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鈴木誠のハイブリッド展望

南関東の並びは好調の郡司が前に! その番手から抜け出した深谷が、地元ファンの前でGII制覇を果たす!/鈴木誠の展望

2025/03/23 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は伊東温泉競輪場で開催されている「ウィナーズカップ」の決勝レース展望です。

眞杉の単騎は買い! 混戦になればなるほど、浮上してくる古性の走り!

 伊東温泉競輪場で開催されているウィナーズカップは、選抜方法として選考期間内に行われる1位回数の上位30名と、FI決勝の1位から3位回数の上位者。そして「ヤンググランプリ2024」の出走者が選ばれます。

 この選抜方法で参戦がしやすくなるのが若手選手たちです。ただ、333バンクならではと言える、仕掛けの早さに巻き込まれた結果、後方に控えていた、実績のある自力型の選手に捲られるレースも多く見られました。

 その若手選手の中でも、冷静な走りを見せていたのが、GIの舞台を幾度となく経験してきた寺崎選手です。初日の特選、二次予選は捲りで快勝。準決勝も2着に入って決勝進出を果たしてます。

 今大会の伊東温泉競輪場は、連日に渡って好天が続いており、気温も20℃を超えています。軽いバンクになればなるほど、寺崎選手のようなスピードのある選手は有利となるだけに、この天候も味方したのでしょう。

 寺崎選手と同じように、地脚よりもスピード型の選手が、決勝に勝ち上がってきた深谷選手と新山選手です。深谷選手は準決勝の11レースで7番手から捲っていった走りはさすがと言えますが、それよりもインパクトのあるレースを見せたのが、12レースで先行した新山選手でした。

 このレースでは自力型の犬伏選手、伊藤(颯)選手、そして古性選手もいる中で、2車でも果敢に突っ張り先行をしていきます。ゴール前で古性選手には交わされたものの、2着に残したレースぶりは見事でした。

 決勝の並びは近畿ラインが⑤寺崎選手-①古性選手-⑥村田選手、南関東ラインが②郡司選手-④深谷選手-⑨岩本選手。③新山選手-⑧浅井選手とここは混成ラインとなり、⑦眞杉選手は単騎となりました。

 浅井選手が連係実績のある新山選手を選択したのはさることながら、深谷選手が郡司選手の前でレースをする機会も多く見られていた、南関東の並びが意外だったかもしれません。

 これは深谷選手にとって、伊東温泉競輪場が地元静岡の開催ということもあるのでしょう。また、準決勝で先行した深谷選手を差し切った郡司選手の機動力を、この決勝でも生かしたいとの狙いもあったはずです。

 注目なのはスタートの位置取りとなります。車番から想定すると近畿ライン、南関東ライン、そして新山選手-浅井選手との並びが想定されます。ただ、準決勝で新山選手が突っ張り先行を見せているだけに、捲りを得意としている寺崎選手と郡司選手は、新山選手のスタート次第では、前受けをさせていく可能性は充分にありそうです。

 その展開となれば、近畿ラインが3番手、南関東ラインが6番手、眞杉選手は最後方からとなります。後方となった南関東ラインですが、新山選手に突っ張られた時、郡司選手は3番手で態勢を整えて、寺崎選手よりも先に先行していくという展開も想定しているはずです。

 寺崎選手とすれば、3番手で郡司選手に粘られてしまうと、外に車を出せなくなります。ただ、後ろに下げた場合には、先に捲っていった郡司選手を捉えられなくなる可能性も出てきます。

 ここは3番手を巡る攻防もあると見ていますが、この展開となった時に一気に捲っていきそうなのが、単騎の眞杉選手です。

 眞杉選手は2023年の競輪祭を単騎で優勝。通常、単騎の選手はやるべきことが限られてくるのですが、その選択の少なさの中で力を最大限に発揮できるのが、眞杉選手の強みです。

 3番手争いが長引いて車列が短くなるようだと、外から一気に捲っていくだけでなく、その勢いのままに、逃げ切りを図る新山選手を捉えていく展開は充分に考えられます。

 印としては◎は④深谷選手、〇は②郡司選手となりますが、どんな展開になろうとも、自ら活路を作っていける①古性選手が△。そして×は⑦眞杉選手に打ちます。

 開催初日から様々なイベントが開催されている伊東温泉競輪場ですが、最終日は神山雄一郎さん、滝澤正光さん、そして中野浩一さんのトークショーが開催されます。他にもガールズ選手のトークショーや、「肉にくフェス」といったグルメイベントも開催。また来場者を対象とした軽自動車プレゼントの抽選も行われます。

 最終日も好天の元での開催となるだけに、多くの方々に足を運んでほしいと思うだけでなく、選手たちが自らの脚で繰り出していくスピードをバンクのそばで体感してください。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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