アプリ限定 2021/08/09 (月) 19:00 6
夏の祭典・オールスター競輪の開催中に『ガールズケイリンコレクション2021 いわき平ステージ』が行われます。出場選手はファン投票の順位によって決定され、8月11日(水)にはファン投票8位〜14位の選手による『アルテミス賞レース』が開催されます。同レースの見どころや出場選手の近況をデイリースポーツの松本直記者に届けてもらいました!
アルテミス賞の前年度覇者でファン投票10位の梅川風子は7月函館のガールズケイリンフェスティバル決勝の落車の影響で今開催欠場となってしまった。その結果、ファン投票15位の小林莉子が繰り上がった。
メンバーが出揃い、改めてレースを読み解くと、おそらく人気を集めるのは佐藤水菜になるだろう。今年は3月のコレクション(松阪)で3着、5月のコレクション(京王閣)で初優勝と上昇気流に乗っている。逃げ、まくり、差しと柔軟に立ち回れる強みを生かして、ガールズコレクション2回目の優勝へ突き進む。
それでは、アルテミス賞に出場する選手の近況や注目ポイントを一人ひとり紹介していこう。
山原さくらはファン投票8位で2年ぶりの参戦(19年5位以来)となる。19年11月から20年5月まで、病気のために戦線離脱を余儀なくされたが、復帰後は欠場前と変わらない動きを披露している。今年はじめに松山で優勝すると、その後も順調に1着を量産。ここまで55走して38勝、優勝も7回と好成績だ。
7月のガールズケイリンフェスティバルでは大敗が続いたが、時間が空いているので、きっちり立て直してくるはず。いわき平は3月に走って完全優勝しているので『相性良し』と考えていいだろう。自信のあるダッシュ勝負に懸けて一撃が決まれば、16年3月の名古屋以来のコレクション制覇も見えてくる。
佐藤水菜はファン投票9位での選出となった。近況の活躍を見れば順当な評価だろう。今年は5月の京王閣で初のコレクション制覇を含め、優勝8回と絶好調。昨年夏からナショナルチームの練習に参加した成果が顕著に数字に表れている。
先行、まくり、差しと対戦相手によって、使い分けできる柔軟さが佐藤のセールスポイント。昨年7月のガールズケイリンフェスティバルでは大敗を喫したが、いわき平は完全Vが2回ある。バンクとの相性は問題にならないだろう。
ファン投票11位の久米詩は、嬉しいアルテミス賞初選出。昨年11月防府のフレッシュクイーンを優勝し、同月小倉のグランプリトライアルでも決勝進出(決勝は6着)を果たした。年頭の取手で行われたコレクショントライアルでは高木真備、石井貴子(千葉)を相手に先まくりで優勝と存在感を発揮し、結果を残してきた。
6月は腰痛で2開催欠場となったが、復帰戦の小倉で女王・児玉碧衣を倒して優勝。状態面に問題はないだろう。今年の目標は「地元静岡で開催されるガールズグランプリ出場」と語っている久米。コレクション初優勝をもぎ取り、後半戦に勢いを付けて年末まで駆け抜けたいところだ。
ファン投票12位の石井貴子はアルテミス賞5年連続の選出となった。この結果は石井のひたむきに逃げている姿がファンの共感を得ている証とも言えるだろう。しかも石井はただ逃げるだけでなく、しっかりとした結果も残している。
今年は3月奈良、7月富山と2回の優勝。「サンサンの短走路が好き」と話しているだけに直線の長いいわき平バンクは不向きと思えるが、対戦相手が後方で警戒し合っている展開となれば、あれよあれよと空中バンクを逃げ切ってしまう場面も十分想定できる。
梶田舞はファン投票13位で出場する。今年は3月宇都宮で失格してしまい、違反点数の累積で7月はあっせんしない処置に。ぶっつけ本番のアルテミス賞出場となるが、実績はメンバーの中で断然、頭一つ抜けている。グランプリで2勝(14年岸和田、16年立川)、フェスティバルで1勝(16年川崎)の実績は光り輝いている。1カ月しっかり練習ができているのなら、いきなり結果を出しても何ら驚きはない。悲願のコレクション初優勝をいわき平で達成する可能性も決して低くはないだろう。
高木佑真はファン投票14位での選出。今回が初のコレクション参戦となる。19年7月のデビューから積極的なレース運びで脚を付けてきた高木。20年11月の松戸で努力が実を結び、デビュー初優勝を達成した。先行基本の組み立てがファンから支持されてのアルテミス賞出場の結果に繋がったと推察する。投票してくれた人への感謝と恩返しを『力勝負で』アピールしたいところだろう。
小林莉子は梅川風子の欠場で繰り上がり出場となった。繰り上がり決定時、ファンへのコメントを預かったので書き記しておく。「みなさまの投票のおかげで出場することができます! 本当にありがとうございます。投票してくださった方に良い走りをお見せできるように、精一杯頑張ります!」
小林は17年から5年連続でアルテミス賞に出場中。これまでの成績は2、3、7(落車再乗)、6着となっており、優勝はない。それだけに『今年こそ』の気持ちは強いはず。賞金ランキング5位の現在、久しぶりのグランプリ出場も視野に入っているだろうし、今回の繰り上がりのチャンスを生かして、グランプリへ一歩近づきたい。
※次回は明日(8月10日18時00分)に『ガールズドリームレース』の出場選手の紹介を予定しています。こちらもどうぞお見逃しなく!
松本直
千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。