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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】泗水杯争奪戦に出場する東口善朋選手を解説!

2021/11/04 (木) 12:00 5

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は四日市競輪「泗水杯争奪戦(GIII)」に出場する東口善朋選手を解説する。

⚫︎東口善朋

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 身長176cm、体重は80kg、年齢は筆者の一個下の42歳と大ベテランの部類だ。しかし、今の東口選手はとにかく伸びる。GIでも絶対に車券戦術に欠かす事が出来ない。

 筆者の周りでは「東口伸びすぎワロタ」「東口しか勝たん」という言葉が毎開催飛び交う。まさかこの年齢になってそれほどまでの選手になるとは…。

 さぁ身体を見てみよう。ただ、至って普通なのだ(笑)。どこかの部位が特別発達している訳でもない。強いていうなら、下半身の筋肉に比べ体幹部が若干発達しているが、それが東口選手の直線の伸びに繋がっているとは考え辛い。

 東口選手の強さはペダリングが優れているところだろう。力の伝達に無駄のないタイプなのだ。フィジカル能力が優れた選手の場合、オーバーパワーで自転車から力が逃げてしまうような事があるが、東口選手にはそれが無いので確実に綺麗に伸びてくる。元々、地脚タイプというのが彼の場合は功を奏している。

 キャリアを積んだ事により、「抜き」の技術に磨きがかかり、強烈なダッシュを持つ自力選手の追走に対しての安定感も随一だ。

 そんな東口選手がGIレースでも頭角を現すようになったのは、正直30代後半になってからだ。それが実に競輪らしくて奥深い。純粋に速く自転車を進ませる若手自力選手達が、必ずしも勝つとは限らないのだ。その競技性の本質を東口選手が体現していると言える。年齢は二の次なのだ。

 先ほど触れた通り、筆者の周りの競輪関係者のLINEグループでは、本当に東口選手の信頼が厚い。毎開催、東口選手のレースを追い掛ける「トーグチ(東口)マニア」が存在する。

 競輪歴何十年の博徒達が、トーグチの直線の伸びに一喜一憂する姿は、狂気にも似た感情を感じる。四日市競輪場の長い直線で、東口が躍動する事はほぼ間違いない。

 最後に余談ですが…。ここで「ベテラン競輪ファンあるある」良いですか?

 …それは「選手の名前を音読みしがち」。今週もありがとうございました。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 競合メンバーが揃った中、迎え撃つ地元勢は難しい4日間になるだろう。

 浅井康太選手や柴崎淳選手などを筆頭に、竹内雄作選手や絶好調の谷口遼平選手もいるが、郡司浩平選手や古性優作選手らに対抗するには若干分が悪い。

 しかし、総合力はどの地区も拮抗しており激戦が予想される。ここは地元戦にめっぽう強い浅井康太選手の奮起に期待だ。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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