2024/07/07 (日) 12:00 36
ついに、だ。
2016年4月の熊本地震のため、同年3月の開催の後、8年4ヶ月にわたり熊本競輪でレースは行われなかった。7月20〜22日のシリーズで、ついに再開。熊本競輪再建記念FIが令和6年能登半島地震復興支援競輪として実施される。
再開を記念して、14日には熊本の繁華街で「熊本競輪Re:スタートフェスティバル」が開かれる。熊本には上通り、下通り、新市街とアーケードがつらなる一帯があり、今回は新市街のど真ん中で自転車競走を行うものだ。「ストリートKEIRIN in熊本新市街」は直線100mを1対1で競う。
中川誠一郎(45歳・熊本=85期)も参加して、大いに盛り上げる。中川は再建記念FIに出場する。この熊本競輪再開を誰よりも喜び、誰よりも重みを感じている。14日はセイちゃんスマイルを間近で見てほしい。暑い夏だが、アーケードで行われ、商店街なので周りはもちろんお店だらけ。涼を取りながら、楽しめる。
現在、全国に競輪場は43場ある。戦後に多くの地域で競輪場が設立され、廃止された場所も多い。この20年くらいの間では、赤字を理由に廃止される場がいくつかあった。地域社会に資金を繰り出すことが競輪の使命。これを果たせないと存在意義がなくなってしまう。
近年は全体の売り上げが増加し、若い人たちが競輪を覚えるようになり、確実に盛り上がってきている。競輪やボートレース、オートレース、競馬、公営競技を楽しむ人たちが増えている。
昨今の話題として札幌ドームで競輪開催はできないか、というものがある。巨額の赤字経営となってしまっているので、収益を見込めるコンテンツが必要。そこで競輪はどうか、ということだ。まずはドーム内に競輪の施設を作れるのか、という課題があり、また施行業務を整えることもクリアしないといけない。ハードルはあるわけだが、今こそ、競輪場が増えるというニュースを繰り出し、さらに競輪の盛り上がり、そして必要性を訴える起爆剤にしてほしいと願うものだ。
競輪場がない地域では、サテライトなどがあっても、やはり競輪を知る機会、触れる機会が少ない。47都道府県の中でも競輪熱の高い地域、低い地域はどうしてもある。
競輪に携わる仕事をしている身としては、全国どこにいても競輪に触れる時間があるといいなと思う。そしてそれは、まだ見ぬ才能が発掘される可能性につながる。競輪場はお祭り的なイベントも増え、子どもたちも訪れやすくなっている。
財政的な貢献の上に、地域の重要施設としての存在意義も確実に備えるようになってきている。ファンを増やすこととともに、選手になりたいという人たちを発掘することも発展のカギだ。
当コラム公開の7月7日、ぜひ短冊に「札幌ドームで競輪を」と書いてほしい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。