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前田睦生の感情移入

【玉藻杯争覇戦】グランプリ覇者・松浦悠士が“きっかけの場所”で狼煙を上げる

2024/02/16 (金) 12:00 30

松浦悠士の進化の歴史がある

自然と力が湧いてくる。

 高松競輪場で「開設73周年記念 玉藻杯争覇戦(GIII)」が2月17〜20日の日程で開催される。松浦悠士(33歳・広島=98期)にとって重要な場所だ。2020年、2021年の大会を連覇。相性の良さもあるが、「自然と力が湧いてくる」と感覚の良さをつかめることが多い。

 年頭の大宮記念(東日本発祥倉茂記念杯)を病気欠場でのスタート。前回岐阜の「読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)」でも結果は残せなかった。ちょっと出遅れ、の状態だが、このタイミングで高松記念があることを松浦は非常に喜んでいるだろう。ここから調子をグイグイ上げていき、KEIRINグランプリ覇者として、王様の笑顔を披露し続ける。

 松浦は選手のタイプとしては王道というより、挑戦者、曲者、あの手この手…というスタイルだが、その茶目っ気あふれる笑顔と走りで王様の座ではしゃいでほしい。傍らに町田太我(23歳・広島=117期)が立っており、犬伏湧也(28歳・徳島=119期)もそびえる。

 現在の中四国のうれしい悲鳴で、松浦は四国勢との別線もあるかもしれないが、まずは瀬戸内の荒ぶる絆で勝負に挑む。

佐藤慎太郎は突っ走る

シンタロウは突っ走る!

 山口拳矢(28歳・岐阜=117期)は全日本選抜の直前に体調を崩した、と話していたが、4日間、体力尽きるまで戦い抜いた。欠場になってしまい、S班は松浦と佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)の2人だ。

 それにしてもシンタロウは走り続けている。自身のコラムで「走ることで」と何かをつかむ狙いを明かしている。トレーニングで補ってきたが、今はそれ以外でプラスを求めていっている。和歌山記念(和歌山グランプリ)の時に非常に悩ましいのか、自転車について考えている姿があり、ある意味でらしくなかった。

 ちょっと深刻な感じを受けたもので、やはり「ガハハ」を聞きたい。2004年10月には「共同通信社杯(GII)」を勝った場所。いい感覚をつかむには絶好の舞台だ。令和6年度から「共同通信社杯競輪」に名称は変更となる。

犬伏湧也と吉田拓矢

犬伏湧也が全日本選抜の憂さを晴らす

 全日本選抜で思うような活躍をできなかった犬伏と吉田拓矢(28歳・茨城=107期)も反転攻勢をアピールしたい。犬伏には大きな勝負の一年だ。地元地区で好きには差せない姿を見せ付けて、怖さを感じさせてほしい。全日本選抜は、ちょっと失敗、で忘れよう。

 そしてタクヤ…。失格という結果に終わった全日本選抜。復帰してからは、ちょっと焦りのようなものを感じる。タクヤらしさとは何なのか。今までのものと、これからを織り交ぜたニュータクヤを見たい。

 2018年大会の決勝で、松浦は地元の香川雄介(49歳・香川=76期)と池田憲昭(41歳・香川=90期)を連れて先行した。戦法が定まらず、ラインから信頼を得ていたとは言えない時期だった。悔しい時期だったかと思う。そんなところからも松浦は、はい上がってきている。

 今回の高松で何を見せてくれるのか。ちょっと、どころではない楽しみばかりだ。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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