2021/05/24 (月) 18:00 5
5月、金子貴志選手は最高峰のGI「日本選手権競輪」に出場。今回のコラムでは6日間のシリーズを振り返りながら、無観客開催の裏側やオフのこと、さらには金子選手の座右の銘、大切にしている心構えなどを書き記してもらいました!
netkeirinをご覧の皆さん、金子貴志です。今回は競輪界で最高峰と言われる「日本選手権競輪(通称ダービー)」について触れたいと思います。9日に幕を閉じたダービーは、広島県の松浦悠士選手が優勝しました。私は一次予選を突破したものの、二次予選で敗退。それでもいい緊張感の中で、レースができたので、次のGI戦「高松宮記念杯」に向けてしっかりと準備をしていきたいと思います。
昨年のダービー(静岡)はコロナの影響もあり、残念ながら中止になりましたが、今年は施行者をはじめ各関係団体の皆さんの努力のお陰で、無観客ながら無事に開催されることができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
現場での感染対策も万全でした。ダービーは参加人数も多く、密を避けるために、今回は私たちの控え室はバックスタンドでした。普段は入ることのない席からバンクを眺めると、改めて競輪の魅力を感じました。選手は目線を金網越しのファンだけでなく、特観席に向けることも大事なのかもしれない、など気づいたこともありました。
宿舎も分宿になりました。普通は全選手同じ競輪場の宿舎で過ごすのですが、分散させるために半数の選手はホテルに宿泊しました。食事はバイキングですが、料理は蓋がされてます。取りに行くときはもちろんマスク、手袋。食べる時もアクリル板がしっかり設置してあります。風呂も混み合うこともなく快適でした。このように競輪場の管理はもとより、選手の意識も高く、これは走れることへの感謝の気持ちが、そうさせているのだと思います。
ダービーは他のGIと違い6日間の長丁場です。しかし、実際に出走するのは4回です。そのため、選手たちには、必ずオフの日があります。私のオフの日の使い方は、朝練習で自転車に乗り調整。その後はファン目線でレースを観戦したり、キャンプの話をしたり、本を読んだりして過ごしました。
選手によっても過ごし方は様々で、ローラーに乗って汗を流したり、自転車の整備やセッティングをする人、風呂に入ったり、ゲーム、読書とそれぞれですね。オフはリラックスすることで力を温存できます。
優勝できるのは1人です。圧倒的に負ける選手の方が多いのが競輪の世界、しかしプロである以上、たとえ負けても、どのレースも最後までモチベーションを保って走っています。プロは優勝するために、何をすればいいのかを考えるのです。決して時間を無駄にはしていません。私の座右の銘は「今を大切に」です。今が未来を造る、自分が変われば未来も変わるという思いからです。年齢を重ねても進化していかなければなりません。
参加したメンバーを見ても若い選手が増え、レベルも上がっています。私自身、その中で戦って刺激を受けました。体力には限界がありますが、気持ちには限界はありません。またGIという大舞台で優勝するために、自分の可能性を信じて、“今”を大切にしていきたいと思います。
【SNSはコチラ】
金子貴志YouTubeCH|カラフルスタイル
金子貴志Twitter
金子貴志instagram
金子貴志
Kaneko Takashi
愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。
古性優作が語る"S班"としての意識「セコいことをせず真っ向勝負」"近畿の競輪"にも言及「もっと泥臭くてもいい」/全日本選抜直前特別インタビュー
【ウィンチケットミッドナイトG3予想】ここではSS班の常連だった新田が抜けた存在! 決勝でも一気の捲りで完全優勝を果たす! 先行1車の鈴木にも注目!
【無料予想3選】2/19(水) 小松島 GIII ミッドナイト 5R・8R・9R
【金子貴志のモットー】「その先の世界を見たい」競輪と植物の奥深さ… 命尽きる前に咲く花のように、悔いなく生きる
【2025年の競輪予想】今年もグランプリ覇者・古性優作で安定!車券は「内を突ける追い込み屋」を重要視/車券IQ向上委員会・新年会