2025/08/11 (月) 12:00 10
北海道で初のオールスター開催! 函館競輪「第68回オールスター競輪(GI)」が8月12〜17日に開催される。6日間11個レース制度、男子のみ135人出場でレースプログラム(概定番組)も大きく変わる。この時期、熱中症が問題となる中、北海道も暑いとはいえ選手の体調には良い方に働くと思う。
ドリームレースとオリオン賞レース(2個)の選手は4日目のシャイニングスター賞勝ち上がりとなれば全4走、他の選手は全5走で競っていく形になる。体に負担をかけたくない、特に脇本雄太(36歳・福井=94期)のように、いつ体が悲鳴を上げておかしくない選手はドリームへの注力はこれまで以上だろう。
ドリームレースはファン投票で選ばれて走ることができる。各選手がその意味を背負って走るのだが、1〜5着までの勝ち上がりがより重要になってくる。“冷静に”も必要になるものの、しかしそこはやはり熱くなって激しいレースになるか…。太田海也(26歳・岡山=121期)が繰り上がったことで、その様相は増してくる。
犬伏湧也(30歳・徳島=119期)と清水裕友(30歳・山口=105期)を連れる形になるだろうか。カイヤの心は「風を切る」と燃えているだろう。9人の燃える心と冷静さを味わいたい。
函館では2012年6月に「高松宮記念杯競輪(GI)」が開催された。ワッキーは準優勝。2回目のGI決勝進出で逃げ切りか…というところ武田豊樹(51歳・茨城=88期)の強襲に屈した。2010年7月前橋の「寬仁親王牌(GI)」でGI初出場初決勝を決め、先行で…の思いは誰よりも強かった。
GI優勝には前橋から約8年かかったわけだが、ワッキーの歩みは近代競輪から現代競輪へと変わる歩みそのものだ。そのトップにいて、今は壊れた体をいたわってほしいと思いつつも、まだまだ「ワッキーは、ヤバい!」を見せ続けてほしい。
ライバルは深谷知広(35歳・静岡=96期)。ドリームでは2人がやり合うのが一時期の定番だった。ゆえに、どちらかが笑顔、どちらかが涙、という抜き身の戦い。今年齢を重ねた2人が、どんな戦いを見せるのか。もう、ドリームを待つだけでも函館湾が沸騰しそうだ。高田屋嘉兵衛がその湾で躍動したように、北の海が大地が湧き立つ。
オールスターには記者推薦枠が10人分あり、今回は若手が多い。特に注目は中石湊(20歳・北海道=125期)になるだろう。ちょくちょく躓きはしたものの3月別府で9連勝の特別昇級を決めると、S級でも躍動している。しかし、9車立てがGIという舞台で初めてということになる…。
7車立てと9車立ての違いはもはや周知と思う。9車立てのレベルの高さ、そしてGIで…。と書いてはいるが中石には大きな期待を持っている。ナショナルチームに所属し、2028年ロス五輪を目指している。そんな身だが、恋焦がれている競輪への情熱は人一倍だ。
爆発的な将来性を秘めた若者の活躍を待ちたい。そのアフロはなんのためにあるんだ…。
山崎歩夢(20歳・福島=125期)や栗山和樹(28歳・岐阜=125期)、また7月小松島記念を優勝した西田優大(27歳・広島=123期)など、これからのGI戦でずっと見る名前になるだろう。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。