2021/09/11 (土) 12:00 12
暮れの夢舞台「KEIRINグランプリ」。今年は静岡競輪場で開催される。12月30日は競輪関係者にとって大切な一日だ。28日のガールズケイリングランプリ、30日のヤンググランプリとボルテージを高めていき、その一年が終わる。例年、あくる年の立川記念がリスタートの位置づけになるが、瞬間的に、時が止まる。
そのグランプリに出場するには選考期間内の、GI優勝者、選考用賞金獲得額、また選考委員会が特に認めた選手や五輪の開催年には自転車競技トラック個人種目メダル獲得者といった項目もある。
「タイトル獲得」がGIのたびに大きくクローズアップされるものの、ひと月、またひと月と進んでいくとやはり賞金が気になってくる。
「GI優勝者が何人で、賞金枠は3つ? 」「いやGI複数回優勝者が出て4つになりそう…」などと思惑が生まれる。
今年のGI優勝者は全日本選抜の郡司浩平(31歳・神奈川=99期)、日本選手権(ダービー)の松浦悠士(30歳・広島=98期)、高松宮記念杯の宿口陽一(37歳・埼玉=91期)、オールスター競輪の古性優作(30歳・大阪=100期)。
9月10日時点の賞金ランキングを載せてみる。3千万円以上の16位まで。(単位=円。◎=有権利者)
順位 | 選手名 | 賞金額 |
---|---|---|
◎1 | 松浦悠士 | 150,785,000 |
◎2 | 郡司浩平 | 91,947,200 |
◎3 | 古性優作 | 87,006,000 |
4 | 清水裕友 | 68,389,000 |
5 | 守澤太志 | 68,319,000 |
6 | 佐藤慎太郎 | 67,497,000 |
7 | 平原康多 | 52,717,400 |
◎8 | 宿口陽一 | 51,157,000 |
9 | 浅井康太 | 42,069,000 |
10 | 吉田拓矢 | 40,161,000 |
11 | 和田健太郎 | 33,862,200 |
12 | 武藤龍生 | 33,368,000 |
13 | 山口拳矢 | 33,057,000 |
14 | 諸橋愛 | 32,047,000 |
15 | 小倉竜二 | 31,866,100 |
16 | 脇本雄太 | 31,801,000 |
9月18〜21日の共同通信社杯(GII)、そして10月寬仁親王牌と11月競輪祭のGIの2回。2、3着の賞金でも動きがあるだろう。特に脇本雄太(32歳・福井=94期)、そして新田祐大(35歳・福島=90期)が東京五輪後、競輪に戻ってきたことの影響が、終盤戦の注目になる。
佐藤慎太郎(44歳・福島=78期)にこの時期のことを聞くと、「気になるのはもちろん」とのことだった。
長く、こうした戦い続きで、いかに戦っていくかを知り抜いている。「先のことを見るより、目の前のことを」。こうした選手の思いが、上記の数字に直結している。
現状ではこうした数字は競輪公式ホームページなどに常時、載せられているわけではないので、ぜひとも年間通して見ることができるようにしてほしいと思う。なぜなら、ファンがその数字を見て、選手とともにその一年間に没頭できると考えるから。個人情報保護の問題とは違って、選考基準としての位置づけならば公開することに壁はないはず。
ガールズケイリンの状況はどうか。11月競輪祭の時に行われる2つのトライアルシリーズの優勝者が出場権を得るため、賞金での争いはまた過酷。5位まででトライアルに入ることが求められる。900万円以上、11位までのランキングは以下(9月10日現在)。
順位 | 選手名 | 賞金額 |
---|---|---|
1 | 児玉碧衣 | 15,694,000 |
2 | 石井寛子 | 15,001,000 |
3 | 小林莉子 | 11,538,000 |
4 | 坂口楓華 | 11,451,000 |
5 | 尾方真生 | 11,059,400 |
6 | 高木真備 | 10,908,000 |
7 | 鈴木美教 | 10,405,400 |
8 | 佐藤水菜 | 10,199,000 |
9 | 山原さくら | 9,745,000 |
10 | 奥井迪 | 9,270,000 |
11 | 太田美穂 | 9,072,000 |
ガールズグランプリ時の車番もトライアル優勝者が優先で1番車、2番車に入るので、まずはここを制することが大きな意味を持つ…。という現状だが、年間通しての戦いを評価すること、また大会の難易度、重要性を考えるとガールズケイリンフェスティバルの価値は高いので、「そこに出場権を…」といった改革も考慮されていいだろう。
L級として制度を作った後、1班、2班を設け、一般の開催でもクラス分けをと言った声は多く聞く。
中期計画でガールズケイリンの打ち出し方も言及されており、こうした制度設計、ストーリー化を期待したい。また、男子の方の諸制度についても今般のコロナ禍をいい機会ととらえ、組み立て直してもいいと思う。7車立ての応用や、1日のレース数に関して、記念、GIIIの効果的な体系化、などなど…。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。