2024/05/11 (土) 08:00 7
いわき平の日本選手権競輪はベテラン平原康多の優勝で幕を閉じた。振り返れば、1走目の特選で眞杉匠のかまし逃げを楽々と差し切り、動きの良さが目を引いていたっけ! 落車過多もたたりS班陥落して走っている今年、満身創痍で挑んだダービー。後輩たちと連係して栄冠をつかんだ。『ケイリンから競輪へ』と戻った気がしたのはオレだけではないはず。
またS班が次々と敗れ、決勝戦は3人だけが残り、サバイバル戦の様相を呈していたね。「S班でも単騎で戦うのは難しい」そんなことをまざまざとみせつけられた一戦だった。6日間を通して波乱を含む展開が多く、本命党は厳しい状況に追いやられたが、楽しめたシリーズだったのでは。
いずれにせよ再三述べてきたように、自力型の力量は拮抗しつつありS班に限らず上位に食い込む選手なら誰が取ってもおかしくない現状だ。今後もニューヒーローが誕生する要素がある。さて、ダービーが終わり間がない武雄記念に話を移そうか。
ダービー組は長丁場を走り切ってヘロヘロになり、体力と気力を回復させるのが精一杯なのでは? ダービーの勢いをそのままにS班清水裕友が突っ走り、深谷知広の巻き返しがあるのか。松浦悠士の欠場は残念だが、しっかり調整して万全な状態を取り戻し、戦線復帰してもらいたいね!
九州勢は地元の山田英明・庸平兄弟が中心になり、嘉永泰斗を加え層の厚さでまとまれば互角以上に戦えるはず。バンクの特徴をみれば、直線の長さが功を奏し、縦脚の切れる追い込み屋が展開に恵まれる公算は大。そこで縦脚を重視して妄想演出しそうな選手をピックアップしてみるか!
まず大槻寛徳が最初に浮かぶ。予選クラスなら本命に推されるだろうが、スジ違いの番手車券が出ればそこそこな配当が期待できっかね。また負傷欠場から3場所目になるが、西武園記念で竹内雄作を差し切った上田国広がボチボチ戻ってきているのでは。
同じく負傷欠場からナリを潜めている石川雅望だが、気配が出てきたように思う。“困ったときのガボウ”の本領発揮で高配当ってか!
7Rを妄想推奨レースにするベかね。いつものように並びから。⑦小原丈一郎-②大槻寛徳の北日本に⑧伊藤亮、①川口聖二-⑤藤田勝也の中近に③原誠宏、南関は④齋木翔多-⑨桐山敬太郎、単騎の⑥小玉拓真で細切れ戦(⇐⑦②⑧・①⑤③・④⑨・⑥)。
初手は川口の前受けから。小原は中団で齋木は後方から。勝負どころで齋木が押さえに行き、これに合わせ小原が切る。逃げる齋木を小原がまくって大槻が抜け出し恵まれる。軸は大槻から小原への②-⑦、齋木から切り替え突っ込む桐山への②-⑨、川口に乗る藤田の②-⑤までが本線になるべか。
妄想展開があるなら、齋木が出たところを小玉がかましたとき。齋木は番手になる。川口と小原の仕掛けにあわせ先まくりになれば、桐山とゴール勝負に持ち込めるだろ。齋木との⑨=④、藤田、大槻、桐山の番手ボックス②⑤⑨を妄想先取りの〆としとくか。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。