谷が受けて立ち新山に敗れました。準決勝は、深谷は初手から位置取りにこだわってレースを進めようとしましたが、結果的に粘り負けて前を取らされました。

 今節「ピリッとする」がテーマの⑥竹内も、中団から先行を考えているでしょう。準決勝の走りは、③新山相手に気迫では負けていませんでした。⑤深谷が前を取らされると、中団は⑥竹内です。後ろが③新山で、④松岡は切れ目から進めるでしょう。

S.⑤⑨① ⑥②⑦ ③⑧ ④

 ③新山が動くと、⑥竹内がすかさず先行態勢に入ると思います。

         ←⑤⑨①
打鐘.⑥②⑦ ④ ③⑧

 ③新山相手に苦戦した⑤深谷も、⑥竹内ならある程度まで進むと思いますが、⑥竹内も抵抗するでしょう。必然的に③新山の前は混戦になると思います。

  ←⑤⑨①
H.⑥②⑦ ④ ③⑧

    ←③⑧
B.⑤⑨①
   ⑥②⑦ ④

 本命③新山、対抗⑧金子で狙い目は
3ー8ー912

 ⑧金子が③新山に離れることも考え
3ー92ー71492

 ③新山は、今年前半の成績が嘘のような快進撃を見せています。人間ですから調子の浮き沈みは必ずあります。同期の吉田拓矢が今年グランプリを走ることになったのは、調子が悪くなってもレースの組み立てでカバーしたからです。今の脚力が永遠に続くことなどありえません。新山に限らず、他の選手が常套句で使う「一戦一戦全力で頑張る」の意味を、自分の頭で考え判断してほしいと思います。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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