2024/07/12 (金) 12:00 42
松戸競輪場で7月13〜15日に令和6年能登半島地震復興支援競輪「第20回サマーナイトフェスティバル(GII)」と「ガールズケイリンフェスティバル2024」が開催される。サマーナイトフェスティバルは来年度から4日制男子のみの開催になり、ガールズケイリンフェスティバルは終了し、女子オールスターに収斂される形になる。
この大会、3連覇中の松浦悠士(33歳・広島=98期)は今年、3月3日最終日の玉野記念(瀬戸の王子杯争奪戦)の優勝はあるもののケガに泣かされ、苦しんでいる。こうした時に結果につなげられるかが、いわゆるスター性になる。
昨年の函館大会では決勝で脇本雄太(35歳・福井=94期)に付けるというサプライズで、盛り上げる一手も打った。こうした柔軟性が松浦の良さであり、怖さでもある。「松浦がこんなラインで走ったらイヤだな」を与えられるのである。
とはいえ現状は現状。状態が戻ってきていても、頼れるのはラインの仲間だ。中四国の仲間と決勝に乗ることが、4連覇の条件だ。さすがに2年連続でワッキーの番手が発生する確率は、低いと思う…。無論、条件が整ったら並んでほしい。
北井佑季(34歳・神奈川=119期)が6月岸和田の「高松宮記念杯競輪」でGI初優勝を飾った。郡司浩平(33歳・神奈川=99期)の悲壮な決意のこもった先行に乗って、つかみ取った。
北井としては、その走りが変わることはないだろう。ただし、物理的にGIを優勝した事実以上に、心理面の優位性が間違いなく生まれる。より、先行で、をやりやすくなる。
その点では北井の番手が重要な位置になるので、これからの南関の選手たちはまた気持ちを引き締めていることだろう。頑張れ!グンちゃん!
犬伏湧也(28歳・徳島=119期)が最初にブレークしたのが2022年の当大会だ。玉野競輪場で、ビッグ初出場でいきなり決勝進出。松浦の優勝につながった。明らかに復活していて、地元の小松島記念(阿波おどり杯争覇戦)を勝てたことは、すさまじい追い風になる。
“GIを取る男”の証明を後半戦で、だ。まずは今回、強敵たちとの力関係を楽しみたい。
KEIRINグランプリ出場に大チャンスの地元・岩本俊介(40歳・千葉=94期)だが、ベテランらしく気負いはない。南関の周りの選手たちがどんな思いで岩本を支えるか、のんびり楽しみたい。
児玉碧衣(29歳・福岡=108期)はガールズケイリンの主要な大会を一つひとつ、人気に応えて手にしてきた。ガールズグランプリ3連覇は、偉業中の偉業だ。そんな女王だが「フェスティバルが勝てていない」のが近年の悩みで、当大会は今年で終了となってしまう。
直前の小倉では参加メンバーが超豪華だったので「それどころじゃないですよ!」と、なにやら顔色が悪かった。いつもなら、レース前でもぶらぶら、だら〜、っという姿を見せているが「今回は、ヤバい!」と整えての3連勝だった。
2日目と最終日は板根茜弥(35歳・東京=110期)に猛抵抗されていたが、きっちりしのいでいた。決勝進出を決めた予選2走目の後、板根が決勝に向けてインタビューを受けているのをそばに来て聞いていた。すると板根が「ちょっとライバルに聞かれちゃう!」と児玉を遠ざけようとしたが、一瞬だった。
「ライバルじゃねえし! キャハハ!」
恐ろしくブラックな返しだったが、その対応の早さとあまりの明るさが、板根を完全にノックアウトしていた。フォームなどに不安を感じていたようだが、児玉の調子は、大丈夫だと思った。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。