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前田睦生の感情移入

【みちのく記念善知鳥杯争奪戦】新山響平の輪界七不思議は今回で消滅?

2024/09/25 (水) 12:00 12

新山響平は一つの終止符を打ちたい

S班になってからの優勝がない

 青森競輪の大阪・関西万博協賛「開設74周年みちのく記念 善知鳥杯争奪戦(GIII)」が9月26〜29日に開催される。新山響平(30歳・青森=107期)のS班としての長い戦いが続いている。昨年S班になってから、優勝がない。

 前回優勝したのは一昨年11月、GI初制覇となった小倉「競輪祭(GI)」だ。う〜ん。S班になったのは当然、実力。力があってこの位置にいるので、優勝がないのはなぜなんだろう…と今では輪界七不思議の一つになっている(他の6つは知らないが)。

 原因とすれば、新山が先行にこだわり、1着だけでなくラインが生きる走りに徹していることはある。とはいえ、時折見せている柔軟さ、幅の広さもあるわけで、どうにも優勝がないのは…となってしまう。当然、相手があることととはいえ、決勝でも逃げ切れる力がある。

 あまり理由付けを考えても…という問題なので、新山が最近口にしている「優勝出来たらどんな形でもいい」の言葉通りに、今回は地元記念優勝で七不思議の一つを消滅させてほしい。

眞杉匠の地元ビッグ優勝の意義

眞杉匠イズアンビシャス

 眞杉匠(25歳・栃木=113期)が地元宇都宮の「第40回共同通信社杯競輪(GII)」を見事に制した。決勝の攻めは、究極そのもの。その上で、だが、他の栃木の選手に眞杉の優勝に聞いてみると「応援がすごい中、プレッシャーもすごい中で優勝したことが」と強調していた。

 優勝が期待される立場であり、その責任を負う中で結果を出した。競輪界では、“スター”という言葉をよく使うもので、まさに眞杉匠はスター。期待されるものに対して、さらに眞杉はすさまじい走りぶりで、ファンの心を想定以上に突き動かした。

 今回は盟友・森田優弥(26歳・埼玉=113期)に吉田拓矢(29歳・茨城=107期)もいて、関東としてどう戦っていくのかも気になる所だ。共同杯を走れなかった長島大介(35歳・栃木=96期)との連係も見たい。

いろんな七不思議

山崎芳仁は北日本結束への思いが強い

 かつて有名な七不思議と言われたのが、S級に上がってとにかく強かった矢口啓一郎(44歳・群馬=86期)がどうにもこうにもS級優勝を上げられないこと、だった。時間はかかったものの優勝したのでみんながホッとしたもの。また、第3代グランドスラマーの神山雄一郎がKEIRINグランプリを勝てていないことは、語り継がれる七不思議と言っていいだろう。

 ネット環境に触れることが多い生活のためでもあるのか、佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)がファン投票1位ではないのは不思議の一つではあると思う。

 今回出場する山崎芳仁(45歳・福島=88期)がグランドスラマーになるには、ダービー(日本選手権)を残している。これも勝てておかしくない強さを誇った時期があるので、不思議ともいえる。そういえば、山崎に小田原記念(北条早雲杯争奪戦)の南関7車連係のことを聞いた時…。

「俺は7番手でも回りますよ」

 平然と言っていた。確かに山崎、いや“山ちゃん”の性格を考えると、本当に回ってしまいそうだ。過去の青森記念決勝では北別線の戦いもあったのだが、今回、どうなるのか。北日本が多く勝ち上がることがあれば、並びをどうするかに大注目だ。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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