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鈴木誠のハイブリッド展望

【よさこい賞争覇戦予想】今大会好調の犬伏が捲り一閃で優勝を決める! 対抗する北日本ラインは新山の突っ張り先行で押し切れるか?/鈴木誠の展望

2024/04/14 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は高知競輪場で開催されている「能支・万協よさこい賞争覇戦(GIII)」の決勝レース展望です。

アラフィフどころか、アラ還に近づいたベテラン選手たちが大会を盛り上げる!

 【日本選手権競輪】を前にSS班の4人が出場した【よさこい賞争覇戦】ですが、バンクを沸かせているのは、50歳を超えたベテラン選手たちだと言えます。

 準決勝の12レースでも、共に54歳の小嶋選手と山口選手が連係を見せただけでなく、56歳の神山選手も同じ日の6レースでは、積極果敢に番手戦を仕掛けていきました。

 自分も53歳まで現役を続けました。若い頃は練習で追い込んでも、すぐに回復できたのですが、年齢を重ねてくるにつれて回復に時間を要するようになり、そしてちょっとしたことで怪我もしやすくなりました。

 年齢を重ねてからは、まだ追い込みたいのを我慢して、短時間で質の濃い練習を行う一方で、これまでは回復に充てていた休みの日を無くしていました。

 小嶋選手、山口選手、そして神山選手も独自の練習方法を身に付けているとは思いますが、それでも間隔を空けることなく、レースへ参戦し続けているのは驚きです。しかも、小嶋選手はいまだに自力を出しているわけですからね。

 3人のようなベテラン選手がS級で頑張ることで、選手寿命も更に延びていくはずです。それは同じ世代の選手にとって、いい刺激になるだけでなく、同年代の競輪ファンにとっても、俺も負けていられないぞ、といった励みになると思います。

 最終日の7Rでも小嶋選手、新田選手の74期生の同期連係が実現しました。初日の4Rもこの2人でワンツーを決めているだけに、その再現となるかにも注目です。

 決勝にはSS班4人が揃って進んできました。準決勝と同じく中四国ラインで並んだのが①犬伏選手-⑦清水選手。北日本ラインは3車での連係となり、②新山選手-⑨佐藤選手-④永澤選手での並びとなります。

 今大会は臨機応変な走りを見せている⑧阿部選手の後ろは⑥大坪選手で、ここは九州ライン。③深谷選手と⑤坂井選手は単騎戦となります。

 このメンバーで先行意欲があるのは新山選手と犬伏選手、バック回数からすると阿部選手も含まれます。ただ、今大会での走りを見ても、先行への迷いが感じられないのは、新山選手と言えるでしょう。

 1番車となった犬伏選手ですが、前を取ったとしても、引いてからの先行を得意としています。北日本ラインに前受けをさせた場合には、車番的にも4番手からレースを進められるだけに、無理をしてスタートを取りに行かないのではと見ています。

 そうなると、その後ろにいる阿部選手が抑えにいくことになりますが、ここで新山選手に突っ張られた場合、元の位置まで下げるのではなく、犬伏選手の横に降りてくる可能性もあります。

 犬伏選手は決して横の動きが上手いとは言えませんが、内からならば一気のスピードで突き抜けていくはずです。準決勝でも犬伏選手は捲り切った後に踏み直していますが、番手の清水選手が交わせなかった程の伸びがありました。

 そうはさせじと、突っ張り先行を図っていく新山選手ですが、初日の特選では捲ってきた犬伏選手に合わせていきながら、4着に粘り込んだように、状態面も問題無さそうです。

 ただ、その時とは違って、犬伏選手がラインのすぐ後ろにいる展開となるだけに、3車のラインを生かした走りができるかが鍵となります。

 また、阿部選手の動き次第では道中でごちゃつく展開も想定されますが、その時に脚を伸ばしてきそうなのが単騎の深谷選手、坂井選手の両名です。

 500バンクながらも、コーナーが広くて捲りが出にくい高知バンクですが、それでも長い距離を踏んでいける自力型の2人には問題無さそうです。

 決勝の印ですが◎は①犬伏選手、◯は⑦清水選手。△は⑨佐藤選手で、✕は③の深谷選手に打ちます。ただ、買い目としては中四国両者のワンツーだけでなく、犬伏選手から筋違いでの決着、そして単騎でも一発がありそうな深谷選手からのSS班決着まで想定した予想を出しておきます。

 この決勝にも47歳の佐藤選手、そして46歳の大坪選手が名を連ねています。両者ともに年齢を感じさせないような、若々しい走りを見せているだけに、決勝でも高配当を演出してくれるのかもしれません。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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