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鈴木誠のハイブリッド展望

【東日本発祥倉茂記念杯予想】脇本に競りを挑んでいったのは単騎の佐々木(眞)! それでも脚力の違う脇本が、今年の記念大会初勝利を掴む!/鈴木誠の展望

2025/01/19 (日) 12:00 5

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は大宮競輪場で開催されている「東日本発祥倉茂記念杯」の決勝レース展望です。

競りがもつれるようだと、捲ってくる嘉永にチャンスが出てくる!

 北井佑季選手、平原康多選手、脇本雄太選手と、SS班3名が名を連ねた「東日本発祥倉茂記念杯」は、北井選手が二次予選で敗退。平原選手も落車に巻き込まれる形で決勝進出を逃しています。

 北井選手、平原選手ともに、今大会はコンディションが伴っていない印象を受けます。ただ、2人ともSS班としての走りが求められてしまうだけに、そのプレッシャーとの闘いにもなってしまっているのでしょう。

 自分も現役時代に調子を落とした時には、過去に部屋に張り出していた練習メニューや、その時のセッティング、そして、書き記していたコメントを今一度見返していました。

 ほぼ休まず、日記のように書き記していたその資料は、8年ほどのストックにもなりました。その中で良かった時や調子が上がっていた時を探し出し、それを元にしながら練習を組み立てていくと、レースでの走りも変わっていきました。

 自分の経験談ですが、思ったような結果が出ない時には、一度リセットしてみるのも手だと思います。しっかりとした積み重ねがあるのならば、元に戻ってみるのは決してマイナスでは無いはずです。北井選手も平原選手も必ず、SS班としての走りを取り戻してくれると期待しています。

 SS班では唯一、決勝進出を果たしたのが脇本選手でした。この大会の前にはインフルエンザに罹患しており、決して万全なコンディションで大会に臨んだわけではなかったはずです。

 それでも準決勝の11レースで、8番手から捲っていった時の上がりは13秒6を記録。状態は万全では無くとも、さすがSS班と言える走りを見せてくれています。

 その決勝ですが、並びがすんなりと決まったのが、⑨佐々木悠葵選手-①武藤龍生選手の関東ラインと、③嘉永泰斗選手-⑧徳永哲人選手-⑥嶋田誠也選手の九州ライン。ただ、近畿ライン(⑦寺崎浩平選手-②脇本雄太選手-⑤村上博幸選手)には、④佐々木眞也選手が寺崎選手の後ろで、脇本選手との競りを主張しました。

 初日の特選でも同じ並びとなった近畿の3名ですが、その時は寺崎選手の後ろを森田優弥選手が奪い取って、脇本選手の番手捲りを封じ込みました。

 この決勝でも、すんなり寺崎選手に先行されてしまっては、脇本選手の勝利はほぼ確実となるだけに、寺崎選手の番手を主張した佐々木(眞)選手の狙いも納得がいくところです。

 スタートを取るのは車番的に武藤選手となりそうです。ここで近畿ラインがどうするかですが、九州ラインを前に入れて6番手からレースを進めていくのではと見ています。

 近畿ラインが抑えに行った時に、嘉永選手と佐々木(悠)選手はインを切りに行くはずです。そこで寺崎選手が先行体勢へと入った時に、脇本選手は競りを長引かせるよりも、佐々木(眞)選手を入れて、3番手からレースを進めていくという作戦もあります。

 そこから、自分のタイミングで仕掛けたとしても、脇本選手ならば前の2人を交わし切れるはずであり、そうなれば村上選手とのライン決着が本線となります。

 ただ、脇本選手としては同地区の後輩(寺崎選手)が先行しているだけに、今後のレースを考えても、おいそれとは引き下がれないのも事実です。

 ここで佐々木(眞)選手とやり合うようならば、捲りを狙う嘉永選手としては恰好の展開となるだけでなく、寺崎選手も後ろが競りとなれば、自分のペースで先行ができます。

 準決勝10レースでの寺崎選手は、2周半の距離を逃げながら、上がりを14秒1でまとめています。

 その時は番手の村上選手に交わされたものの、番手に佐々木(眞)選手が入ったとしても、そこまで脚を使っているだけに、寺崎選手の逃げ切りが高配当の狙い目となります。

 佐々木(悠)選手も捲りを狙っていきますが、今大会の調子はそこまで上がっていないように見えます。武藤選手も前を任せているだけに、車券争いに加わるのは難しそうです。

 印としては◎②脇本選手、〇⑤村上選手、△⑦寺崎選手、×③嘉永選手としますが、買い目は◎〇×の3選手を3連単の頭に置いた組み合わせとしておきます。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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