2025/02/20 (木) 12:00 23
豊橋競輪の大阪・関西万博協賛「第40回全日本選抜競輪(GI)」が2月21〜24日に開催される。深谷知広(35歳・静岡=96期)がふるさとの豊橋で、ついにビッグレースを走る。古くは2011年2月の王座戦(西、GII)。デビューから衝撃的な躍進を続けていたが、地元の豊橋のビッグレースをあっせんしない処置のためだったが、走れなかった。
ダメなことだが、ルールを変えてでも走らせてよ〜〜、と考えてしまったことを思い出す。前検日にはどこで手に入れたのか“見学”と書かれた腕章をして、見学に来ていた。豊橋のビッグレースはその後、清水裕友(30歳・山口=105期)が優勝した2020年2月の全日本選抜(GI)になる。2020年。東京五輪を目指す戦いの真っ最中。深谷は出走できなかった。
ナショナルチームの活動があったため、静岡に移籍したものの、やはり豊橋は別格の思いがある。もちろん、多くのファンが願っているのは、ただ一つだ。
深谷は静岡記念で示したように、自らの力で勝てる。だが、まだ先のある話。“南関で”をやってきた戦いの続きがある。無論、郡司浩平(34歳・神奈川=99期)も…。岩本俊介(40歳・千葉=94期)がS班として安定した走りを見せている今、いい形で決勝に流れを作ることも求められる。
脇本雄太(35歳・福井=94期)の状態が未知でありつつも、古性優作(33歳・大阪=100期)を、その攻めをしのぐ戦いになってくる。古性はいわずもがなの超強烈。技術面の向上を、今なお求め、一つひとつの動きがさらに洗練されている。寺崎浩平(31歳・福井=117期)と窓場千加頼(33歳・京都=100期)が示す今年への決意も今回にかかる。
また、犬伏湧也(29歳・徳島=119期)もその立場。「今年は獲る」。その思いが、今年を変えていくか。清水裕友(30歳・山口=105期)と松浦悠士(34歳・広島=98期)も状態が気がかりとなるものの、今年を踏ん張れるかは長い将来に関わってくる。
久しぶりの実戦となった眞杉匠(26歳・栃木=113期)の静岡記念はらしさ全開だった。走ったことで、よりこのGIに燃えるものが増していく。関東の中心として、競輪界のエースの立場をもぎ取りにいく。
新山響平(31歳・青森=107期)のもどかしいスタートも…、と多くの人が感じていると思うが、この男は見た目とは逆の泥臭い一年が持ち味のようだ。這いつくばってでも、自分を信じる走りこそが、輝きにつながる。
九州勢にも大きな期待をずっとかけているわけだが、まずは冷静に今回を見つめたい。乱暴に応援するのではなく、勝ちに行ける戦いにつながっているのか、九州へのエールをより真剣に送りたい。
冬の豊橋は強風が名物。今回は寒波の影響でそれがさらに増すのか。もしかしたら、敢然と先行で挑むことは無謀となるかもしれない。攻めないことが結果に…、ということも。時々メチャクチャ趣味が悪い競輪の神様のいたずら心が、とんでもないストーリーを見せるのか…。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。