2025/01/29 (水) 12:00 26
高松競輪場で大阪・関西万博協賛「開設74周年記念 玉藻杯争覇戦(GIII)」が1月30日から2月2日の4日間、開催される。S班勢では清水裕友(30歳・山口=105期)と脇本雄太(35歳・福井=94期)の2人が欠場となったので、郡司浩平(34歳・神奈川=99期)が追加斡旋となっている。
清水にしても脇本にしても、身体の不調がどうにも心配…。今年最初のGIになる豊橋の全日本選抜競輪には万全の状態で、笑顔で出てきてほしいものだが、落車があり酷使した肉体なのは間違いないところ。体の回復を強く祈りたい。
そこで、郡司。郡司は過去、欠場も見られがちなところで、直前の松阪記念(蒲生氏郷杯王座競輪)を優勝した時に「語弊ないようにしたいけど、前は自分のペースで走りたかった。でも昨年のグランプリが終わってからレースで悔しさをぶつけたいと思って、追加が来ても走りたい気持ちになってます」と話している。
ファンにしても主催者にしてもあっせんの入った選手が走ってほしいのは、普通の気持ち。だが、選手は、選手生活は、やはり過酷。一年中走り続ける競輪選手は、整える時間はあまりない。時間をとってきっちりトレーニングをこなせるわけでもない。
それに競輪選手は2,500人近くいるわけだ。開催を多く走った方が調子が上向く選手もいれば、間隔が空いた方がいい選手もいる。人間、いろんなタイプがある。郡司は時間を取ってしっかり練習して整えて方がいいタイプだが、連戦になる追加を今回は受けた。
コメントの「レースで悔しさをぶつけたい」という言葉の熱さを感じている。グランプリで、大きなチャンスがある位置で、届かなかった。悶えている。そしてそれを露わにしている。グングン…。そうだよ…。今年は立川記念(鳳凰賞典レース)準優勝、松阪記念優勝という成績。
正統派の戦いをしてきた郡司が、悶え、出し尽くしたいという気持ちを打ち出す姿は、ファンが待っていたものでもあろう。一段、大きくなる。
S班は郡司と新山響平(31歳・青森=107期)の2人になった。新山の和歌山記念(和歌山グランプリ)は変わらない攻めっぷりの中、チグハグなレースにもなっていた。かといって、攻めるスタイルはより増していたほどで、成績、着順で新山を評価してはいけない。
もっと大きくなる。
走りで、レースでどんな姿を見せているかを、クッキリと見せているのが郡司と新山だ。犬伏湧也(29歳・徳島=119期)にもそれが求められている。犬伏はどんなレーサーなのか。S班にふさわしい男だが、その時、何を見せてくれるのか。犬伏の輪郭を、今回のメンバー相手に見せつけてほしい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。