アプリ限定 2021/07/14 (水) 18:00 6
7月16〜18 日に函館競輪場で『サマーナイトフェスティバル(GII)』が開催され、シリーズ内では成績上位のガールズ選手による勝ち上がり戦『ガールズケイリンフェスティバル』も行われます。今回はシリーズの展望と注目すべき選手をデイリースポーツ松本記者がお届けします。優勝に近いのは!? 開催を盛り上げる選手は!? 夏夜の祭典を観る前に必見の内容です!
今年で8回目の開催となる「ガールズケイリンフェスティバル」。同大会は14、15年は2日制、16年から3日制で行われている。ガールズケイリンフェスティバル3回優勝の実績を持つ小林優香は東京オリンピック出場のため今開催は出場せず。
優勝争いは児玉碧衣と高木真備が一歩リードしているように思うが、参加選手21人全員が自力で動ける実力者のため、混戦は必至。また、優勝賞金264万円(副賞含む)を勝ち獲れば、年末のガールズグランプリ出場へ一気に近づくため、どの選手も目の色を変えて臨んでくるはずだ。今回は台風の目になり得る4選手を紹介する。初出場となる118期の2名、シリーズを盛り上げるベテラン勢の2名に注目したい。
ガールズケイリンスター選手の宝庫、名門・藤田剣次一門の秘蔵っ子がフェスティバルに初参戦。中学、高校は陸上の短距離で活躍。日本競輪選手養成所ではゴールデンキャップを獲得している。昨年5月広島ルーキーシリーズでデビュー。デビュー後はダッシュ力を生かしたまくりで1着を量産。
昨秋からは積極的な仕掛けが多くなり、1周カマシでも押し切る脚力が付いてきた。昨年11月のグランプリトライアルでも決勝に乗っており、トップ戦線でも戦えるパワーを持っているのは証明済み。思い切り良く仕掛けられれば、十分に優勝も狙える存在だ。
尾方真生(おがた・まお)
今年の成績:1着39回、優勝8回、取得賞金額880万円、賞金ランキング4位
昨年5月小倉ルーキーシリーズでデビュー。今年3月名古屋で初優勝を果たした。決勝はインを切って奥井迪の番手に飛び付いて、差し切りで1着。そこで勢いに乗ると、4月西武園のフレッシュクイーンでも尾方真生マークから差し脚を発揮して優勝。フレッシュクイーンは選考期間内の特別レースのため、優勝したことで今大会の出場権利を手にした。
5月富山で3回目の優勝を達成したが、直後の宇都宮で落車してしまい、鎖骨を骨折。復帰戦の6月大垣は決勝進出を外してしまったが、同月川崎、7月取手と決勝進出しているため、復調してきていると見ていいだろう。自力が持ち味だが、マーク戦もうまいので、4角好位で回ってくる展開になれば車券に絡んできそうだ。
増田夕華(ますだ・せつか)
今年の成績:1着12回、優勝3回(単発の特別レース含む)、取得賞金額517万、賞金ランキング31位
函館の成績:初出走のため、データなし
1期生の中川諒子が元気いっぱいだ。19年11月いわき平で落車。骨盤骨折の大けがを追い、半年以上レースに復帰できず、苦しい思いをした。今は完全復活を遂げ、今年1月にコレクショントライアルを走ったことで「もう一度ビッグレースを走りたい」と闘志に火がついた。
3月防府で1年7カ月ぶりの優勝を達成すると、同月小倉、4月高知と優勝を積み重ねていき、今シリーズの出場権利を掴んだ。ガールズケイリンフェスティバルは2年ぶり6回目の出場となる。第1回(松戸)は決勝6着。第3回(川崎)は決勝3着と、大会との相性は悪くない。中川を含めて総勢6人に増えた熊本ガールズ。しっかりと練習の成果を発揮できれば、決して侮れない存在になるはずだ。
中川諒子(なかがわ・りょうこ)
今年の成績:1着15回、優勝4回、取得賞金額604万円、賞金ランキング16位
函館の成績:1着6回、2着4回、3着10回、着外2回、優勝1回(16年5月)
今開催に北海道支部所属のガールズ選手の参加はないが、北海道代表は東京の奥井が務める。奥井は札幌市出身で小学生からスキーを始め、インターハイで優勝、国体でも優勝と輝かしい実績を残した。大学卒業後に教員の道へ進むも「アスリートとしてまだやりたい」との思いで、ガールズケイリンに挑戦。デビュー以降は先行一本の競走スタイルで1着を量産。ガールズグランプリには4回出場。準優勝2回とあと一歩のところで栄冠を逃している。
北海道出身の道産子らしく暑い夏を苦手としているが、函館開催なら話は別。15年8月のフェスティバルは2着・1着・5着。決勝での加瀬加奈子との先行争いはガールズケイリンの名勝負のひとつだろう。地元代表として気持ちは出場選手の誰よりも入っているはず。『前に出たら誰にもまくらせない』という強い気持ちの持ち主・奥井の走りから目が離せない。
奥井迪(おくい・ふみ)
今年の成績:1着27回、優勝4回、取得賞金額734万円、賞金ランキング10位
函館の成績:1着17回、2着4回、3着1回、着外3回、優勝3回(15年10月、17年4月、10月)
※記事内における成績データは2021年7月12日(月)時点のもの
松本直
千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。