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鈴木誠のハイブリッド展望

【みちのく記念善知鳥杯争奪戦予想】 決勝は郡司と南がサプライズ連係! 対する北日本は地元の新山が突っ張り先行で、他地区の強襲を凌ぎ切る! /鈴木誠の展望

2025/09/23 (火) 12:00 1

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は青森競輪場で開催されている「みちのく記念善知鳥杯争奪戦」の決勝レース展望です。

直線の長い青森バンク! 混戦で浮上してくるのは泣きの永澤!

【みちのく記念善知鳥杯争奪戦】の決勝は、サプライズな並びとなりました。

 賞金ランキングを争っている、③郡司選手と-②南選手がまさかの混成ラインを形成。以前に幾度か連係実績はあったようですが、番手に付く南選手が、郡司選手を認めている証とも言えるでしょう。

【共同通信社杯競輪】で特別競輪初制覇を果たした南選手ですが、今大会もその好調を維持するような走りを見せています。

 特に準決勝10Rでは先行した北日本ラインの5番手につけると、大外を捲っての勝利。近畿地区を代表するマーカーでありながらも、近年は「タテ脚」を磨いてきた成果が、遺憾なく発揮されています。

 一方、郡司選手も準決勝11Rでは、捲りを星野選手にブロックされますが、それを堪え切ると、再度加速して捲り切るという、強いレースを見せました。

 決勝では単騎のレースを考えていたであろう郡司選手からしても、南選手は最強の援軍と言えます。

 自分も現役時には他地区の選手から、後ろにつかせてほしいと言われたことがあります。レースでは幾度となく鎬を削ってきた関係ながらも、その強さを認めている選手から話を受けた時には、複雑な気持ちというよりも、光栄な思いがありました。

 郡司選手も前を任された以上は、ラインで決めるレースをしてくるはずです。来期はSS班が濃厚となっている両者ですが、「サプライズライン」ではなく、「ドリームライン」と言えるような走りが期待できそうです。

 ただ、地元での記念競輪だけに、両者に主役の座を渡すわけにはいかないと思っているのが、現SS班の新山選手と言えるでしょう。

 準決勝では菊池選手に捲られて3着に敗れたものの、徹底先行型の後藤選手を突っ張り切っての走りは高く評価できます。決勝に北日本地区は3人勝ち上がってきましたが、その並びは①新山選手-⑨阿部選手-⑥永澤選手となりました。

 ④河端選手-⑧松岡選手は準決勝の並びと一緒ながらも、⑦荒井選手が⑤菊池選手の後ろを主張したことで、九州の2人は別線になりました。

 バック回数は河端選手と菊池選手が並んでいるものの、新山選手が1番車に入っているだけに、ここは前を取ってからの突っ張り先行が濃厚となりました。4番手以降は車番的に郡司選手-南選手、河端選手-松岡選手となり、8番手となった菊地選手が前を抑えにいくことになりそうです。

 準決勝では後藤選手を突っ張り切った新山選手ですが、ここでも後藤選手を前に出すことはしないはずです。

 後藤選手が元の位置に戻ったのを見てから、仕掛けていくのが郡司選手であり、捲りを狙っている河端選手も、その後ろについていくと思います。

 ここで番手の仕事をしてきそうなのが、阿部選手です。本来ならば青森両者(新山-永澤)で並ぶところに阿部選手が入ったのは、永澤選手との競走得点差だけでなく、阿部選手が番手の仕事をキッチリとやってくれるという信頼感の表れでもあります。

 ここで止め切れれば、北日本ラインが優勝に近づきますが、郡司選手のバランスの良さなら、準決勝のようにブロックされたとしても、スピードを落とすことは無いでしょう。

 後ろにいる南選手もしっかりと付けているはずであり、両者で捲り切ったのならば、「ドリームライン」でのゴール前の争いが本線となってきます。

 印としては◎③郡司選手、〇②南選手、△⑨阿部選手、×④河端選手に打ちます。印こそ打たなかったものの、一発がありそうなのは⑥永澤選手です。

 阿部選手が郡司選手を止めに行った時には、その後ろがポッカリと空くので、展開によってはそこに永澤選手が入っている可能性もあります。

 南選手も郡司選手が不発となれば、自分からタテに踏んでいくはずです。永澤選手と南選手の裏表で決まったのならば、3連単の高配当も期待できそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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