2025/08/23 (土) 08:00 4
函館オールスターは寺崎浩平選手の優勝で幕を閉じた。今まで先頭を任され頑張った甲斐があったってもんだよ。あの優勝は「近畿の競輪」そのものと言っても良い内容だったね!おめでとうございます!
さあ、そんな余韻を引きずりつつ、舞台は松戸へ。滝澤正光杯が今年もやってきた。この大会の名を冠する“タキさん”こと滝澤正光氏は、養成所の所長として長年尽力してきた。その重責を神山雄一郎氏にバトンを渡し、今はホッとしてることだろう。ホント、お疲れ様でした。
そうそう、タキさんとは毎度ここで会うが、「変わらんな、この男」となるわけだ。それもそのはず。あの誠実さと謙虚さはそう簡単に変わらない。まるで“競輪界の二宮金次郎”だよ。
毎年恒例、タキさんと「今年もやるかい」と盃を交わしては昔話に花を咲かせる。言うなれば年一回会える「織姫と彦星」のような関係か? いやいや、むしろ“妖怪ナイトミーティング”といった方がしっくりくるかもしれない(笑)。中身はなんて事ない戯言に近況報告や昔話になっちまうが、これが面白く盛り上がるってもんよ! と言うわけで今年も滝澤杯を盛り上げていこうかね!
さて、去年は清水裕友に持っていかれた滝澤杯を今年は奪い返す番だよ。S班からは岩本俊介、郡司浩平、清水裕友が参戦する。南関は深谷知広、和田健太郎と充実の布陣を敷く。このメンバーで取れないとなれば、どこで取れるんだ!って事でしょ。清水はアウェイ感に流されずに立ち向かってくるだろう。ここもひとつ見所だよね。
さて妄想をピックアップしてみると。119期の木村祐来が相変わらず先行へ拘る姿勢を貫く。これは他の自力型にとって脅威そのもの。対戦したら、「やるしかねー」と、挑む選手がどれだけいるのか? それでも逃げ争いに耐えるし、十分勝負になる良い選手だよね。勝ち上がったら勝ち上がったで無欲で挑む。そんな選手だから、ついついリキが入るってもんよ! 4日間を自分の走りで貫き、存在感を見せてもらいたいね。
さらに、地元からは鈴木浩太を挙げたい。レースに対する柔軟性があり、競輪センスを感じさせるひとりだし、点数以上の力があるんだよね。それと荒川達郎だ。弥彦で落車しリズムを崩してるようだが、なんせこの男の潜在能力は高い。まだそのポテンシャルは蕾のまま開花してない。逃げて浮上のきっかけをつかんでもらいたいね。
そして、追加参戦の塩島嵩一朗を挙げておく。練習では郡司浩平を手玉に取るほどのポテンシャルを誇るとのこと。きっかけをつかむには、もってこいの舞台だ。最後にタキさんの愛弟子・伊勢崎彰大に注目していこうじゃないの。この大会には並々ならぬ執念を燃やす熱い男だ。ベテランになった今でも差し脚は健在だし、地元三割、いや「十割増し」で頑張っていただこうじゃないの。
妄想タイムは6Rからいってみようか。並びを整理すると!①角令央奈-⑤小林弘和の九州コンビ、③小畑勝広-⑦神山拓弥-⑨桑名遼矢の関東ライン、⑧塩島嵩一朗-②山本紳貴の南関、そして⑥村上竜馬-④棚橋勉の中国コンビで細切れ戦だ(⇐①⑤・⑧②・③⑦⑨・⑥④)。
人気は当然、関東ライン。初手は枠なりからのスタート想定。角が前受け、そこに塩島が続く。村上が切って小畑が叩き、主導権は関東。ならば番手・神山が恵まれて抜け出すシーンが本線。神山から小畑残りの⑦-③、さらに桑名の流れ込みで⑦-⑨、これが本線。
だがーー。塩島のポテンシャルが一気に目覚める展開なら話は変わる。山本が食らいついて⑧-②、小畑がはまって⑧=③。さらには神山が切り替えて⑧=⑦。こうなれば一気に高配当の匂いだ。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。