2021/10/13 (水) 12:00 13
10月14〜17日に前橋競輪場で開催される「ドームスーパーナイトレース(GIII)」。
男子9個レース、ガールズ3個レースのプログラムで、最大の注目は小林優香(27歳・福岡=106期)になる。肩の荷は一度降りても、背負うものは変わらない。
小林は東京五輪後、「ガールズドリームレース」で競輪に戻ってきて2着。その後は2場所走って6連勝。完全V2回、それも自分の仕掛けどころをつかんでのものだ。背負い込んでいたプレッシャーから解放されて、のびのびとしている。そしてまた、進撃を始める。
年末に静岡競輪で開催されるガールズグランプリに出場するには、11月小倉で行われるガールズグランプリトライアルを優勝するしかない。もう一度、自分の目標を定め、突き進む。今シリーズはその過程の中でも大事なもの。4連勝でリズムを作りたい。
男子の方は寬仁親王牌出場組がおらず、その中で宿口陽一(37歳・埼玉=91期)の名前がある。関東勢は粒揃いでそれぞれにチャンスがあるが、宿口を中心にまとまれるかに注目したい。
競輪には、選手間に“格”がある。その格を尊重しながら、常に格へ挑む走りがある。主役になるために、その過程が必要。関東勢がこの4日間でどんなドラマを練り込むことになるのか。
武田豊樹(47歳・茨城=88期)、吉澤純平(36歳・茨城=101期)に地元群馬勢が顔を揃える中、濃いものを見たいと思う。宿口が持つ“競輪観”というものが、むき出しになるシリーズだろう。
10日に決勝を行った「熊本記念in久留米」も振り返っておこう。
優勝は嘉永泰斗(23歳・熊本=113期)の優勝だった。2着が瓜生崇智(26歳・熊本=109期)の熊本ワンツー。北津留翼(36歳・福岡=90期)が初日から作った九州の団結ムードがあった。
あのメンバー相手に結果を出し切ったことの意味は重い。勝ち上がりの段階から、気持ちの入りようは伝わってきた。嘉永については、当コラムで取り上げたのがまだ春のこと。半年も経たない内に、こんなにも頼もしくなるのかと驚いた。
他のレースにも多かったが、結束する九州の戦いぶり。お互いがお互いを鼓舞するような、心躍るレースが多かった。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。