アプリ限定 2025/03/29 (土) 12:00 25
4月29日〜5月4日の6日間、名古屋競輪場で「第79回日本選手権競輪(GI)」が開催される。GI最高峰の位置づけで、その名の通り「選手権」。日本一の選手を決める戦いだ。
選考期間の1年間の賞金獲得額で出場162人が決まる。1年間を戦い抜き、選手にとって結果そのものといえる賞金獲得額が出場権になる。“競輪選手としての価値”だ。選手の中には「日本選手権を勝ちたい」という目標を掲げる選手も多い。この大会を勝つことが、日本一の証明になる。
名古屋ダービーのエントリーの時に書きたいが、古性優作(34歳・大阪=100期)が勝てるかどうか、に注目だ。古性はグランドスラムに向けて、ダービーと競輪祭の2つを残している。古性の目標であるダブルグランドスラムに前進するために、今年、勝ちたい。その優勝賞金が9400万円(副賞含む)と発表された。
昨年の静岡「KEIRINグランプリ2024」のボーダーになったのは岩本俊介(40歳・千葉=94期)で選考用賞金獲得額は79,663,274円。ひとつ上の新山響平(31歳・青森=107期)が91,028,274円。他の7人はタイトル獲得もあり、全員が1億円を超えている。
岩本はダービー準優勝の賞金が大きく、後半は鎖骨骨折で苦しみながらも出場を果たした。ケガがなければさらに上積みがあったところ。もちろん、ダービーの賞金だけでなく、4月からの新年度で全体の賞金が上がる。
今年の平塚「KEIRINグランプリ2025」出場9選手がすべて1億円レーサーという可能性も出てきて、ぜひ、そうであってほしいと思う。そんな世界。トップ9選手は億超えが通常という時代に到達してほしい。
競輪界はどんな世界になっていくのか。先般のドーピング発覚の事案もあり、GII以上でのすべての開催で検査の実施など、選手への啓発活動を進め、違反者への制裁の強化なども決定した。
賞金を多く稼げる魅力的な職業であり、公正安全を確保された、多くの人が選手になりたい、と思える世界になってほしい。大きく前進している今、打つべき手はバシバシ打ってほしい。
選考用賞金額についてもだが、ずっと公式サイトで掲載されているものと選考用のものにはズレがある。両方掲載すればよいと思う。GI、GIIの出場権などに関わる点数順位にしてもだが、ファンに分かりやすい状況、を確保してほしい。
スポーツ新聞は弱り、世の中から必要とされなくなってきているが、全国各地日々の仕事で支えているのは事実。やるべきことを地道に続け、前進する競輪界を取材し続けたい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。