閉じる
鈴木誠のハイブリッド展望

【鳳凰賞典レース予想】決勝は新旧SS班の争いに! 展開有利の山口を捲り切るのは、ここまでピンピンピンと絶好調の郡司!

2025/01/07 (火) 12:00 6

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は静岡競輪場で30日に開催される「KEIRINグランプリ2024」のレース展望です。

藤井VS取鳥の先行争いにも注目! 単騎の2人はどちらのラインを狙うのか?

 今年、最初の記念競輪となった【鳳凰賞典レース】は、以前は同じ立川競輪場で開催されていた、【KEIRINグランプリ】と連動する形で大会が行われていました。

 それだけメンバーも豪華になりますが、豪華なのは優勝した選手への副賞も一緒でした。その副賞とは車なのですが、それがバンク内に展示されているので、さすがに選手たちも色めき立ちます。

 しかも、当時は記念競輪で賞金の額が違っていたのですが、【鳳凰賞典レース】は全国の記念競輪でも最も高い賞金水準となっていました。

 選手としては【KEIRINグランプリ】に出場するのは1つの目標でしたが、更にその思いを駆り立ててくれたのは、【鳳凰賞典レース】を優勝して、車をもらいたいという気持ちもあったはずです。

 現在では副賞も無く、記念大会の1つとして開催されている【鳳凰賞典レース】ですが、それでもグランプリに出場していた、北井佑季選手、郡司浩平選手、清水裕友選手、平原康多選手の4名が出場してきました。

 残念ながら清水選手は腰痛で3日目から欠場、北井選手も準決勝で失格となり、決勝に進んできたSS班は郡司選手、平原選手の2名だけとなります。

 それでも昨年のSS班だった山口拳矢選手や、今年の特別競輪を沸かせてくれそうな取鳥雄吾選手、藤井侑吾選手が勝ち上がってきたことで、予想のしがいがあるメンバー構成ともなりました。

 決勝の並びは⑨藤井侑吾選手-②山口拳矢選手-⑥清水一幸選手の中近ライン。③郡司浩平選手-④岡村潤選手の南関東ライン。そして、⑤取鳥雄吾選手-⑦園田匠選手の西日本ラインは想定できましたが、①平原康多選手、⑧高橋築選手が単騎となったのは意外でした。

 これは高橋選手としては地元の大会であるだけでなく、平原選手もまた、ラインを形成するよりも、切れ目からの方がレースがしやすいとの思いが一致したのでしょう。

 注目なのは先行争いとなりますが、3車となったラインの厚みが生かせる、藤井選手が先行すると見ています。1番車の平原選手が単騎となっただけに、2番車の山口選手がスタートを取るとなれば、藤井選手が前受けをする形で周回を重ねていくはずです。

 この展開となれば後方から抑えに行くのは取鳥選手となります。藤井選手は一度、車を下げてから一気に先行体勢へと入りますが、最近の取鳥選手の走りを見ていると、ここでやり合うのではなく、先行したラインの後ろを取りに行く傾向があるだけに、ここでは藤井選手がすんなり先行できると見ています。

 この展開となれば、番手に入った山口選手は非常に有利となります。今大会でも切れのある走りを見せているだけに、ゴール前での勝負に持ち込めれば優勝は可能でしょう。

 ただ、今大会の藤井選手は絶好調と言える走りを見せているだけに、交わし切るのもなかなか大変であり、何よりも初日の特選から3連勝で来ている郡司選手の捲り一発はかなり脅威です。

 この3日間の走りを見ても、位置取りの上手さは相変わらずであり、落車を避ける形となった準決勝では、前の選手とかなりの差が開いたにもかかわらず、ゴールでは図ったかのように差し切ってみせました。

 郡司選手はグランプリに合わせて調整してきた好調を維持しているのでしょう。ここでも藤井選手と取鳥選手との先行争いの間隙を縫っていく走りができるだけでなく、後方から捲ってきた藤井選手に合わせる形で動き出していけたのならば、中近ラインの後ろに入り、そこからの捲りも繰り出せます。

 印としては◎が③郡司選手、〇が④岡村選手、▲が②山口選手、△が⑦園田選手に打っておきます。予想としては郡司選手の優勝が本線となりますが、山口選手の1着付けも予想には入れておきます。

 単騎の平原選手と高橋選手ですが、1番車の平原選手は南関東両者の後ろ、8番車の高橋選手は西日本ライン、もしくは中近ラインの後ろからのレースとなりそうです。ただ、他力本願のレースとなってしまうだけに、勝ちきるまでにはいかないと見ています。

 今年最初の記念競輪となるだけに、今回は皆様にとっての「お年玉」となるような予想をしていきます。本年もどうかよろしくお願いします。

レース情報はこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

閉じる

鈴木誠コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票