2024/11/09 (土) 10:00 15
脇本雄太、古性優作に続いて近畿地区に「第3の男」が台頭。窓場千加頼だ。昨年、共同通信社杯(GII)で特別競輪出場を果たすと、今年、大ブレイク。オールスターでは準優勝とタイトルまであと一歩のところまできた。現在賞金ランク11位(11月1日時点)とグランプリ出場圏内に位置する。グランプリ出場へ正念場の窓場に話を聞くと、返ってきた言葉は意外なものだった。窓場の胸中に迫った。
初日のレースは反省すべきだし、気持ちも守備的だった。ずっと「隙のないレース」を心掛けているけど、攻めたレースをしないとそれはできない。見えないプレッシャーもあったのかもしれません。
賞金ランキングを気にするなと言われると、性格的に気にしてしまう部分はありますね(苦笑)。
親王牌まで中20日ちかく空いてトレーニングを積んだわりに、正直、物足りなさはありました。初日のこともあったし、2日目は1着が取れてホッとしましたね。
あとは弥彦のバンク特性をイマイチ掴めていない感じもあった。あまり走る機会もなかったので。
フィジカル、メンタル的なものはずっと変わらないけど、終わって見れば「攻めの気持ち」が足りていなかったのかなと。初日に失敗した分、仕切り直しはできたのは良かったですけど。もう1回、気持ちを奮い立たせて「攻めたレースを」と最終日まで集中力を切らさず走ることができました。
グランプリ(出場)圏内にいられることは“幸せ”ですね。
去年の自分と比べたら想像もしなかった位置にいますから。あがくことで良くも悪くも見えるモノがあると思いますし、来年に繋がるはずなので。
もちろん、競輪祭は獲りに行くつもりで。プラス、その先を見据えて向上心を持って戦いたいと思っています。もし、運が良くS級S班になれたとしても、来年、戦えるとは思えない。「長く強い選手」を目指していきたいんです。
はい。20代のうちに、そういう意識で競輪に向き合えていれば良かったですけどね。常に先を見据えて、考えることができていれば良かったなって。だからこそ、自分が後輩たちに伝えられたらと思います。
昔も今でも、いつでも的確なアドバイスをくれる大きな存在です。迷っている時なんかは、やっぱり村上さんの言葉が後押しになるというか。村上さんは「(タイトルの)獲り方」を知っている方。僕がタイトルに届かない理由や足りていないモノも、きっと村上さんには見えているんじゃないかなと思います。
(ちょっといい話)
同期の窓場と古性、2人のエピソードを紹介したい。
窓場は養成所時代から同期の古性が嫉妬するほど、抜群のポテンシャルで注目を浴びていた。しかし、窓場が低迷する間に古性は絶対王者となり、いつしか立場は逆転。
今年3月のウィナーズカップ、窓場は準決勝で連係した古性の存在について、こう明かした。「正直、同期といえども向こうはS級S班でタイトルを何個も獲っているトップ選手になった。追い付きたい気持ちはずっとあった。でも、途中で僕が腐った部分もあって差が大きく離れてしまって。まだまだ追い付くには高い壁があるけど、これからも追いかけて行きたい」と。
そして、真夏の祭典・オールスター競輪で古性を優勝へと導き、窓場自身も準優勝。大舞台でワンツーを実現させた。古性が「千加頼と決まったのが嬉しい。成長を感じるし、これから近畿をもっと引っ張って盛り上げていってほしい」と話した通り「近畿のキーマン」として、窓場は更なる高みを目指す。
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