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【記者特選】渡邉晴智の勝利と合志正臣の惜敗 17年前に見た数秒間の“明と暗”/忘れられぬダービーの記憶

アプリ限定 2025/05/01 (木) 18:00 11

“最高峰のGI”と称される日本選手権競輪(以下ダービー)。今年で第79回を数えるダービーではこれまで多くの名勝負が生まれ、競輪ファンの心に感動のシーンが刻まれていることだろう。今回は「忘れられぬダービーの記憶」と題して、7名の競輪記者によるダービー決勝回顧をお届けする。(構成:netkeirin編集部)

2008年3月23日・静岡競輪「第61回日本選手権競輪 駿府ダービー」
アオケイ 長谷川剛由記者

 この企画を聞いたとき、真っ先に『渡邉晴智が勝った静岡ダービー』が頭に浮かんだ。理由はよく分からない。車券で大儲けした記憶もないし、自分自身でもなんでだろう?という感じだが、とにかく脳内の引き出しから最初に出てきたのがこの大会だった(静岡で行われたダービーで静岡の選手が勝ったから…というのも、もしかしたら少しあるかもしれない)。

【決勝並び】

⑤山崎芳仁-①渡邉晴智-⑧合志正臣
③平原康多-⑥藤原憲征
⑨小嶋敬二-②山田裕仁-④山口幸二-⑦濱口高彰

 今から17年も前のことだから、シリーズ全体の流れはほとんど覚えていないが、ファンの間ではやはり渡邉晴智の地元優勝!というムードが高まっていたと思う。2車単のオッズも晴智が山崎芳仁を差す①⑤が一番人気だった。

 他のメンバーを見渡すと、当時25歳の平原康多がいる。2008年ということはまだ平原が強くなりはじめたくらいで、のちに平原-武田時代が訪れるなんてこの時は誰も知らない。そして、懐かしいな、藤原憲征の名前もある。藤原は昔、ホントウに強かった。新潟のエースと言えば諸橋愛より断然藤原だった。

 中部の4人も“中部王国”と呼ばれていた時代の最強メンバーで、今の選手に置き換えたら、脇本雄太-古性優作-村上博幸-南修二みたいな連係。番手以下3人はすでに引退しているが、いまだに現役バリバリの小嶋敬二は色んな意味で「どうなってるの?」という感じだ(笑)

数秒間の“明と暗”はまさにドラマ

 レースは前受けが山崎、中団に小嶋、後方8番手に平原で淡々と進み、平原が押さえた上を小嶋が更に押さえたが、小嶋が流しているところを山崎が一気に叩いて主導権。ゴールは絶好ハコ回りの晴智がズバッと抜け出し悲願の優勝。中割り迫る合志正臣は届かず2着で、逃げた山崎が3着という結果だったが、個人的には勝った晴智よりも、惜敗2着の合志が悔しがる姿の方が印象に残っている。

印象的だった悔しがる合志正臣の姿(photo by Shimajoe)

 優勝するにはここしかない!と躊躇せず山崎と晴智の“間”を狙ったゴール前、“頭”まで届かずガクンとうなだれるゴール直後、その隣で喜びを爆発させる晴智。この数秒間はまさにドラマだったし、勝者と敗者の明と暗がはっきり分かる瞬間だった。それもあって、自分の中では晴智が勝った静岡ダービー=合志が勝てなかった静岡ダービーとして記憶している。

 ちなみに晴智は、直後に行われた高松宮記念杯も優勝してGI連覇。この年の獲得賞金は1億円を超え、名実ともに超一流レーサーとなった。

超一流レーサーとなったダービー王・渡邉晴智

【動画】静岡競輪「第61回日本選手権競輪」決勝


(協力:公益財団法人JKA 提供:静岡競輪場)

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