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不屈の男・金子貴志の奮闘記 〜40代の挑戦〜

【金子貴志の交友関係】競輪界で広がる“植物好き”の輪! 試行錯誤して経験値上げる奥深さに夢中

2024/06/20 (木) 12:00 30

 netkeirinをご覧の皆さんこんにちは。金子貴志です。梅雨の季節になりました。日本特有のジメジメした気候ですが、体調を崩さないようにしてくださいね。

 今回は松山競輪に参加した時、松本貴治君の自宅にお邪魔したことを書いていきたいと思います。

(本人提供)

北井佑季君の初タイトルに勇気もらった

 まずは北井君、高松宮記念杯競輪での初タイトル本当におめでとうございます。以前コラムで取り上げさせてもらい、ずっと注目していた選手のひとりです。

 オールドルーキーとしてデビューして3年。南関の仲間には年下の先輩も多いですが、優勝インタビューからは仲間たちへのリスペクトを感じ、謙虚な人柄が伝わってきました。

 今までの周囲に貢献する走りが実り、手にした初タイトル。南関の結束力を強く感じました。番手でのレースでしたが、これまで2周先行して磨いた脚だからこそ勝てた、獲るべくして獲った優勝だと思います。

 北井君はビッグタイトルを獲っても「今まで通りのスタイルで先行したい」と話していました。今後も強さをさらに増し、競輪界を盛り上げてくれると思います。活躍が楽しみですし、「自分も頑張りたい」という気持ちにさせてくれる選手です。いろんな人の心を動かす、勇気を与えられる選手だと思うので、これからもタイトルを量産していってほしいです。

初タイトルを獲得した北井佑季(写真提供:チャリ・ロト)

松本貴治君の“植物愛”

 松山競輪での開催が終わった後、「走植動物部」の松本君の家に、(松岡)健介君と遊びに行き、自慢の植物を見せてもらいました。一軒家である松本君の自宅の一室は、植物で埋め尽くされていました。ベランダには日光浴をさせている植物が気持ち良さそうに並んでいました。どれも興味深い植物で見応えがあり、時間を忘れて見とれてしまいました。健介君も「すごい、すごい」と興奮した様子でした。

 庭にも自分で作ったという植物のための小屋があり、もはや趣味の域を超えた環境が整っていました。鉢に入った植物だけではなく、地植え(地面に直接植えること)されたアガベもあり、室内のアガベと成長の度合いを比べるために実験していると聞き、驚きました。

 直射日光に弱い植物もあるため日除けを作り、風通しのいい環境にしてありました。松本君の植物への愛を感じました。

 面白かったのが、びっしり植物がある部屋にワットバイクも置かれていたのです。部屋の中は高めの温度に設定されているので、ここで練習するというのはまるで想像できませんが、松本君が好きなものを集めた空間なのでしょう。大好きな植物に囲まれて、ワットバイクで汗を流す松本君の姿を想像してしまいました(笑)。

“植物の師匠”のハウスで学ぶ

 その後、松本君が植物のことをいろいろ教えてもらっているという“植物の師匠”のハウスに皆でお邪魔しました。

松岡健介選手(右)とともに松本貴治選手(左)の“植物の師匠”のハウスへ(本人提供)

地植えされたアガベ。アガベにもたくさんの種類がある(本人提供)

 そのハウスには、小さなアガベから見たことのない大きなアガベも地植えされていました。私の家の一室にある植物を世話するだけでも大変なのに、この一面のアガベを管理しているということに驚きました。

たくさんのアガベを真剣に観察する松本貴治選手(本人提供)

 松本君は自分の植物が弱ったりすると、“師匠”に相談してアドバイスをもらっているのだそうです。

 私も植物に大切な風通し、光の当たり方、土の配合、水をあげるタイミングを“師匠”から学びました。暖かくなってくると害虫が出てくるので、おすすめの農薬や混ぜ方、ローテーションなどを聞き、凄く勉強になりました。植物を通じて人との新しいつながりができたことがとても嬉しかったです。

“植物の師匠”からたくさんの知識を教えてもらった(本人提供)

地区を超えたトレーニング談義

 話は尽きず、その後4人で食事に行きました。何を食べたか? このコラムで3か月連続になりますが、もちろん焼き肉です(笑)。

 食事の場では、植物だけでなくトレーニングについても熱く語り合いました。“植物の師匠”はアスリートではないですが、博識でどんな話も盛り上げてくれる本当に素敵な人柄です。美味しいお肉を食べながら、いろいろな話題に花を咲かせました。

美味しい焼き肉で会話も弾む!(本人提供)

 松本君や健介君からはいろいろなトレーニングの話を聞き、自分でも取り入れてみようと思いました。松本君の身体が最近大きくなったのを感じたので、ウエイトトレーニングの一番効果的なメニューを聞くと、上半身の強化とのこと。私も腰を痛めて下半身の強化ができなかった時にそのメニューを取り入れていたので、同じ考えの選手がいることに安心しました。

 このように地区を超えても調子が上がったトレーニング方法を教えあい、情報交換をしています。健介君もいろいろなトレーニングを研究していて、豊橋競輪場の改修でバンク練習ができないときのために、パワーマックスを使った効果的な追い込み方を提案してもらいました。皆の意見を取り入れながらトレーニングを重ね、少しずつ感覚が良くなってきています。

トレーニング談義でも盛り上がる(本人提供)

 これまでなかなか皆の予定が合うタイミングがなかったのですが、今回集まることができてとても嬉しかったです。楽しい時間だったので、また集まっていろんな話がしたいです。

試行錯誤重ねて経験値上げる奥深さ

 家に帰ってから、今回教えてもらったことをさっそく実践しました。我が家のアガベはいろんな方の知恵を借りながら、順調に育っています。健介君にすすめられて、突然植物に目覚めてから2年半になりますが、最初のころより大きくなったアガベもたくさん出てきました。同じことをしていてもすべてがうまくいくわけではないのですが、失敗を繰り返すたびに経験値が上がり、植物の奥深さを感じています。

金子選手が家で育てているアガベ(本人提供)

 自転車も同じで、私は長いこと不調に苦しんでいますが、調子が下がったところから上がってこれるとスキルが一段階上がります。試行錯誤して悪い状況から立て直す、研究して新しいものを得る。そういう奥深さが似ているなと思います。

 植物は競輪選手と親和性の高い趣味なのかもしれません。実際に競輪界で植物好きの輪は広がってきていて、今ではどの開催に行ってもひとりは植物の話ができる選手がいるほどです。松山競輪開催中には健介君が持ち込んだ植物を日光浴させていて、それを見た参加選手が何人か集まってきていました。

(本人提供)

 聞くところによると、競輪選手のほかにボディービルダーの人も植物好きが多いそうです。確かに自分の体をどう鍛えて、どういう形に作り上げていくかというのと似ている気がします。ある種「ストイックな趣味」かもしれません(笑)。

 競輪選手同士でもそうでない人とも、植物を通して繋がれるというのはとても楽しいことです。もっと植物の輪が広がると嬉しいですね。

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金子貴志

Kaneko Takashi

愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。

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