2024/04/30 (火) 08:00 6
世間では行楽地へ行く家族や友だち同士でお出掛けするのがゴールデンウィークの定番になってる。我が競輪界といえばGIの中のGIとよばれる日本選手権競輪(競輪ダービー)が始まる。トップレーサーが揃う大会だもの、白熱した激戦は当たり前だべね。
ついこの前のことだが、輪歴50余年の飲み友だちIちゃんらと居酒屋で競輪談義を繰り広げたときのこと!「グレードレースになると転ぶのが多いよな。何でだ? オメーたちが走ってた頃は競りでもそんなに落車しなかったべよ」と言ってきた。「勝負どころでもねーのに、転ぶと車券を買ってるオレらはガックリくるぞ…」と…。これは仰せのとおりなのだ。
だが、反論(?)すればオレらの時代は乗れば良いってもんで、街道練習に出れば100Km以上は走ったもんだ。もちろんチンタラ走っていたわけではない。早い先頭交代を繰り返し自転車に馴染み、尚且つ追走技術を研いていた。“元祖ヤマケン”なんか前を走る選手の後輪に1cmぐらいの間隔で追走してたっけ。
現在はいろいろなトレーニングが取り入れられ、自転車に跨がる時間が短くなってると聞いてる。距離と時間をかけて乗り込めば、“生きた追走技術”を身につけることができると思うのだがね…! そうすれば無用な落車は避けられるはずなんだよね。
「時代が違うよ!オッサン!」と言われバッサリと切り捨てられそうだが、昭和のオッサンの御託を頭の片隅に置いてくれたらいいが。ダービーだからこそ、良いレースを提供し、最終日まで落車失格がなく無事故で完走を目指してもらいたいね。
さて、今年の記念競輪(GIII)の直近の優勝者をみれば桜花賞は嘉永泰斗が高知記念は阿部将大がS班を破り優勝している。S班と言えどもウカウカできない昨今になりつつあり、力差は縮まる傾向になっている。
このダービーでも“新世代優勝”の可能性があるのでは。果たして6日間の長丁場はどんなドラマが待ち受けているのか!楽しみでならない。
さて、長丁場を乗り切るためには勢いが大事。そこで1レースに妄想車券を狙ってみるか。まずは並びから。①吉田拓矢-⑨諸橋愛の関東コンビに④大森慶一、⑤河端朋之-③隅田洋介-⑦大川龍二の中国ライン、⑥稲毛健太-②中井太祐-⑧伊藤正樹で近畿中部ライン。
初手は河端が前受けから。ヨシタクは中団で構える。後方は稲毛7番手になるべ(←⑤③⑦-①⑨④-⑥②⑧)。稲毛が押さえに行き、ヨシタクはこれに切り替える。河端は抵抗せず7番手に下げる。これならヨシタクがまくって諸橋とのゴール勝負①=⑨、稲毛が逃げ番手中井が切り替え①=②、ここまでが本線になるべね。
それでは高配当な妄想展開を考えてみるべ。初手と並びは同じだが、稲毛が出たところをヨシタクが押さえに行ったとき····! 稲毛が突っ張りヨシタクともがき合い。ここぞとばかりに河端がかませば、決まる公算が大。なおかつ直線が長いし、河端が末脚を欠くことも···! 隅田から河端の③-⑤、大川の流れ込み③-⑦が妄想になるべか。いやいや! 隅田が前残しを掛けると大川の突き抜けが怖いし、③⑤⑦ボックスの“良いとこ取り”で〆とくか。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。