閉じる
前田睦生の感情移入

【ゴールド・ウイング賞】新山響平は原点回帰か!? 選手を揺さぶる“電子タバコ禁止”の衝撃

2025/08/27 (水) 12:00 26

新山響平は再度、進軍を始める

新山響平が出し尽くす

 西武園競輪「開設75周年記念 ゴールド・ウイング賞(GIII)」が8月28〜31日にナイターで開催される。新山響平(31歳・青森=107期)と眞杉匠(26歳・栃木=113期)とS班は2人で、ともに函館オールスター(GI)はパッとしなかった。

 新山はドリームレース、シャイニングスター賞が単騎戦となり「競輪をできるように」と位置取りを意識した走りを見せていた。ともに結果にはつながらず、戦前から「単騎の時はどうにも…」というところだった。うっ憤がたまっているだろう。

 決勝進出も逃してしまい、そもそも北日本から準決に進めたのが新山1人だけという状況で、北日本としても悔しい大会となった。今回は援軍もしっかりしているので、前受けから全突っ張り。先行有利な当地の特徴をとらえ、豪快な逃げ切り劇に期待したい。原点回帰だ。

 また援軍というよりも注目が集まるのは新田祐大(39歳・福島=90期)で、もう一度競輪界の主役の座に立ってこそ…の人材。新田の鼓動を楽しみたい。

眞杉匠も先行ありきを復活させて

眞杉匠が真の強さを手にしていく

 眞杉としても函館オールスター(GI)は悔しいものとなってしまった。準決10Rで9着。後ろの2人が決勝進出という先行は果敢なものでも、やはり自分も乗らなくては意味がない。

 本来の眞杉の怖さというものは、長い距離を勝負しても大丈夫というもの。ひるまず攻めて、他のラインを封じてしまうところにあった。本人が近年口にしていることでもあり、今回は再びそこを取り戻していく。新山とともに、原点回帰が今回のテーマになりそうだ。

 吉田拓矢(30歳・茨城=107期)や、地元の武藤龍生(34歳・埼玉=98期)、森田優弥(26歳・埼玉=113期)らも一段上に上がらないといけない。ケガからの復活ロードを歩む森田一郎(24歳・埼玉=125期)にも大事なシリーズで、山口拳矢(29歳・岐阜=117期)、南修二(43歳・大阪=88期)と注目ポイントは多い。

電子タバコの措置について

選手は多くのものを抱えている(写真はイメージ)

 ちょっと、世の中的には一部にはなろうが、競輪では9月から選手の電子タバコの持ち込みが全面禁止になる。電子機器の取り扱いは公営競技にとって肝心だが、今回の扱いは丁寧さを欠いてはいないか。

 競輪選手は普段から快活な選手が多く、総じて元気に見える。スポーツ選手として朗らかなイメージがある。だが、競輪選手にはレース以外の時間が長くある。特に開催期間中は外部との通信を規制され、小説や漫画、DVDなどの娯楽を準備してくるわけだが、これが重要。レースがうまくいかなかった時の気持ちの落ちよう、次のレースへのプレッシャー、他の選手からの目…。

 文字通り、吐き気のするような時間との戦いでもある。人間は千差万別。タバコで少しの癒しを求める選手もいるし、それは権利でもある。開催期間中の少しの癒しは、それぞれの人間の権利だ。精神面で苦しむ選手も多く目にしてきた。

 『通信機能のアリナシを判断できないのですべて不可』とのこと。その機能がないことが明らかなものでもとは…。心底、気が滅入る時に…。ちょっとした見直しは必要だろう。選手のメンタルケアの面から、の側面から再検討を行ってほしい。


X(旧 Twitter)でも競輪のこぼれ話をツイート中
▼前田睦生記者のXはこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

前田睦生の感情移入

前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

閉じる

前田睦生コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票