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アイドルヲタクレーサー佐々木恵理の「KEIRIN・アイしてもらいます!」

進化する“オンライン配信”〜アイドル界と競輪界くらべてみました〜

2021/06/22 (火) 10:00 4

 こんにちは! 110期愛知支部の佐々木恵理です。みなさん、最近いかがお過ごしでしょうか?

 新型コロナウイルスの影響で国から緊急事態宣言が発令され、以前に比べて外出の機会が減った方も多いと思います。競輪界でも昨年は、開催中止や無観客レースのように人の接触や動きを減らすような緊急措置がとられていました。

 最近は、残念ながら無観客レースになってしまった競輪場もありますが、コロナ対策がされた本場開催が行われています。

 コロナ流行の以前と比べると気軽に外出しにくいご時世でインターネットを使用したオンラインコンテンツが増えました。YouTubeで動画配信、Twitterや InstagramなどのSNSを始める有名人が増え、ファンが発信を見たり、直接想いを届けられる機会が増えました。

●アイドル界のオンライン展開

 アイドルの世界でも、ここ1年でオンラインでのライブやイベントが普及しています。

 アイドル界も昨年は公演中止が相次ぎました。現在はコロナ対策がなされたライブ活動が行われてますが、密対策でソーシャルディスタンスを取るために観客数を減らしたり、着席の義務化、飛沫感染防止のため発声の禁止がされ応援は拍手や手拍子のみなど、以前とは違う形でのライブ活動が続けられています。

 そうは言ってもなかなか外出しにくいご時世ですし、オンラインでライブ配信するアイドルグループも増えました。オンラインのライブなら声援し放題、振りコピ(アイドルと同じ振り付けを一緒にすること)もやり放題で従来と変わらない楽しみ方が出来るし、SNSで実況しインターネット上で他のファンと感動を共有したり、楽しみ方の幅も広がりました。

 さらに、握手会などの“接触イベント”もオンラインで行われるようになりました。ということで、『推しとはじめてのオンラインお話し会やってみた!』です。イェーイ!

 (オンラインなので握手会ではなくお話し会。新発売のCDを予約するとスマホを使って推しとビデオ通話ができるというイベントです。)

 天使、かわいい、最高、もう優勝
 ハァ、、、(ため息)

 以上

 と、語彙力を失ってしまうくらい楽しいものだったのですが、一度冷静になって実際に体験して感じたことを書いてみます。

 どんなに遠くにいても、その場に会いに行かなくても、推しと同じ時間を共有できるのは便利だと感じました。東京や大阪などのイベント会場から遠い場所に住んでいる人や日々時間に追われている人でも、インターネット環境さえあれば物理的に移動する手間なく推しと会えるのは、画期的だし手軽で便利だと思います。外出することなく全てが完結するのでコロナ対策も万全です。

 ふと思ったのは、私は推しのことを考えてドキドキワクワクしながら電車に揺られてイベント会場に向かうのが好きだったなと。少し緊張しながら「今日は何話そうかな〜先週のラジオのことにしようかな〜、衣装は何かな〜髪型はツインテールかな〜」なんて考えるのが好きでした。オタク仲間との感想戦、帰りの電車でのその日の反省会まで含めてがイベントだったなと。インターネットを通じ、日常の中に突然推しが現れることにより、イベントに対しての特別感と充実感が減ってしまうような気がしてなんだか少し寂しいようにも思いました。

 でも、コロナが収束したら対面で会って直接言葉を交わしたい、声を出してライブが見たいという、これからの期待と楽しみが高まりました。

●競輪界のオンライン展開

 競輪もアイドルやエンタメ界と同じように、ここ1年でオンラインコンテンツの多様化・充実が進んでいるように思います。

 今まであったレースの実況放送だけでなく、ニコ生、YouTubeライブ、インターネット配信の予想番組、選手のトーク番組など、客層や需要に応えた幅広い動画配信が行われています。

 また、コロナ禍でイベントなどができなくなり選手とファンの交流機会が減ったため、SNSを始めてファンと交流をしたり、YouTubeで動画を公開する選手・選手会支部も増えました。レースだけでは見えない選手の一面を見せることで、ギャンブルとしてだけでなく、エンターテインメント的な競輪の楽しみ方が広がるきっかけになったと思います。

●オンラインor現地観戦?

 オンラインはとにかく便利で現地に行かなくてもその場で楽しめる良さがありますが、オフラインはやはり実際にその場へ出向き自分の目で見ることも良さがあります。

 競輪の現地観戦を例にして考えると、その場で見る臨場感には勝るものはないし、中継のマイクでは拾えないような車輪が風を切る音や実際に見ないとわからないスピード感などの迫力や、自分の目で見たいものを追う楽しさがあります。映像は良くも悪くも画面に映っているものしか見られませんが、自分の目で見るならば、推し選手を永遠に見ていられます。人間が持つ五感をフルに使って競輪を楽しむことができます。

 また、レースを見ること以外にも楽しみがあります。競輪場グルメやご当地グルメを楽しんだり、その土地ごとの空気感を胸いっぱいに吸う、友人やその時に会った人と競輪について話す。それも楽しみのスパイスのように思います。

 私は、はじめてのSKE48の劇場公演を見た時、今まで画面の中にいて憧れていた人間が目の前にいることに単純に感動しました。ステージ上にいる推しの古川愛李さんが眩しくて眩しくて、後光が射して見えたのを今でも覚えています。その時の感動と衝撃と緊張感はオタクを13年やっている今も忘れられません(もちろんライブは今でも常に新鮮だしすごい衝撃を受けるし激しく感動します)。

 同じ空間で同じ空気を吸って五感をフルに使って推しを楽しめるのが生で見る良さだと思います。早くコロナが収束しそんな時代がまた来て欲しいです。

 実際に、レースを走っている選手からすると、無観客は寂しく感じます。私は“競輪は人に見られて応援されて発展してきたもの”だと考えています。ファンの皆さんから顔見せや発走前に声援を頂くと、気持ちが引き締まり、レースへの緊張感も高まります。人に見られている緊張感は日常にはない特別なものだし、人に見られることにより持っている以上のパワーを発揮できることもあるように感じます。

 無観客レースは昨年と比べたら減りつつありますが、ファンの皆さんから気兼ねなく声援を頂ける“いつもの競輪場”が戻ってくるのを私は楽しみにしています。

 チームしゃちほこ(現:TEAM SHACHI)の「待つわ!〜DD大歓迎!〜」という歌の中に『2人会えない時間が愛を育てるね』という歌詞がありました。アイドル戦国時代における名古屋の地方アイドルを応援するオタクと応援されるアイドルの歌なのですが、今回のコラムを書いていてこの歌を思い出しました(気になった方は是非歌詞を検索して、曲を聞いてみてください)。

 この歌が発表された7年前とは状況が違いますが、なかなか直接推しを見る機会がない、物理的に距離がある、やりたいように推しを応援できないのは同じです。オンラインコンテンツを利用し推しへの想いを高めて、推し選手に会った時になんて声をかけるか想像し胸をときめかせ、生でレースを見ることを楽しみにして生きていただき、そしてコロナが収まったら実際に会えた時の感動を味わう。今はそのプロセスの途中なのではないかと感じています。

 コロナが収束し気軽に外出ができる時が来たら、競輪場に来たことがない人もしょっちゅう行ってたという人も、溜め込んだたくさんの楽しみと期待を胸に競輪場に足を運んで頂きたいです。その時まで待っていてください!

 それでは、より楽しい競輪ライフを! 次回更新をお楽しみに!


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佐々木恵理

Sasaki Eri

愛知県豊橋市出身。大学卒業後、システムエンジニアとして社会人を経験し、テレビ番組でガールズケイリンの存在を知って競輪選手を志願。T-GUP(豊橋ガールズケイリン育成プロジェクト)を経て、2016年に名古屋競輪場でレースデビュー、初勝利。アイドルと競輪を愛する、アイドルヲタクレーサー。

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