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鈴木誠のハイブリッド展望

【瀬戸の王子杯争奪戦予想】6名が決勝に勝ち上がった中四国は、岡山の3名と犬伏-清水-松浦で別線に! 4月からSS班の犬伏が脚力の違いで捲り切る!/鈴木誠の展望

2025/03/09 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は玉野競輪場で開催されている「瀬戸の王子杯争奪戦」の決勝レース展望です。

単騎勢で怖いのは捲ってくる山田の一発! 展開次第では高配当も!

「瀬戸の王子杯争奪戦」は玉野競輪場での記念競輪ということもあり、決勝には中四国だけで6名が勝ち上がってきました。

 その一方でSS班の平原選手は初日の特選に勝利するも、二次予選では落車で敗退。同じ二次予選では突っ張り先行を見せた眞杉選手も、捲っていった青野選手との削り合いの結果、9着に敗れています。

 このレースでの眞杉選手は、先に捲ってきた上田選手を突っ張りにいったのは良かったと思います。ただ、その後で青野選手が捲ってきた時には、無理をせずに引いても良かったと思います。

 青野選手が思ったよりも来ないと思ったことで、引くタイミングがずれてしまったのかもしれません。ここで関東のSS班2人が準決勝に進めなかったことが、更に中四国有利の番組になった感もありました。

 今大会は若手で機動力のある選手の活躍も目立っていました。その中でも注目していたのが、121期の一丸選手です。

 一丸選手は学生時代から競技で活躍しており、その地脚が重い玉野バンクにもあっていたのでしょう。一次予選、二次予選でも自ら風を切っていくような走りを見せていただけに、準決勝でも積極的な走りを期待していました。

 その準決勝では後方からのレースとなったものの、前で犬伏選手が近畿ラインを分断した時に流れが緩み、捲っていくチャンスが来たと思いました。

 ただ、そこでは前を見るような形となってしまうと、ようやく最終ホームからの発進。ただ、犬伏選手もかかりきっていたので、最終バックでは失速してしまいました。

 自分がラインの先頭を任されていた頃は、準決勝では7割か8割ぐらいの割合で先行をしていました。勿論、そのまま押し切る狙いもありましたが、それよりもラインの選手と一緒に、決勝に勝ち上がるのが大事だと思っていたからです。

 また、準決勝で他の選手に先行を見せておくと、決勝でも警戒されるだけでなく、先行選手として名前を売ることにも繋がっていきます。明日は10レースの特秀に出場する一丸選手ですが、ここでは準決勝の鬱憤を晴らすかのような走りを期待しています。

 決勝に勝ち上がった中四国の6名ですが、岡山の3名(④取鳥選手-⑧岩津選手-⑥柏野選手)と、⑦犬伏選手-①清水選手-⑨松浦選手で分かれました。②南選手、③吉田選手、⑤山田選手は単騎となります。

 今大会で動きの良さが目立つのは、連日に渡ってバックを取り続けている取鳥選手です。前受けをするのは車番的に犬伏選手になると思いますが、後方から抑える形で、先行していくのは取鳥選手だと思います。

 岡山ラインを相手に犬伏選手が突っ張っていくことは無いはずですし、単騎勢は揃って岡山ラインの後ろに切り替えていくのがセオリーでしょう。

 取鳥選手は自分が残る先行ならば、スピードを緩める手もありますが、それだと犬伏選手の捲りに飲み込まれてしまうので、一気にトップスピードに上げていくはずです。

 その展開となれば、番手の岩津選手が有利となりますが、横の動きは上手いと言えども、タテ脚が無いので、番手捲りとまでは行かないのが苦しいところです。

 そこで脚を溜めていた犬伏選手が捲ってきたのならば、本命サイドの決着となりますが、岡山ラインの後ろにいる単騎勢も侮れません。

 特に注目しているのが、準決勝の10レースで今年の初勝利をあげた山田選手です。そのレースでは鮮やかな捲りを決めていました。

 車番的にも先行した岡山ラインのすぐ後ろに入っていけそうなだけに、犬伏選手よりも先に捲っていけたのならば、優勝の可能性もあると思います。

 印としては◎⑦犬伏選手、〇①清水選手、〇⑤山田選手、×⑧岩津選手に打ちました。この時期の玉野バンクは、空気が重くて先行選手が不利となりますが、カントの角度が浅いので、捲り辛いという特徴もあります。

 それを誰よりも分かっているのは、地元岡山の選手だと思うだけに、取鳥選手には後続の選手を寄せ付けないような、思い切りのいい先行を期待しています。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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