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吉井秀仁の妄想先取りレース実況

【水都大垣杯予想】優勝しても不思議ではない“ホンモノの脚”を磨く中野慎詞、シリーズ通して狙える存在は“地元の大ベテラン”山口富生/大垣記念で狙うべき選手たち

2024/11/30 (土) 08:00 1

競輪祭に見た 『ザ・競輪』

 いやあ、小倉競輪祭のGIファイナル、あれは圧巻だったねぇ! 6日間があっという間、息つくヒマもない激戦続きだった。そんな激戦を制して栄冠をつかんだのは脇本雄太選手だった。寺崎浩平が逃げ番手から出て押し切る見事な優勝、おめでとう! だが、ドラマはここだけじゃなかった。

 犬伏湧也にも松浦にもチャンス! とお互いが考えた作戦だったのだろう。犬伏は突っ張りか飛びつき作戦! 松浦と犬伏はグランプリ出場を掛けたお互いの真剣勝負になる。そんな切羽詰まった状況だった、後者を選択するのが最善策だった。だが、寺崎のダッシュに飛びつけず、失敗に終わった。犬伏も必死にまくりを打つがそこまで。このふたりの真剣勝負も「ザ·競輪」をみせてくれ、感動モンだったねー。

 女子王座決定戦は大方の予想通り。世界のサトミナがぶっちぎりで優勝、ガールズグランプリ出場を決めた。いまや敵なしの無双状態だよね! 果たして誰がサトミナを止めるのか…当分この流れが続きそうだが、阻止する選手が出てくるのが楽しみだね。さて、全てのGIが終了して、いよいよ年末のグランプリに出場するメンバーが決まった。もう気持ちはグランプリへ向かってるが、その前にこの「大垣記念」で一稼ぎしようじゃないか!

本物の脚力を持つ中野慎詞

 まずは主力選手の動向と、妄想が膨らむ「狙いどころ」の選手をしっかりとチェックしようじゃないか。主力どころの面々といえばS班の松浦悠士、山口拳矢、そして北井佑季、窓場千加頼、中野慎詞らだろう。特に注目は中野慎詞。ナショナルチームで磨き上げた脚力は周知のとおり本物だ。先行してライン決着、あるいはまくりでの勝利も十分にあり得る。むしろ中野がまくりでVってこともありじゃないかと思ってるんだよ。

 ちょっと余談だけど、グランプリ出場を目指し、日々励んでいた松浦悠士や山口拳矢。結果的にその夢が叶わなかったのは、さぞかし悔しいことだろう。とりわけ松浦悠士の思いは計り知れない。グランプリ出場経験のある選手が「グランプリを目指し成し遂げれなかった反動でメンタルがやられる」って話していたのを思い出す。落胆する気持ちもわかるが、郡司浩平に平原康多がそうだったように、彼らならきっと「ナニクソ魂」でこれを乗り越えるはず。まずこの一戦をきっかけに、来年へ向けてしっかりと弾みをつけて欲しいもんだね。

 そして地元勢に目を向ければ、山口富生、松岡篤哉、志田龍星、藤田侑吾がいるけど、大ベテランの山口富生には注目したい。地元への思いは並々ならぬものがあるだろうし、背水の陣を敷いてくるはずだ。4日間、じっくり付き合ってみるのも面白いかもしれない。で、妄想枠としては松村友和。差し脚が冴えてきて、ライン違いの一発突っ込みで高配当って展開、期待できるんじゃないか? さらに、木村弘が良くなっている。逃げを基本にまくりが冴えを見せて、油断ならない存在だ。もうひとり渡邉雄太の気配も上がってきてるし、ここも注目してみるべ。

初日オレが狙うのは3Rだ! 絆の力は時に仇にもなったりする

 とういうわけで、渡邉雄太が走る3Rを狙ってみるか。まずは並びの整理から。⑧竹内雄作-①松岡篤哉の地元コンビに④筒井裕哉、静岡コンビは⑨渡邉雄太-②望月永悟、③片岡迪之-⑦久米良の中四国、⑥加藤将武-⑤白岩大助の埼玉コンビの細切れ戦となっている(⇐⑧①④・⑨②・③⑦・⑥⑤)。

 混戦激戦になりそうだし、脚をためる渡邉から狙ってみる。本線の展開は枠なりの並びでいく。加藤が押さえ、片岡が切る。そこを渡邉が叩き竹内を呼び込む。中団を取った渡邉が加藤と竹内のもがき合いを誘いひとまくり。⑨=②、竹内から松岡が切り替え⑨=①が本線になるべかね。

 妄想は渡邉が前受けからのとき。中団を竹内が取り、勝負どころで片岡が切りに行くが渡邉が突っ張る。白岩を連れ加藤が叩くが、加藤が出たところを竹内が叩き主導権。番手松岡に展開が向く。北陽グループの絆はハンパね〜! 松岡が庇いワンツーを狙うはず。竹内の残り①-⑧に筒井の流れ込み①-④。

 絆の強さが仇になれば、松岡がまくりをブロックし隙が生まれるってわけだよ。漁夫の利は筒井に! 筒井が間隙縫って突き抜け波乱。筒井から手広く流して妄想の〆にするべ。

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吉井秀仁の妄想先取りレース実況

吉井秀仁

Yoshii Hidehito

千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。

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