2025/08/31 (日) 18:00 2
人気予想屋・木村安記さんが初心者から上級者までタメになる競輪予想のイロハを教えてくれる連載企画です。第8回は8月15日に行われた「オールスター競輪(GI)」の4日目11R・準々決勝Aについて取り上げていきます。
ーーまずはオールスター決勝、いかがでしたか?
まぁ一言で感想を述べるなら「がっかり」ですよ。何ですかあの2番車(太田海也)。
まず初手ね、宮記念の決勝やドリームで車番悪くてもサクッと前取っちゃうくらいスタート速いのに何で後ろ攻めになるわけ? せめて中団にはいないとダメだよね。
そして問題のシーンが赤板1センターですよ。アクシデント的に寺崎の後ろに入れてヨシ! と思ったらズルズル下がるってなんなんだよ…(泣)。古性は手負いの状態だし、太田も準決勝で器用に山口拳矢を捌く天性のヨコのセンスがあるんだからあの位置で勝負しない意味が分からない。しかも古性どころか松本・拓矢にも譲って7、8番手から捲れるわけないじゃん。
別に俺は太田のアンチでもなんでもなく、むしろ日本の競輪界を背負っていく逸材だと期待してる。だからこそもっと良い走りをしてくれると期待したんだけどね…。
ーーでは切り替えて本題に入りましょう。4日目11Rで162万の払戻、お見事でした。
いや〜美味しい配当だったよね。
ーーまずパッとメンバーを見て何を考えましたか?
普通なら一番人気になる古性はサマナイ落車のケガが完治してないのに強行出場してきて、実際ドリームの走りを見てもガタガタだよね。だからあとは取鳥と松井、どちらを選択しますか?というだけの話だね。
ーー木村さんは取鳥選手を本命にチョイスしました。その理由を教えてください。
松井は全然覇気が無いよね。オリオン・二次予選とも多少脚使ってるにしてもそこそこの位置がある割には全然進まないじゃん。その上今回は位置取りうるさい古性・鈴木玄人の2人がいるから捲りに構えちゃうと7番手確定になるだろうし、捲り不発か逃げて捕まるかの結末しか見えなかった。
反対に取鳥は初日のオリオン賞で5着に敗れはしたけど、寺崎のカマシを単騎捲りで乗り越えちゃったシーンはなかなかの衝撃だったよね。二次予選は内包まれて力出せずの負け方だったからデキ云々の話ではないし、まともに勝負できる展開ならカマシ・捲りどちらでも勝機があると思った。
ーーなるほど。ただ気になるのがその取鳥選手の佐々木選手を無印にしていますがどのような理由ででしょうか?
番手経験の浅さだね。単純に取鳥に逃げてもらって後続が迫ってきたらとっとと出て行ってみたいなやり方なら勝てるんだろうけど、今までの取鳥が中四国に貢献しまくってきた功績を考えたら簡単にポイ捨てできないし、その上年齢も佐々木が下だから取鳥が先行なら仕事せざる得ないでしょ。慣れない仕事で狂ってしまえば古性か鈴木玄人に内をしゃくられて終了のパターンになるかなと思った。
もう一つのケースとして取鳥が捲りだった場合は自力あるからぶっ離れはしないだろうけど、踏み出しの呼吸が合わずにちょっとでも口が開いてしまったりすればこれも誰かしらに捌かれるのかなと思って、ここは思い切って消しという決断をしたよ。
ーーもし仮に佐々木選手の位置に収まるのが古性選手であれば今度はそっちが着に絡んでしまうのでは…。
古性が万全なら佐々木を楽に捌いて1=3、下手したら1ー4になるだろうね。でもやっぱりコンディションは万全じゃないし、佐々木も無抵抗ではないだろうから共倒れになるかなと思って両方消しちゃったね。その2人の小競り合いを後ろで眺める南さんが直線ビュッと突っ込んでくる目は必要かなと思って厚めに買ったよ。
ーーあとは人気薄の鈴木玄人選手にも重い印を打っていますがこれはどのような理由で?
これはね、覚えてる人少ないかもしれないけど24年の西武園記念の二次予選で深谷の番手にハマって、深谷をズブズブに沈めちゃったんだよね。そのシーンを見た時からこれは只者じゃないなと思って注目はしていたよ。
タテヨコ自在に動けるのはもちろんだけど何よりインタビューなんかを見ててもいい目をしてるし、度胸もあるし、格上選手でもぶっ倒してやるよ! の雰囲気は持っているよね。
ーーなるほど。では答え合わせをしていきましょう。
(取鳥が打鐘先行、古性が3番手)
ある程度想定していたとはいえ松井も最後方かぁ〜。松井がそれなりに捲り迫ってきて、それに対して佐々木が仕事をして狂うって算段だったけど、最後方からじゃ迫ることも出来ずにすんなり佐々木が差して終了かな〜ってこの瞬間は諦めてたよ。
(最終バックで松井が捲り迫る、佐々木が牽制)
結構迫ってきたね、これはうれしい誤算だよ。
(佐々木が空けたインを古性がしゃくる)
佐々木もやっぱり番手は下手だな〜。まず振るのが早いし、2車なのに戻らないでイン開けたままなんだからそりゃ潜られるよね。佐々木がいなくなるのはオッケーだけどここまで無抵抗だと古性が着に絡んじゃうね。
(最終4コーナーから直線、鈴木玄人が古性の内から強襲)
この瞬間にガッツポーズですよ。でも南さんがポッカリ内空けちゃうのは珍しいシーンだよね。
(取鳥雄吾が逃げ切り勝ち、2着は鈴木玄人)
鈴木玄人も最後良く詰めたね。古性の位置が鈴木玄人だったら交わし目だったかもね。にしてもあの展開で確定板にすら入れない古性は重症だな。
ーー今後の取鳥選手の取り扱いを教えてください。
取鳥は自分の型に持ち込めないと脆いけど、ツボにハマった時の爆発力は要注意だね。お決まりの引いてドカンが出来そうな番組かどうかを第一に考えたいね。
まぁ話は逸れるけど、取鳥は早く記念の一個でも獲らないと。代表例で言えば吉田敏洋なんかもさ、あんだけ強くて中部に貢献してきたけどタイミングを逃して一回もグランプリ乗れなかったわけじゃん。
取鳥もGIまでは分からないけど記念の1個2個、これまでの地区への貢献度を考えたら獲らないとだめだし、周りもなんとか取鳥に獲らせるぞ! の気概でやってほしいね。
ーーなるほど。鈴木玄人選手はどうですか?
これも記念クラスなら十分に獲れるだけの力はあるよね。さっき取り上げたレースなんかはまさにそうだけど、器用さと度胸があるから相手が格上だったり、車番が悪くてもどうにかやりくりして突っ込んでこれるし、穴ならいつでも狙いたい選手だね。今後さらなる成長も見込めるよね。
Q.オールスターに出場していた125期の3人の走りはどのように映りましたか?
まず栗山、師匠の松岡篤哉の師匠、いわゆる大師匠の(山口)富生さんを背負って全然行かないのはちょっとびっくりだったな。毎日逃げなさい! とは言わないけどさすがにここは…って場面は考えないと。意識を変えていかないとGIでも戦える選手にはなれないと思うな。
山崎はいいね。先行で頑張れているし、何より自分がどんな選手になりたいかというビジョンが走りからも伝わるね。このままいけば近い将来、北日本の看板選手になれるはずだよ。
問題は中石湊ですよ。FIでは見どころあるレースをしていたし、初日も師匠の大森連れて果敢に先行していたけど、二次予選の成田和也をハメるレースはあり得ないよな! 100歩譲ってそれに目を瞑ったとして、準々決勝でも平気なツラして逃げなかったでしょ。普段から毎日捲りに構えるような選手なら「ああ、こういうヤツなんだな」と思うだけでしかないけれど、徹底先行で頑張り抜くのかなと思っていたところでこういう裏切り方をされるとファンとしてはショックが大きいよね。彼が将来どういう選手になりたいのか、全く見えないな。
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木村安記
Kimura Yasuki
木村安記(キムラヤスキ) 埼玉県大宮市出身 予想スタイルは総合派。堅いと思った時は本命予想だが、思い切って穴をねらう時もある。あくまでもラインと選手の調子を注視する。埼玉県大宮市出身、父の実家が大宮競輪場の食堂を営んでいた影響で幼少より競輪に興味を持つ。川口オートで予想屋を展開していた親戚の影響を受け、31歳で脱サラして大宮競輪場で場立ち予想屋デビュー。2006年競輪祭では自分の予想を買ったお客さんに1000万円の高額配当の払戻しをもたらした。netkeirin予想サービス「ウマい車券」で予想を公開中。