2025/12/04 (木) 08:00 1
小倉競輪祭が終わって、今年のGI戦線もこれで一区切り。優勝は「荒井崇博か!」の展開だったが、なんと大外強襲で阿部拓真がタイトルをもぎ取り、グランプリの切符をつかんだ。正直たまげたが、これも競輪。おめでとうございます。
6日間、どのレースも激戦続きで、場内の熱気は爆上がり。ファンの声援に押されて、選手たちも自然とハッスルしていた。あの一体感ーー。あれが競輪の魅力なんだよ。決勝戦なんか、もうロックフェス並みのボルテージだった。
GI初出場の若手にとっては、ああいう舞台はとんでもない経験になる。トップレーサーの走り方、考え方を肌で感じて、“競輪脳”が一気に鍛えられる。中にはレベルの高さに気圧されるヤツもいるけど、それもまた糧だ。
オレも初めてGIを走ったときは、正直、力の差にショックを受けた。でも、その悔しさがエネルギーになるんだよ。「やってやるぞ」って気持ちが勝手に湧いてくる。あれがスイッチの入る瞬間だったよ。
さて、感傷はこの辺りにして次は佐世保記念だ。S班は新山響平、清水裕友、犬伏湧也。追加で松浦悠士の参戦も決まった。これに松本貴治、佐藤慎太郎が追随し、どう立ち向かうか。迎え撃つ九州勢は荒井崇博、井上昌己、山崎賢人。
地元記念らしい“意地の競輪”が見られるとすれば、九州勢の総力戦。ここで地元Vでも決めれば、盛り上がりは最高潮ってわけだ! だが相手も強豪揃いで、そう簡単にはいかねえ。
そのほか妄想期待の選手をピックアップしておこう。今回は若手を取り上げておきたい。121期からは山口多聞、治田知也、125期からは山崎歩夢、阿部英斗、小川三士郎、角宗哉。このフレッシュ組がどんなドラマを見せてくれるか、そこも楽しみだ。寒い季節だけど、若さと勢いでバンクを熱くしてもらいたいね。
初日の妄想狙い5Rで行ってみるべ! 構成は細切れ戦。東日本が⑨金子幸央-①大塚玲-⑥山田幸司、九州は⑦岩谷拓磨-②山口敦也、北日本は④磯島康祐-③飯野祐太、中国は⑤角宗哉-⑧畝木努のコンビ。
スタートは枠なりだろうし、まず金子が前受けから入っていくはずだ。(⇐⑨①⑥・⑦②・④③・⑤⑧)といったところか。そこへ徹底先行の角が主導権を狙いにくる。
問題はそのあとで、磯島か岩谷が叩きにいけば、必然とも言える“もがき合い”。この流れを、近況好調の金子がドンピシャのタイミングでまくる、そんな絵が見えるんだよね。直線は大塚との一騎打ち⑨=①が本線。金子の頭から別戦の番手畝木、飯野、山口⑨-⑧③②と広めに押さえれば万全ってやつだ。
だがね、ここからが競輪の怖いところ。
“本命まくり”ってのは、どうしてもウッカリが付きまとうんだよ。ましてメンバー的にも角が“逃げイチ”になりそうな感じだし。角がノーマーク気味に見られるようなら、これはもうマイペースで出切ってしまう可能性がある。その後ろが取り合いにでもなれば畝木と角の⑧=⑤。
畝木は自力もあるタイプだし、こういう混戦の“落とし穴”に顔を出す選手なんだよね。というわけで、今回の妄想は⑧畝木を絡めた車券でいってみようか!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。
