2025/09/12 (金) 08:00 0
共同通信社杯は脇本雄太のお膝元、福井競輪場での開催。
オールスターではコンディションに不安を抱えながらも盟友・古性優作共々決勝戦へ乗った。とりわけ古性はサマーナイトの落車がたたり満身創痍でだよ! 誰がどんな状態でも、それぞれが足りない分を補う! これが近畿の競輪! 他地区にはない強固な絆を見せつけられた!
オールスターから間が空き、このふたりはきっちり仕上げてくるだろう。今度はオールスターチャンピオン寺崎浩平が、近畿の競輪を見せる番。となれば盤石な布陣を敷き、他地区の強豪を迎え撃つ構えだ。近畿第2章の扉がここで開く。
その近畿の前に立ちはだかるのは北日本勢。新山響平の徹底先行に、菅田壱道、中野慎詞らの自力型が揃った。そして司令塔・佐藤慎太郎が、この面々をどう束ねるか。北の成否はここにかかる。
関東は前年度覇者・眞杉匠が不在だが、ダービー王・吉田拓矢を中心に坂井洋、佐々木悠葵、小林泰正、森田優弥が脇を固める。あとは武藤龍生がまとめ役として機能できるか--そこが鍵になる。
南関は郡司浩平、深谷知広、松谷秀幸、松井宏佑と顔ぶれは充実。層の厚さなら申し分なく、現状“ナンバーワン”と言っていい。ただ、ここしばらくGI・GIIの優勝から遠ざかっており、いつもヤキモキが募る。そろそろ溜飲を下げるような一撃を見せてほしいが、果たしてどうか。
中部は復調著しい山口拳矢に浅井康太、そこへ藤井侑吾が加わる。藤井がどこまで力を出し切れるか--中部の浮沈は彼の肩にかかっている。中四国は清水裕友、犬伏湧也のS班に太田海也、石原颯。松浦悠士の欠場は大きな痛手だろう! 松浦がいればクレバーな作戦を練ることができ、対戦相手には厄介になるはずだったが…。
さて、この大会は「若手の登竜門」とも呼ばれる舞台。ここで彼らにも光を当てたい。
東日本からは小原佑太、橋本瑠偉、鈴木玄人、佐々木眞也、道場晃規。
西日本からは纐纈洸翔、志田龍星、栗山和樹、谷和也、久田裕也、後藤大輝。
強豪を相手にどこまで存在感を放ち、結果を残せるのか。その走りを楽しみにしている。
さて、初日から“自動番組の妙”ってやつが効いてるね。思わぬ並びがあって、そこにサプライズの匂いがする。こういう新鮮さが面白いんだよ。妄想は5Rをいってみる。
いつもの通り並びから。⑧嵯峨昇喜郎-④飯野祐太-①成田和也-⑦阿部力也の北日本4車、⑤佐々木眞也-②岩本俊介の南関コンビ、⑨橋本壮史-③神山拓弥の関東コンビ、単騎は⑥神田紘輔となっている。
成田がスタートを取って、嵯峨が前受けってことになろう(⇐⑧④①⑦・⑤②・⑨③・⑥)。これだけのメンツが揃えば嵯峨のやることは「突っ張る」しかねえ。セオリー通りにいくと、飯野が番手から発進になりそうだ。ただ、ここは阿部だよ。4番手からの仕掛け、縦に踏めば成田よりもキレがある。だから本線は⑦=①、成田が前を庇えば飯野が残って⑦-④、さらに佐々木に乗る岩本が強襲逆転の⑦=②。
それと、嵯峨と橋本でもがき合いになったら展開はガラリと変わる。その時は佐々木眞也のまくりが炸裂し、岩本俊介の差し切り②-⑤まで押さえておきたいところだ。
妄想予想が売りのこのコラム! これだけではインパクト不足かも! ということで、もうひとつ8Rもいっておくか!
北日本は⑤櫻井祐太郎-②小原佑太-⑦新山響平の3車、対する九州は⑥松本秀之介-①荒井崇博-⑨小岩大介-④柳詰正宏の4車でガッチリ。あとは単騎が③森田優弥と⑧渡邉雅也(⇐⑤②⑦・⑥①⑨④・③・⑧)って並びになるね。
小原がスタートを押さえて櫻井が前受けなら突っ張る形から小原が踏んで、番手まくりの新山が差す⑦-②、単騎森田が新山マークから流れ込み⑦-③、松本に乗る荒井が強襲し⑦-①までが本線かな。
でもね、森田が新山のところへガツンと攻めていく展開も。その時は小原が番手まくりで森田と直線勝負②=③、さらに森田が番手に攻め込んでモタつけば、松本のかましが決まって荒井の出番。①のアタマから⑥、④、⑨を妄想〆といこうか!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。