2024/07/16 (火) 08:00 5
ミッドナイト競輪が始まり早10余年が過ぎた。当時はA級戦とチャレンジ戦が主だって開催していた記憶があり、続いてガールズケイリンも加わってきた。ネット投票の恩恵でミッドナイト競輪はもはや“なくてはならないもの”にのしあがったと言ってもいい。7車立てで得点上位の選手から内枠へ入るから、当たりやすい。
穴党には酷な番組構成になっちまうわけだが、希に大穴が出たりもする。これも競輪の楽しさなんだけどね。一杯呑みながら車券を楽しみ、中にはミッドナイト競輪を投資になぞらえ車券を購入する人もいるとか。いろんなファン層がミッドナイト競輪を楽しみ売り上げに貢献してくれることは業界にとって喜ばしい限りだね。
昨年、「ミッドナイトでGIIIがやるぞ!」と聞いたときにはブッタマゲタ!「マジか? S班も走るのか? 競輪界総動員でミッドナイトを盛り上げようってわけだな!」って思ったべ。その初のミッドナイトGIIIが佐世保で始まる。S班はいないが“ダービー王”の平原康多がここに参戦してきた。『不動の本命』と言ってもいい。
だが、今年3月の四日市ナイター(FI)準決勝で纐纈洸翔の突っ張りにやられたっけ! 7車立ての盲点だったのかね? 今回は関東勢の援軍も多く、負けられない。初のミッドナイトGIIIの開幕というわけで“初代”優勝者は名前が歴史に刻まれる。これに相応しいのは平原康多だと思うが、ミッドナイト競輪には7車立ての油断という落とし穴ってのもあるかもね。
同時開催のガールズケイリンは徹底先行で売る奥井迪が本命に推される。いつも通りの走りで危な気なく決めてくれるはず。
このコラムで以前から取り上げ続けてきた真鍋智寛を一押しにプッシュしとく。先日のPIST6でS班の新山響平を破る大金星をやってのけた。カーボンフレームと競輪の鉄フレームは違うとはいえ、そのポテンシャルは相当なもの。7車立てならひょっとしたらVも期待できるかもしれない。
その大金星をあげた真鍋智寛が出場する3Rを妄想ファンへの推奨レースにするベ。 まずは並びから整理する。 ①真鍋智寛-④佐々木則幸の四国コンビ、②大石崇晴-⑤畑段嵐士の近畿コンビ、⑦山口聖矢は単騎、関東コンビは③朝倉智仁-⑥岡田征陽となっている。 枠なりのスタートで真鍋が前受けになる。中団を大石で後方は朝倉だ(⇐①④・②⑤・⑦・③⑥)。
朝倉が押さえに行き、真鍋が突っ張る。突っ張られたら一旦下げて「ブーメラン作戦」ってわけだ。 7車立てのオーソドックスなパターンになるね。真鍋がマイペース逃げで押し切り佐々木が流れ込む①-④にダッシュよく朝倉がスパートし真鍋の番手にはまり①=③までが本線になるか! 妄想車券は朝倉が切ったときが面白い。大石がかましていき畑段が恵まれ抜け出す⑤-①③⑥⑦になるね。
さて、初のミッドナイトGIIIに燦然と名を刻むのは誰だ? 飲み過ぎずに目ん玉をおっ広げて結果を待ちたいね。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。