2025/07/31 (木) 08:00 1
いや〜、とにもかくにも、暑い! この頃は「暑いね〜」がすっかり挨拶代わり。挨拶というかもう“嘆き”だね。そんな灼熱地獄の中でも、選手たちは当然ながら黙々とトレーニングに励んでいるわけで。頭が下がる思いだね。
それで練習のスタイルだが、今や二極化。ざっくり言えば、「室内派」と「アウトドア派」ってやつだね。「室内派」は定番のウエイトにパワーマックス、それに最近はワットバイクなんてのも主流だ。そんな中、弥彦記念で好調だった五日市誠選手と話す機会があって。ちょいと聞いてみたんよ。「練習は何やってんの?」って。
そしたら返ってきた答えが「ズイフト」って。ん? ズ、ズイフト? なんだそりゃ、食べ物か? 新しいアイスか? とオレの好奇心がムクムク。ツッコミを入れたらなんとまあ、画面越しにロードレースっぽいことをやれるトレーニングソフトらしいじゃないの。しかも、対戦ゲームらしく相手は世界中にいるらしい。
となれば選手の習性が呼び起こされスイッチオン。「もがかずに乗っているだけ」そんなことできるわけがない! むしろムキになるはず。正直チンプンカンプンなんだけど、それが今の好成績に繋がってるってんだから、わからんもんだね〜。世はまさに“バーチャル鍛錬時代”ってわけか。
一方、アウトドア派といえば山下渡選手だ。こちらは「昭和の魂」そのまんま。街道で早い先頭交代をひたすらやってるんだって。「若いうちは乗らなきゃダメっすよ」なんて言われて、オレも思わずウンウン頷いちゃったよ。ベテランふたり、やり方は違えど、努力を惜しまぬ姿勢にゃ胸を打たれたね。暑さが吹っ飛び気持ちのいい清涼感をもらったよ。
さあ、本題! 瑞鳳立山賞争奪戦に目を向ける! 古性優作が欠場になり、S班は犬伏湧也ただひとりとなった。こうなると犬伏湧也がS班の責任とプライドを懸けて、負けるわけにはいかない。プレッシャーはあるだろうが、松本貴治との連係が見込め、優位に立ち回れる。かたや村田雅一は古性の欠場は痛い! また、和田真久留は目標があれば番手戦になるが、自在戦を駆使し上位を狙っていく。
さてさて、妄想の注目すべき選手たちは125期の若武者たちをピックアップしたい。山崎歩夢に小川三士郎! このふたり、ポテンシャルだけならS級の上位レベルだと思っている。キラッキラした原石がS級戦線で揉まれて、機動力が開花すりゃあ、そりゃ上でも通用するってもんよ。
その少し上の先輩格・123期の松本京太。この男は地脚系でね、長い距離を踏むのはお手のもん! “逃げて成長”って感じだ。本領発揮は、そう遠くない。うん、時間の問題だね。そして忘れちゃならないのが佐藤壮志。自力もあるし、自在もこなす器用な選手だよ、この人は。展開ハマったら、あれよあれよとやっちゃうかも! ついつい期待しちまうタイプなんだわ。
そして若手だけじゃない。ベテランも忘れちゃいけない。前文でも話したが、山下渡がいいね。目標次第だが、窮地になってから嗅覚を発揮ってわけだよ。コースを見つけて突っ込んでくる。ワクワクさせられるよ。さらに鈴木謙太郎に山中秀将。このふたりのまくりがまた怖い。ツボにハマったときの破壊力は、一撃必殺。ナメちゃいけない!
そして、もうひとり触れたいのが、我が弟子の武井大介。長らく“超低空飛行”だったんだけど、最近ちょっとずつ“上昇気流”に乗りかけてる。腐らずコツコツやってる姿はグっとくるよ。だからこそ、応援したいのよ。どこかで一発、ドカーンと大穴かまして欲しいんだよね。
初日の妄想は4Rをピックアップしとくかね! まずは並びの整理から。中部で⑨近谷涼-①松岡篤哉、②山崎歩夢-⑤佐藤和也-山田敦也の北日本に⑧大木雅也、④鈴木謙太郎-③白岩大助の関東コンビ、⑥中村健志は単騎となった。
山崎のラインが長く仕方ないよね。スタート早い佐藤が取るだろ。並びは枠なりで⇐②⑤⑦⑧・⑨①・④③・⑥となる。これならもう山崎のやりたい放題ってことに。4車だしほぼ突っ張りとみる。佐藤が差せるかどうかの②=⑤が大本線。
妄想はきわめて難しいが、敢えて狙うなら! 鈴木が切って山崎が無抵抗で下げる! もちろんそのときは近谷が地元の意地でブン掛けってわけだ。山崎が巻き返しもがき合うなら鈴木のまくりが炸裂。一縷の望みを託し、④-①②⑤③を妄想〆にいかがかね!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。