2021/06/04 (金) 12:00 7
別府競輪場で開設71周年記念「オランダ王国友好杯(GⅢ)」が6月5〜8日の日程で開催される。2019年2月には全日本選抜(GI)、その年7月にはサマーナイトフェスティバル(GII)を開催。早い話になるが、2023年3月のウィナーズカップ(GII)の開催も決定している。
特に全日本選抜の時のキャッチフレーズ「オニアツ! 」はハマっていた。
優勝した中川誠一郎(42歳・熊本=85期)が、表彰式でファンにご唱和くださいと願い「オニアツ! 」と叫んだシーンはみなの心に刻まれているだろう。
全国でも屈指の気合を見せている場。風光明媚で豊かな温泉に恵まれた場所。別府のサマーナイトフェスティバル(2019年)の開催中に行われたガールズケイリンフェスティバルを優勝したのは石井貴子(31歳・千葉=106期)。先月京王閣のガールズコレクションで落車してしまい、ろっ骨を複数折るなどの重傷を負っている。
石井本人が書き、毎月1日に更新される「イチの日ブログ」もさすがに今月はアップされていない…。心配な限りだが、今は石井が大好きな別府、レースだけでなく、食べ物、お土産から何から…をまた元気に走れるようになることを祈るのみだ。
サマーナイトフェスティバルを優勝したのは村上博幸(42歳・京都=86期)だった。連係したのは渡辺雄太(26歳・静岡=105期)が、最高の流れを作ってくれ「絶好過ぎて緊張してしまいました」と苦笑いで振り返る直線だった。
当時、博幸は40歳。年齢を感じながらの戦いだったが、今なお上位での戦いぶりは変わらない。何よりも、度重なる大ケガを乗り越えてきた。ケガしていない場所はその体にあるだろうか。折れた骨の本数も数え切れない…。
博幸の兄・村上義弘(46歳・京都=73期)の背を追い、競輪の道を志した。指導はよほど厳しかったらしい。「よく耐え抜いたと思いますわ」。可愛い弟だが、生半可な気持ちでは競輪界で生きていけない。義弘は鬼になって指導したのだと思われる。
その根性が、どんな試練をも克服させる。無論、支えてくれる家族や、治療してくれる人たちのおかげでもあろうが、その前提として心の強さがある。
最終日(6月8日)の9Rで行われるレインボーカップA級ファイナルの出場9人で、来期のS級が決まっていないのは山本巨樹(30歳・大阪=100期)、ただ一人。大阪同士の北川大五郎(30歳・大阪=103期)が一緒なので、北川の早仕掛けに乗って3着までに走るシーンは十分。
3着までに山本を入れつつ、アタマで狙いたいのは野口大誠(31歳・熊本=105期)だ。熊本の偉大な先輩、中川のように勝利者インタビューで「オニアツ! 」と叫んでほしい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。